実際に震災を体験したふたりの演技が心を揺さぶる感動作
第36回放送文化基金賞受賞。放送後に寄せられた膨大なメッセージの力で異例の劇場公開へ
阪神・淡路大震災からちょうど15年目にあたる2010年1月17日、NHKで放送されたドラマ「その街のこども」は、実際に震災を体験している森山未來と佐藤江梨子の切なくリアルな演技に加え、心の傷を抱えたまま生きる若者たちを優しい眼差しで描いた渡辺あや(『ジョゼと虎と魚たち』)の脚本が大きな話題を呼び、放送後には視聴者から感動と絶賛の声が多数寄せられた。本作は第36回放送文化基金賞を受賞。さらに反響は拡がり続け、遂に『その街のこども 劇場版』として、NHKの制作したドラマとしては前代未聞の全国公開が決定。新たな映像を加え、再編集バージョンでの上映が実現した。

■STORY
1995年1月17日午前5時46分、「街」は一瞬で破壊され、ぼくたちは生き残った。
こどもの頃に震災を体験し、いまは東京で暮らす勇治(森山未來)と美夏(佐藤江梨子)。彼らは「追悼のつどい」が行われる前日に神戸で偶然知り合い、震災15年目の朝を迎えるまでの時間を共に過ごすことになる。震災が残した心の傷に向き合うため、今年こそ「追悼のつどい」に参加すると心に決めていた美夏に対し、出張の途中に“なんとなく”神戸に降り立っただけだと言い張る勇治。全く異なる震災体験をしたふたりの間には、大きな溝が広がっているように見えた。しかし、“ある場所”に差し掛かったとき、美夏は勇治が長年抱え込んできた過去を垣間見ることになる。復興を遂げた真夜中の神戸の街を背に、これまで語ることのできなかったふたりの想いが、不器用にあふれ出そうとしていた。

2011年1月15日東京都写真美術館ホール、池袋シネマ・ロサほか全国ロードショー!
2010年11月20日シネ・リーブル神戸、シネ・リーブル梅田ほか関西先行ロードショー!
2010年11月3日 東灘区民センター大ホールにて小・中学生限定の無料上映会開催

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執筆者

Yasuhiro Togawa