5/1、米西部アリゾナ州で、不法移民の摘発強化を目的とした移民法が成立。警官が外見などから不法移民と疑うに足る合理的理由があれば逮捕ができるとした州法にヒスパニック系市民から「人種差別だ」と批判の声が上がり、ホワイトハウスや連邦議会を巻き込む動きに発展。オバマ大統領は「見当違いだ。人権侵害につながる可能性がある」と批判。全米に波紋を呼ぶニュースとなりました。

■広がる反発
 ・ロサンゼルスの5万人をはじめ、全米各地で10万人以上がデモに参加
 ・メキシコのカルデロン大統領も「憎しみや差別を助長するだけ」と批判し、
  近く予定しているオバマ大統領との会談で問題提起する意向だ

■「現代のゲシュタポ」 波紋広げる移民法強化 背景に不法入国者の増加
 米国全土にいるとみられる不法滞在者は約1,100万人。
 このうちアリゾナ、テキサスなど3州だけで全体の約42%に当たる470万人を占める。
 麻薬密輸事件に絡んだ誘拐事件は昨年1年間で267件発生。
 国境警備警察に対する襲撃件数も2008年は前年に比べ46%増の1,097件に上った。
 移民が米社会の労働力を担っているのは現実。

■ もはや日本も他人事ではない!
 今だから知らねばならない!!
 映画を通して知るリアルな移民社会

移民を受け入れている国や労働者を送り出している国では、多くの移民に関する、その存在について考えさせられる映画が作られていますが、日本ではなかなか紹介される機会が少ないという現実があります。しかし、本年度は『クロッシング』(”脱北”の実態を、多くの証言をもとに描く)、『フローズン・リバー』(国境を舞台に、越境者を手助けする女性2人を描くドラマ)などの映画が相次いで公開、スマッシュヒットを記録。先のオバマ大統領の発言もあり、日本国内でも移民問題が注目されはじめております。このタイミングで、中米の移民の実情を描いた新作映画『闇の列車、光の旅』(09年サンダンス映画祭監督賞受賞)を6月19日に公開させて頂く運びとなりました。ただ「生きるために」命をかけ、ホンジュラス、メキシコからアメリカを目指す人々を描く物語。日本にいれば当たり前のように過ぎていく日常の出来事1つ1つが、「生きるか死ぬか」というレベルの危険を伴ってしまうという現在の中米情勢が若い男女2人の過酷な旅を通すことで、より鮮明に描き出されます。本作は日本にゆかりのある日系4世キャリー・ジョージ・フクナガによる長篇初監督作品。実力を認められアメリカのメジャースタジオと契約を結んだ実力派です。
日本では、約220万人、190カ国からの外国人が生活、訪れる外国人も年間900万人を超えております。政府は、少子高齢化対策のために、移民としての外国人受け入れの検討を始め、移民を受け入れるとは、どういうことなのか?を今一度考えなければならない時期に来ています。 
本作は移民についての賛否を描いた映画ではありません。しかし移民の現実を監督の綿密なリサーチによってリアルに描いた衝撃のドラマです。移民問題がグロー

関連作品

http://data.cinematopics.com/?p=48140

執筆者

Yasuhiro Togawa