今年12月8日(火)〜10日(木)「スペイン映画祭2009」を新宿バルト9にて開催する運びとなりました。上映作品は、今年のカンヌ国際映画祭でも話題となったイザベル・コイシェ監督、菊地凛子主演の『マップ・オブ・ザ・サウンズ・オブ・トーキョー』、ベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞した『悲しみのミルク』、チリにおける民主主義の歴史にアプローチした『泥棒と踊り子』、アルゼンチンで100万人以上動員したスペインとアルゼンチンの合作『瞳の奥の秘密』。スペインの若い才能を発見する『第211号監房』『デブたち』は、現在のスペイン映画が開拓しているジャンルの豊かさと多様性を顕示しています。

「スペイン映画祭2009」FESTIVAL DE CINE ESPANOL EN TOKIO
主催:スペイン文化省/カサ・アシア/在京スペイン大使館/セルバンテス文化センター東京
会場:新宿バルト9 東京都新宿区新宿3-1-26 新宿三丁目イーストビル 9階 / 電話:03-5360-4955 
開催期間:12月8日(火)〜12月10日(木)

【上映スケジュール】
12月8日(火) 16:00〜「デブたち」/18:30〜「第211号監房」/21:00〜「マップ・オブ・ザ・サウンズ・オブ・トーキョー」
12月9日(水) 16:00〜「マップ・オブ・ザ・サウンズ・オブ・トーキョー」/18:30〜「瞳の奥の秘密」/21:00〜「デブたち」
12月10日(木) 16:00〜「悲しみのミルク」/18:30〜「泥棒と踊り子」/21:00〜「第211号監房」

【料金】一般券¥1,300/学生・シニア・小人¥1,100/「3作品セット券」¥3,000 *劇場窓口のみで販売。
□ 一般・学生・シニア・小人券 <劇場窓口>6日より販売開始。
               <KINEZOオンライン予約>各上映日の2日前より販売開始。
□ 3作品セット券 <劇場窓口>6日より全上映作品を販売開始。
*『3作品セット券』は特別料金の為、劇場の窓口のみで販売を致します。

【公式WEBサイト】http://www.hispanicbeatfilmfestival.com/

【上映作品】
オープニング作品
『第211号監房』 CELDA 211
監督:ダニエル・モンソン
出演:ルイス・トサル、アルベルト・アンマン、アントニオ・レシネス、マヌエル・モロン
2009年/ドラマ/110分
刑務所の職員として働くことになったファンは、予定の1日前に職場に赴き、そこでアクシデントに見舞われ、気を失ってしまう。その直後、凶悪犯が収容されている監獄で暴動が発生。慌てふためいた職員たちは、気を失ったファンを第211号監房に置き去りにする。目を覚したファンは、事態を理解し、身を守るために囚人として振る舞う。こうして嘘とずる賢さを駆使して危険を回避する日々が始まった。だがその先には更に過酷な運命が彼を待ち受けていた。
オフィシャルサイト:http://www.celda211.com/

『マップ・オブ・ザ・サウンズ・オブ・トーキョー』 
MAPA DE LOS SONIDOS DE TOKIO
監督:イサベル・コイシェ 出演:菊地稟子、セルジ・ロペス、田中泯、中原丈雄
2009年/ドラマ/109分
カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品/アカデミー賞外国語映画賞スペイン候補作
リュウは築地の魚市場で働きながら、裏で殺し屋家業に手を染めている。あるとき実業界の大物、ナガラの娘のミドリが自殺。悲嘆にくれるナガラは、娘の夫ダビ(東京でワインを商うスペイン人)を恨む。ナガラの部下で密かにミドリを愛していたイシダは、ダビの暗殺をリュウに依頼するが… 
密かな愛の物語の証人となるのは、東京の街の音に取りつかれている、唖のサウンド・エンジニア。実は、彼は密かにリュウに魅せられていた。
オフィシャルサイト:http://www.mapofthesoundsoftokyo.com/

『泥棒と踊り子』 EL BAILE DE LA VICTORIA
監督:フェルナンド・トゥルエバ
出演:リカルド・ダリン、アベル・アヤラ、ミランダ・ボーデンフォファー、アリアドナ・ヒル
2009年/ドラマ/130分
アカデミー賞外国語映画賞スペイン代表作
チリに民主政権が戻り、大統領による恩赦のおかげで、金庫破りの名人ベルガラ・グレイと、アンヘル・サンティアゴは出所する。娑婆に戻った2人の計画は、まるで正反対だった。家族を取り戻すことだけを願い、人生をやり直そうとするベルガラに対し、まだ若いアンヘルは、刑務所の所長に復讐することと、大泥棒をやってのけるのが夢。そんな2人の前にビクトリアという娘が登場し、3人の運命は大きく変わっていく…
オフィシャルサイト:http://www.elbailedelavictoria.com/

『瞳の奥の秘密』 EL SECRETO DE SUS OJOS
監督:ファン・ホセ・カンパネラ
出演:リカルド・ダリン、ソレダー・ビリャミル、パブロ・ラゴ、ハビエル・ゴディノ、
2009年/ドラマ/129分
アカデミー賞外国語映画賞アルゼンチン代表作
ベンハミン・エスポシトは、長年に渡り刑事裁判所で働いた後、退職した。彼には小説を書くという夢があった。モチーフは1974年に起きた、忘れ難い事件。当時のアルゼンチンは、暴力と死がはびこる長い夜を迎えていた。執筆を進めるうち、いつのまにか、密かに愛する女性のために、ベンハミンは書いていた。彼女もそのストーリーに関わっていたからだ。事件があった25年前、ベンハミンは、証人という特権的な立場にいた。しかし、小説家の目で事件を見直す今、思い出が呼び覚ます亡霊に翻弄される。そして、自身の過去だけでなく、未来にも立ち向かうことを余儀なくされる。
オフィシャルサイト:http://www.elsecretodesusojos.es/

『悲しみのミルク』 LA TETA ASUSTADA
監督:クラウディア・リョサ
出演:マガリ・ソリエル、スシ・サンチェス、マリア・デル・ピラル・ゲレロ、エフライン・ソリス
2009年/ドラマ/94分
ベルリン国際映画祭金熊賞・国際批評家連盟賞
第24回グアダラハラ国際映画祭イベロアメリカ部門最優秀作品賞
アカデミー賞外国語映画賞ペルー代表作
ファウスタは”悲しみのミルク症候群”という、ペルーにテロが多発した時代にレイプや暴行を受けた女性の子供たちが、母乳を通して感染する病に罹っている。紛争は終わっても、彼女は”恐怖の病”に魂を奪われたまま。だが、突然の母の死で、自身の怖れや体内に隠した秘密と向き合うことに… 実は、彼女は身を守るために、盾として、じゃが芋を膣に入れていた。そうすれば、誰にも触られないと考えて。『悲しみのミルク』が語るのは、人生を開花させるための模索。恐怖から自由への旅立ちだ。

『デブたち』 GORDOS
監督:ダニエル・サンチェス・アレバロ
出演:アントニオ・デ・ラ・トーレ、ロベルト・エンリケス、ベロニカ・サンチェス、ラウル・アレバロ
2009年/ドラマチックコメディ/120分
アカデミー賞外国語映画賞スペイン候補作
ドラマチック・コメディ。肥満をめぐる5つのストーリーが、”グループセラピー”の場で交錯する。参加者はセラピーを通して、痩せることよりも、なぜ太っているのか?どうして自分の身体が好きになれないのか?その理由を探る。体重や体形は二次的な問題に過ぎない。肥満とは、日々の暮らしのなかで我慢して受け入れるうち溜まっていき、仕舞いには表現したり、対処したり、引き受けるのが困難になってしまった事について話すためのメタファーなのだ。
オフィシャルサイト:http://www.gordoslapelicula.com/

執筆者

Yasuhiro Togawa