西川美和監督が書き下ろした、映画『ディア・ドクター』の原案小説である「きのうの神さま」(ポプラ社)が第141回直木賞にノミネートされるという快挙をなしとげました。

書き下ろしの脚本にこだわる西川監督は、脚本作りのために映画の背景となる僻地医療の現場を綿密に取材。その体験をもとに自ら書き下ろした映画の<アナザー・ストーリー>ともいうべきオリジナル小説です。映画と同じタイトルでありながら、映画の主人公である笑福亭鶴瓶演じる伊野治の「弟」を主人公にした「ディア・ドクター」などをはじめ、映画と同様、日常に潜む人間の本性を見つめる短編小説5編が収録されています。なお、直木賞選考の結果発表は7月15日に行われます。

【ノミネートに関して西川監督のコメント】
「今回『ディア・ドクター』という映画を作るにあたり、僻地医療の在り方や、そこで働くお医者様はどういう悩みを抱え生きているのか、という取材を柱としました。2時間という映画の中では表現しきれなかったところを記録したかったのというのが、この小説の成り立ちです。映画を見て下さった方には、登場人物のバックグラウンドをデザートのように楽しんでいただくことも出来ると思います。ノミネートをしていただいたということだけで光栄です。それに恥じないようにこれからも書いていきたいと思います。

また、6月27日にシネカノン有楽町1丁目ほか全国49館にて公開した映画『ディア・ドクター』は、好調なスタートを切り、月曜以降の平日、映画サービスデーも驚異的なペースで高稼働しています。
まず、初日2日間では動員26,648人、興収35,133,550円と、他のメジャー系作品と公開規模は異なるものの肩を並べる勢いの成績をあげています。つづく、月曜火曜日の平日も、初回からシニアを中心に満席の劇場が出るなど高稼働を果たし、7月1日の映画サービスデーは、東京関西のメイン館・シネカノン有楽町1丁目、新宿武蔵野館、梅田ガーデンシネマ、京都シネマ、シネリーブル神戸で全回満席になるなど初日動員対比121%の16,382名を記録、公開5日間では動員60,052名/興収71,511,730円となっています。
さらに、成績のみならず、雑誌「ぴあ」による満足度ランキングでも第2位、Movie Walkerユーザーによるランキングでは第1位、また『おくりびと』の快進撃の嚆矢となったモントリオール世界映画祭 ワールドコンペティション部門に出品されるなど、作品のクオリティ、興行ともに高い評価を得ています。

映画『ディア・ドクター』 シネカノン有楽町1丁目ほかにて全国公開中!

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執筆者

Yasuhiro Togawa