ワーナー・ブラザース映画配給で今月8日に京都にてクランクインいたしました映画『最後の忠臣蔵』は、京都を中心に撮影をしておりますが、昨日11月29日に江戸時代のスタイルで歌舞伎を楽しめる唯一の劇場、四国・香川の金刀比羅宮の門前町にある「金丸座」にて、江戸時代の竹本座を再現した大掛かりな撮影を行いました。

本作は、赤穂浪士による吉良邸討ち入り事件で世に知られる“忠臣蔵”の二人の生き残り瀬尾孫左衛門(役所広司)と寺坂吉右衛門(佐藤浩市)の16年後の話となっております。昨日撮影したシーンは、大石内蔵助の命により討ち入り前夜に逐電し、人目を憚り大石内蔵助の忘れ形見である可音を育てている瀬尾孫左衛門と、同じく大石内蔵助の命により討ち入りの真相を後世に伝えるため討ち入り直後に逃亡した寺坂吉右衛門が16年の時を経て、同じ竹本座ですれ違うというシーンになります。

香川県地元のエキストラ200人の協力もあり、当時の数少ない娯楽の一つである人形浄瑠璃“曽根崎心中”の芝居を観劇に竹本座に来た主人公の瀬尾孫左衛門と可音(桜庭ななみ)と、また時を同じく竹本座に来ている、寺坂吉右衛門(佐藤浩市)、茶屋四郎次郎(笈田ヨシ)、その息子の茶屋修一郎(山本耕史)、進藤長保(伊武雅刀)とそれを取り巻く場内の熱気あるシーンを撮影することができました。
金丸座での撮影は2日間で、その後は京都に戻っての撮影になり、クランクアップは今年12月末を予定しております。

【コメント】

★ 杉田成道監督
スケールの大きい作品にドキドキしています。人間の慈しみ、人と人が関わり合うことの滲み出る情感を描こうと思います。古い建物の中に流れている普遍的なものを感じます。それがこの映画で描きたい普遍性と同じなのです。

★ 役所広司
“忠臣蔵”のその後を描いているので、見たことのない新鮮な作品になるのではないかと思います。

★ 佐藤浩市
死に損ない、と同時に生き損ないの男たちの話で、そこから何か見えてくるものがあるのではないかと思います。

★ 桜庭ななみ
役所さんを始め、スタッフ・キャストの皆さんが優しく話しかけてくださるので、現場にくるのが楽しみです。毎日毎日が勉強です。

メモ:
※金丸座:国指定重要文化財。天保6年(1835)に建てられた現存する日本最古の芝居小屋。

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執筆者

Yasuhiro Togawa