2010年12月1日全米公開が決定した『π』、『レクイエム・フォー・ドリーム』、『レスラー』のダーレン・アロノフスキー監督の最新作『ブラック・スワン』(仮題)が、9月1日より開催されるベネチア国際映画祭のコンペティション部門オープニング作品として上映されることが決まった。ニューヨーク・シティ・バレエ団を舞台にした本作は、ナタリー・ポートマン演じるリード・ダンサーのニナが、同じバレエ団でプリマの座を争う新しいライバル(ミラ・クニス)と競合関係の陰謀の中で、激しいこう着状況に陥ってゆく心理スリラー。二面性を併せ持つスワンの女王役を演じる若きバレリーナ—恐ろしいまでに完璧な役となっていくニナをナタリー・ポートマンが鬼気迫る演技で魅せる!—の精神を通じて、スリリングで、そして時には恐ろしい境地へと観る者をいざなう。美しい映像、緻密な脚本による心理描写で定評のあるアロノフスキー監督が、ナタリー・ポートマン、ヴァンサン・カッセルら若手実力派俳優を揃えて送る最新作は、今後の賞レースからも目が離せない作品として世界中から注目が集まっている。

●『ブラック・スワン』ストーリー●
ニナ(ナタリー・ポートマン)はニューヨーク・シティ・バレエ団のバレリーナで、彼女の生活は全て踊ることに捧げられていた。彼女はすでに引退した元バレリーナの母親エリカ(バーバラ・ハーシー)と一緒に住んでおり、母親は娘のプロとしての野心を熱狂的にサポートしていた。芸術監督のトーマス・リーロイ(ヴァンサン・カッセル)がプリマ(主役)・バレリーナのベス(ウィノナ・ライダー)を新シーズンのオープニング作品、「白鳥の湖」から降板させることを決めたとき、ニナは彼の第一候補だった。しかしニナにはライバルがいた。同じくリーロイを惹き付けた、新人ダンサーのリリー(ミラ・クニス)だ。「白鳥の湖」は、純粋で気品のある白鳥と、狡猾さと官能性を併せ持つ黒鳥の両方を演じられなければならない。ニナは白鳥役にぴったりだが、リリーは黒鳥の化身のようだった。二人の若きバレリーナは敵対心から、ねじれた友情を発展させていく。そしてニナは自分を崩壊させかねない危険な方法で、自らのダークサイドを見出していくことになる・・
                               
2011年春TOHOシネマズ シャンテ ほか全国ロードショー

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執筆者

Yasuhiro Togawa