2008年末、好評を博したアルゼンチン映画2本
「オリンダのリストランテ」「タンゴ・イン・ブエノスアイレス」に続き、
パイオニア映画シネマデスクでは、世界の名作をお届けするセレクションの
“第2弾”としてハンガリー映画をフィーチャーします!

世界規模の不況に襲われる日本。愛情とは?豊かさとは?そして、生きる事とは・・・
遠く離れたハンガリーの映画がその意味を教えてくれます。

「だれのものでもないチェレ」
無垢な少女が触れた、残酷な“セカイ”

<イントロダクション>

少女チェレの過酷な運命を描いた幻の傑作が
ニュープリントで31年ぶりにリバイバル公開!
76年にハンガリーで製作され、国際的に大きな反響を呼び起こした衝撃の傑作が、ニュープリントで甦る! 物語は、30年代初頭のハンガリーを舞台に、過酷な運命に翻弄される孤児の少女チェレの姿を、徹底的なリアリズムで見つめていく。養親の下、服すら与えられず、虐待に耐えながらも生きようとする少女。その無垢な瞳が訴えているのは、怒りや悲しみだけではなく、人間としての誇りでもあった。チェレを演じるのは、約7000人の中から見いだされた天才子役ジュジャ・ツィンコーツィ。圧倒的な表現力でチェレの壮絶な生きざまを体現し、観る者の心を揺さぶる。監督は、この作品でカルロヴィ・ヴァリ国際映画祭監督賞を受賞したラースロー・ラノーディ。『どんな人間でも人を侮辱してはならない』という“抗議”として本作を完成させ、人間の尊厳や自由について力強いメッセージを放っている。

「ウィニングチケット−遥かなるブダペスト−」
ある労働者がサッカーくじで一攫千金!ところが“ハンガリー動乱”が勃発し・・・
ハンガリーの暗黒の時代をベースに描く、シニカルなヒューマン・ストーリー

<イントロダクション>
“ハンガリー動乱”が勃発──
歴史の片隅で起きた、ブダペストに生きるある労働者の実話。
物語の舞台は1956年のハンガリー。ソビエト連邦の支配下にあった政府に対し、労働者や農民たちが厳しい生活への不満を爆発させ、激しい暴動やデモ行進へと発展。そこへソビエト軍が介入し、戦闘状態へ陥り、市民の死者は約2千人、18万人以上の難民が海外へ亡命したと言われる。この“ハンガリー動乱”という歴史的事件を背景に、本作で描かれるのは、もうひとつの「実話」を元にしたヒューマンドラマである。
労働者ベーラは偶然サッカーくじで大穴を当て、月給の100年分以上に相当する大金を手にしてしまう。思いがけない出来事に動揺しながら、激化してゆく情勢に巻き込まれてゆく男の姿が、ユーモアと皮肉たっぷりに描き出される。初めはお大金に翻弄される彼が、様々な出来事に遭遇するなかで“カラシ粒”ほどの勇気を奮い起こした時、ベーラの運命はハンガリーの歴史と共に大きく変化していく・・・。懐に舞い込んだ“大金”は、果たして“本当の幸福”をもたらすのか?

★観る前にちょこっと★ ハンガリーコラム!

【ハンガリー・HUNGARY】
中央ヨーロッパに位置する内陸国で、首都ブダペストは “ドナウの真珠”と呼ばれる美しい町。祖先といわれるマジャール人は、ウラル山脈のふもとに暮らすアジア系の騎馬遊牧民族。正式な人名表記は、ヨーロッパで唯一名字が名前の先にきたり、赤ちゃんのお尻に蒙古斑があるなど日本人との共通点も。

【発明品・INVENTION】
優れた学者を多く輩出しているハンガリー。ノーベル賞受賞者は、対人口比率で世界一。さらにエルノー・ルービック氏が発明したルービックキューブをはじめボールペンや、コンピュータの基礎理論や、パラシュートにヘリコプターなどすべてハンガリー人の発明!小国ながら偉大な民族といわれる所以である。

【サッカー・SOCCER】
50年代前半、ハンガリーのサッカー代表チームは4年間無敗を誇り、世界最強チームだった。国民はゲームの勝敗に一喜一憂、サッカーくじにも熱中していた。チームの主将にして“走る少佐”と呼ばれたのがフェレンツ・プスカシュ。“ハンガリー動乱”の際、スペインに亡命し、後にスペイン代表として国際試合に出場した。

【フード・FOOD】
ハンガリー料理の特徴として上げられるのがパプリカを多用すること。中でも、乾燥させて粉状にしたものと野菜を煮込んだシチューのような料理グヤーシュは世界的に有名。またハンガリーでは豚肉を使った料理が多く、ソーセージをはじめ、サラミにベーコンと豚肉の加工品も豊富。さらにフォアグラ、貴腐ワインの生産も盛んなことで有名だ。

<公開情報>
2010年1月30日(土)より2作品連続公開!!
2作品共通鑑賞券1,500円(税込)発売中!【どちらか1作品をご覧いただけます】
※初日来場者 先着50名様にピックサラミをプレゼント!
詳しくは公式サイトか劇場へお問い合わせ下さい。
料金:一般¥1,800/学生¥1,500/シニア・高校生¥1,000
サービスデー:月曜ペア¥2,600/水曜:1,000均一
オフィシャルサイト:
「だれのものでもないチェレ」 http://www.pioniwa-selection.com/hungary/chere/
「ウィニングチケット−遥かなるブダベスト−」http://www.pioniwa-selection.com/hungary/winning/

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執筆者

Yasuhiro TogawaYasuhiro TogawaYasuhiro TogawaYasuhiro Togawa