本作は、2005年の小泉政権下において、自民党から市議会議員の補欠選挙に出馬することになった山内和彦元議員に密着。そのドブ板選挙を映し出した作品です。 2007年の劇場初公開時から注目を集め、世界の映画祭で数々の賞を受賞、全世界200カ国近くでテレビ放送されるという快挙を達成、また2009年には、アメリカ放送界の最高権威「ピーボディ賞」も受賞しました。

作品の舞台は5年前。5年の間に政権交代が行われ、5年も経てばその選挙スタイルも過去の話になっているはず。
はたして、昨日7月11日(日)に行われた第22回参院選と比べてそのスタイルに変化はあったのだろうか??

本作で密着された候補者山内和彦さんは、街宣カーで、政策よりもまずは名前を連呼。時にはスーツ姿のまま地元のお祭りで御神輿をかついだり、地元の小学校の運動会でラジオ体操。バス停でバスを待っている人に片っ端から握手をしたり、犬にも子供にも握手!「電柱にもおじぎ」を合言葉に、まさにドブ板選挙に奮闘する姿が描かれている。
さて、それから5年。第22回参院選での候補者はどうだったのだろうか。

映画に出演した山内和彦さんは、自身のTwitter(@Yamasan_senkyo)にて、
「5年前のどぶ板選挙、今もあんまり変わらないなぁと、つくづく感じました」と、呟いているが・・・?!

あなたも、これを観て検証してみてはいかが?!
ドキュメンタリー映画『選挙』は、7月16日(金)まで新宿K’s cinema、7月23日(金)まで十日町シネマパラダイスにて復活上映中!!!
★合言葉割引も実施しています!! 「7月24日」は、想田和弘監督作・第2弾『精神』DVD発売の日★
当日券購入時に、合言葉割引を実施します!合言葉「7月24日」で、当日券がなんと一律1000円に!!

<ストーリー>
2005年秋、小泉劇場まっただなか。東京で気ままに切手コイン商を営む「山さん」こと山内和彦(40歳)は、ひょんなことから自民党に白羽の矢を立てられ、市議会議員の補欠選挙に出馬することになった。政治家の秘書経験もない山さんは、いわば政治のド素人。いわゆる落下傘候補だ。「電柱にもおじぎ」を合い言葉に、小泉首相(当時)や自民党大物議員、地元自民党応援団総出の、世にも過酷な「どぶ板選挙」がはじまった!ナレーションや音楽、説明一切無しの異色の選挙密着ドキュメンタリー!!

<公式HP>http://www.laboratoryx.us/campaignjp/

<映画作家・想田和弘(そうだ・かずひろ)プロフィール>
1970年栃木県足利市生まれ。東大文学部卒。93年からニューヨーク在住。NHKなどのドキュメンタリー番組を40本以上手がけた後、台本やナレーション、BGM等を排した、自ら「観察映画」と呼ぶドキュメンタリーの方法を提唱・実践。『選挙』(07年)は世界200カ国近くでTV放映され、米国でピーボディ賞を受賞。『精神』(08年)は釜山国際映画祭とドバイ国際映画祭で最優秀ドキュメンタリー賞を獲得するなど、受賞多数。
7月24日には待望のDVD発売が決定している!現在、平田オリザ氏と青年団を撮った『演劇(仮)』を編集中。著書に『精神病とモザイク』(中央法規)がある。

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執筆者

Yasuhiro Togawa