米国アカデミー賞公認、日本発・アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア(SSFF & ASIA)」では、映画祭期間中(6月10日〜13日/表参道ヒルズスペース オー、6月16日〜20日/ラフォーレ ミュージアム原宿、6月12日〜20日ブリリア ショートショート シアター他)一般来場者が全てのコンペ作品の中から各部門ごとに、来場者の投票で選ぶオーディエンスアワード(観客賞)6作品が決定しました。
対象は来場者の投票による、オフィシャルコンペティション3部門、ストップ!温暖化部門、旅シヨーット!プロジェクト、ミュージックShort クリエイティブ部門、それぞれにオーディエンスアワード受賞作が決定します。毎年約1万3000人を動員する「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」ですが、今年は昨年を上回り盛況で、ショートフィルムへのファンの熱い期待が溢れるコメントも数多くいただきました。     

今回選ばれたオーディエンスアワードには賞金20万円と副賞としてキャノンマーケティングジャパン株式会社よりデジタル一眼レフカメラ「EOS 7D」が贈られます。

■オフィシャルコンペティション インターナショナル部門

タイトル:Just a Pitch(ある脚本家の災難)
<フランス/23:06/コメディ/2009)
監督:Eric Raynaud(エリック・レイノー)
あらすじ:若きインド人脚本家サンジェイは、人生最大の契約を結ぶためパリの空港に降り立つ。しかし彼のパスポートの有効期限が帰国便の搭乗日前に切れることに気づいた入国審査官のロベールはサンジェイの話に耳を貸さず・・・。

(来場者からのコメント)
・人情味にあふれるストーリーが良かった。
・笑って、泣けて、ドキドキすることができました

■オフィシャルコンペティション アジア インターナショナル部門

タイトル:August 15th(八月十五日)
<中国・アメリカ/21:53/ドラマ/2008>
監督:Xuan Jiang(スアン・ジアン)
あらすじ:実話に基づく物語。男性の両親に会いに行く若いカップルを乗せ、バスが田舎町を走る。そこへ乗り込んだ2人のバスジャック犯。
楽しい休日が一変、悲劇へと変わる。自分を犠牲にしてまで他者を守ることができるのか?乗客たちは決断を迫られる。

(来場者からのコメント)
・「自分が一番かわいい」という誰もが当てはまるテーマの中で、「もし自分があの状況ならどうするか?」という事を考えさせられる作品。
 しかも、それが実話を元に作られた話ということに驚かされた。
・集団心理をついたとても印象的な作品。

■オフィシャルコンペティション ジャパン部門

タイトル:Mr. Bubblegum(Mr.バブルガム)
<日本/13:16/ドラマ/2009>
監督:片岡翔(Shoh Kataoka)
あらすじ:リストラされて借金に悩む宇佐美は、公園のベンチで遺書を書いていた。それを双眼鏡で盗み読む女子高生、ヒノコ。ポエムクラブのヒノメのダメ出しを受け、二人の素敵な遺書作りが始まる。

(来場者からのコメント)
・”死”というテーマを扱っているものの、ポップであり、ブラックユーモアも効いていて楽しめた。
・定点撮影によるショットが面白かった。

■ストップ!温暖化部門

タイトル:RIVER(リバー)
<日本/10:00/ドキュメンタリー/2009>
監督:今泉真也(Shinya Imaizumi)
あらすじ:沖縄のある町。賑わう市場の隣にある川。コンクリで固められた都市河川に、1組の水鳥夫婦が暮らしている。慎ましくもたくましい自然の営み。しかし川は人間の影響とともにある。知られざる身近ないのちの物語。

(来場者からのコメント)
・地球温暖化という大きなテーマを、水鳥の夫婦という人間よりも小さな視点から捉えていて監督の実力を感じた。
・水鳥の夫婦が支えあってヒナ鳥を育てる場面が微笑ましく、飾らずに訴えるものがあった。

■旅シヨーット!プロジェクト

タイトル:井の中の蛙
<北海道・滋賀県・沖縄県/15:00/ドラマ/2009>
監督:落合賢(Ken Ochiai)
あらすじ:引きこもりの青年丈は、十年ぶりに東京を離れ日本縦断一人旅に出る。
母の故郷である稚内、そして思い出の場所琵琶湖、母が一度は行ってみたかった沖縄の海を訪れる道中に出会う人、風土、文化を通して成年への成長を遂げていく。

(来場者からのコメント)
・動画の方が少ないのにストレスを感じさせないテンポの良さとテクニックの素晴らしさを感じた。
風景が今までと違って見えることに対して、”周囲が変わったのではなく、自分が変わったからだ”というメッセージが印象的だった。
・電車や車などの移動を描く場面が多く、実際に旅をしてみたいと思いました。1年くらい前までは1人で電車に乗るのも苦手だったけど、この作品をきっかけに一人旅がしたくなりました。

■ミュージックShort クリエイティブ部門

タイトル:クレイフィッシュ
<日本/9:59/ノンジャンル/2010>
監督:常盤司郎(Shiro Tokiwa)
あらすじ:ザリガニは同じ水槽では生きられない…。父と子、そして別れ…誰もが歩まねばならない普遍的な問題を、実話に基づき監督本人が語り綴ってゆく短編叙情詩。

(来場者からのコメント)
・私も実家を離れて仕事をしているので両親のことを思い出しました。じーんとして実家に帰りたくなりました。
・人生を24時間に例えると・・・という視点が良かった。

執筆者

Yasuhiro Togawa