世界文学の最高峰「ボヴァリー夫人」が現代に問いかける幸せの行方
『ボヴァリー夫人』 

修道院で教育を受けた貞淑なエマ・ボヴァリーが、凡庸な夫に失望し、情事やぜいたくな浪費に耽った末、破滅に至るまでを写実的手法で描いたフランス文学の傑作『ボヴァリー夫人』。発行当時、風俗紊乱の罪に問われた原作者フローベールが、「ボヴァリー夫人は私だ」と語ったことはあまりにも有名であり、日本でも時代を超えて愛読されてきた。フローベール没後130周年にあたる2010年を迎え、ロシアの鬼才ソクーロフがリアリズムを貫きながらも独自の解釈で、不吉なエロティシズムをたたえた新たなエマ像を生みだした。「私は今も世界に数多くいるエマのためにこの映画をつくった」と、ソクーロフ監督は語っている。

フローベール没後130周年記念ロードショー
第8回モントリオール国際映画祭グランプリ・国際批評家連盟賞受賞

10月3日(土)シアター・イメージフォーラムにてロードショー

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執筆者

Yasuhiro Togawa