ヒース・レジャー(『ダークナイト』)遺作
その遺志をジョニー・デップら豪華キャストが引き継ぎ完成
映像の魔術師テリー・ギリアム監督『未来世紀ブラジル』『12モンキーズ』最新作

『ダークナイト』でアカデミー賞に輝いたヒース・レジャー渾身の遺作『Dr.パルナサスの鏡』。さまざまな噂と伝説に彩られた世界的な注目作の公開初日が、遂に2010年1月 23日(土)〜に決定いたしました。
奇しくもヒース・レジャーの急逝が1年前の1月22日。一時は完成すら危ぶまれていたが、テリー・ギリアム監督からの依頼を受けたジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルの3人が、撮影途中のヒース・レジャーのパートを3人で演じ分けて”代役”を務め、本作の出演料全額をヒース・レジャーの遺児である2歳の娘マチルダに寄贈したことも大きな話題になった、この冬一番の話題作です。

2008年1月22日、今作のロンドンでの撮影を終えた後、ニューヨークはソーホーの自宅にて処方箋薬物の過剰摂取により死亡しているのを発見されるという衝撃のニュースが走った。残されたバンクーバーでの特殊撮影に備えていたスタッフは驚き、悲嘆に暮れた。だが親友でもあったテリー・ギリアムが考え、脚本を改稿し、ジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルらの仲間が鏡の反対側のトニー像を演じることで映画は無事完成された。『ダークナイト』(08)のジョーカー役が大注目を浴びる。死後、アカデミー賞助演男優賞、ゴールデングローブ助演男優賞、英国アカデミー助演男優賞を受賞。故人がアカデミー賞を受賞するのは、2度目となる。深い闇を抱えたこの役が最後の映画と目されたが、前出の盟友3人が幻想世界のトニーを演じてくれたおかげで、監督と一緒に作り上げた本作が最後の出演作となった。

2010年1月23日(土)、TOHOシネマズ 有楽座ほかにて全国ロードショー

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執筆者

Yasuhiro Togawa