人気俳優のロバート・ダウニー・Jr.が天才発明家で先進技術を身にまとったスーパーヒーローに扮する映画「アイアンマン2」が、2010年6月11日(金)に日本でも公開されます。最新技術が登場する物語と同じように、映画の製作でも最先端の技術「3D(3次元)プリンター」が使用されました。

映画製作会社のLegacy Effects社は、アイアンマンの象徴であるパワードスーツと、宿敵ウィップラッシュが着用するスーツ(予告:http://www.ironman2.jp)の製作に、オブジェット ジオメトリーズ(http://www.objet.com/)の3Dプリンター技術を活用しました。実際に映画で使用されたパワードスーツは「プリントして着た」もので、3Dプリンターで作成したパーツをそのまま組み合わせて、ペイントを施したものを着用しています。加えて、パワードスーツは俳優にとっても丈夫で動きやすく、快適なデザインであったため、スーツを着たまま激しい戦闘シーンを演じることができました。

■パワードスーツがぴったりフィットする技術
主人公を演じたロバート・ダウニー・Jr.は、個人的にもこの技術に謝意を表しています。
前作のアイアンマンでは、Legacy Effects社がオブジェット製3Dプリンターを所有していなかったため、パワードスーツで装着するグローブが非常にきつくて、うまく動かすことができませんでした。今回の続編では、Legacy Effects社がロバートの手を実際にスキャンし、10セント硬貨(1.35mm)よりも薄く、柔軟性のある専用のグローブを3Dプリンターで製作しました(写真参照)。ロバート・ダウニー・Jr.はこの進歩に感動し、長時間にわたる撮影を快適に行いました。

●映画館や撮影現場で3Dが流行
Legacy Effects社のシステムエンジニアであるJason Lopes氏は、現時点ではまだ、映画製作における3Dプリンターの使用は少ないが、今後、特にアクション映画のブームが再来すれば、3Dプリンターが普及すると考えています。「CGの世界では、コンピュータだけが必要ですが、実物で映画を撮影するには、全く同じ形の小道具や特注の小道具がいくつも必要になります。Objetのおかげで、ボタン操作だけでこれらを手に入れることができるようになりました。」とLopes氏は述べています。

Legacy EffectsのObjet技術に関するビデオインタビューは下記サイトを参照ください。
http://www.youtube.com/watch?v=2cgm_ZnngEo&feature=player_embedded (英語)

関連作品

http://data.cinematopics.com/?p=48018

執筆者

Yasuhiro Togawa