ユーロスペースで公開中の昨年11月1日、32才の若さで急逝した林田堅太監督の劇場デビュー作にして遺作となった映画「ブリュレ brulee」のDVDが、林田監督の新盆となる8月15日、ゼアリズエンタープライズより発売される。

本作は、林田賢太監督が4年の歳月をかけて自主制作で作り上げた映画で、一卵性双生児の姉妹が繰り広げる、哀しくも美しい近親愛の物語。
北国の町で放火を繰り返している17才の少女・日名子のもとに、祖母の遺骨を抱えて妹・水那子がやってきた。13年ぶりに再会したふたりは、この地で楽しく暮らしていくはずだったが・・。大雪の日、伯父さんのケーキ屋が不審火で全焼、「すっと一緒にいたい」ふたりの、日本列島を南下する逃走の旅が始まる。
タイトルの「ブリュレ」とはフランス語で「焦がす」という意味を持つ。本作はまさに林田監督が命と魂を焦がして作り上げた“生の結晶”とも言える作品で、スタッフ・キャストなど林田監督の仲間たちがDVD化を待望していた。スタッフは撮影:早坂伸、加藤哲宏、照明:川上聖子、音楽:水野敏宏、プロデューサー:赤間俊秀、三坂知絵子。出演は、映画同様に一卵性双生児の姉妹である中村梨香、中村美香、平林鯛一、瀬戸口剛、小田豊ほか。

セルDVDの価格は税込2940円。特典映像として、生前の林田監督のインタビューやメイキング映像も収録され、映画への夢や情熱が語られ、精力的に活動する姿が再現される。

■ 林田賢太プロフィール
1976年大阪市吹田市生まれ。日本映画学校在学中に監督した「東京フリーマーケット」が、第4回インディーズ・ムービーフェスティバルでグランプリを受賞。卒業後、脚本家・池端俊策氏のアシスタントにつく。その後、映像制作シネバイタルを主宰し、監督・脚本・プロデューサーとして、映像コンテンツや番組制作等に携わる。初めての劇場作品「ブリュレbrulee」公開中の2008年11月1日、死去。次回作として戦時下の広島の少女たちを描く作品を準備中だった。

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執筆者

Yasuhiro Togawa