第66回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門 正式出品

 この度、最新作『TETSUO THE BULLET MAN』が、本年度の第66 回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門へ日本唯一の正式出品を果たした 塚本晋也監督が、現地時間10/7 (水)深夜24 時、スペインで行われているシッチェス国際映画祭での公式上映前に、名誉賞(Time Machine Honorary Award)を受賞しました!
1967 年に創設された同国際映画祭は、バルセロナ近郊の海辺のリゾート地・シッチェスで毎年10 月に開催。ファンタジー・SF・ジャンル映画を専門とする世界最高のフェスティバル。
 塚本監督は、カタルーニャ地方で大変な人気を誇っており、監督作のほぼ全てが過去 20 年間に渡り、スペイン中で劇場公開されている。映画祭側は塚本作品を、「慣習に囚われずに超越的、革新的、カッティングエッジ、そしてファンタスティックな映画のジャンルに素晴らしく深い貢献を果たしている」と評価、彼らが重きを置く映画の価値観を完全に体現する存在として塚本監督に名誉賞の授与を決めた。
 監督が受賞した名誉賞(Time Machine Honorary Award)は、ファンタスティック映画のジャンルにおいて最も先鋭的な監督に敬意を捧げる事を目的とした賞。これまで、サム・ライミ、クエンティン・タランティーノ、デヴィッド・クローネンバーグ、ギジェルモ・デル・トロといった監督たちが受賞しており、塚本監督は彼ら世界的監督に並ぶ栄誉に輝きました。
 映画祭のメイン会場Auditoriで公式上映前に行われた授与式では、塚本監督の過去作品のダイジェスト映像集を上映。
 監督本人が登壇すると、スペイン中から集まった熱狂的なTSUKAMOTOファンから、日本語で「オメデトー!」と歓声が飛び、大喝采に。賞の名前通り、タイムマシーンの形をしたトロフィーを映画祭ディレクターのアンヘル・サラから受け取った塚本監督は以下の通りコメント。
「シッチェス国際映画祭では監督作品を何度も上映して頂き、自分も呼んで頂いたのは 3回目。最初は92年の『鉄男2』。その時は賞が欲しいというよりも、フリッツ・ラング監督の『メトロポリス』に出てくるロボットの形をしたトロフィーが欲しかった。結果的に賞を頂けたのだが、なぜかその時トロフィーはもらえませんでした。それから10年後、『六月の蛇』で呼んで頂いた時も賞を頂いたので、前回トロフィーをもらえなかったというエピソードを披露したら、なぜか2つとのトロフィーをもらう事ができました(笑) この映画祭は、音楽の石川忠さんや、『六月の蛇』の主演女優・黒沢あすかさんも賞をもらった縁が深い映画祭。今回、自分も錚々たる名前の監督たちと同じ賞を頂くことができて、本当に光栄です。」

『TETSUO THE BULLET MAN』は、今月8日より韓国で開催される第14回釜山国際映画祭の “A Window on Asian Cinema”部門にも正式出品が決定しており、7月に全世界製作発表会見を行った米Comic-con、9月のヴェネチア国際映画祭出品から続き、世界各国に “TETSUO”旋風を巻き起こしている。

日本公開:2010 年 全国ロードショー

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執筆者

Yasuhiro Togawa