去る3月2日、大盛況のうちに閉幕した「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」。早くも2010年度の開催日程が2010年2月25日(木)〜3月1日(月)の5日間と決定した。

1990年に日本初のリゾート型映画祭として北海道・夕張市に誕生したゆうばり映画祭だが、来年2010年は記念すべき開催20回のアニバーサリーを迎える。夕張市の財政破綻による映画祭休止を乗り越え、市民たちの手で継続されているゆうばり映画祭には、その独特な熱気あふれるテンションと、ゆうばり市民の暖かいもてなしに、国内外を問わず熱狂的なファンが多く存在する。来年の20周年には、例年以上の盛り上がりが期待される。映画祭実行委員会も「参加者の記憶に深く残る大会にしたい」と意気込んでいる様子であるから、いままで“行きたいけど、北海道は遠いし…”という映画ファンはこの機会に是非。今から来年2月のスケジュール調整しておくことをお勧めしたい。

また現在映画祭では、自主制作映画のコンペティションである「ファンタスティック・オフシアター・コンペティション部門」の応募作品の募集を開始した。
このコンペからは山下敦弘、井口昇、筧昌也など日本を代表する個性的な監督たちを多く輩出し、彼らのブレイクのきっかけもすべて夕張から。
今年グランプリを受賞した入江悠監督も、受賞直後に劇場公開した映画『SRサイタマノラッパー』が、インディーズ映画としては破格のヒットを全国で記録するなど、ゆうばりから生まれた新しい才能たちのブレイクのスパンが年々短くなっている。
映画祭では、スカパー!とタッグを組みこの新しい才能の発掘と育成を目指し、グランプリ監督に次回作支援金として200万を授与し、さらにそこから制作された次回作には次のゆうばり映画祭で招待上映することが約束されている。
コンペでの若手発掘から次回作の支援まで、ゆうばりにはすでに監督をブレイクさせる準備はできているようだ。あとはとんでもない映画を撮る監督の登場を待つだけ。
プロの映画監督を目指すむきには是非ともとんでもない作品を撮って、夕張を目指していただきたい。

【作品条件】 
1.プロ・アマは問わないが、自主制作作品であること。
2.上映作品は、8mm、16mm、35mm、ビデオ等のフォーマットや、長さは問わない。
3.実写、アニメーション、CG、ドキュメンタリーなどジャンルは問わないが、イマジネーション豊かなファンタスティックな作品であることが望ましい。
4.2008年以降に制作されたものであること。映画祭以前の発表・未発表は問わない。
5.監督が映画祭に参加すること。

【応募方法】
映画祭ホームページから応募要綱を確認しオンラインエントリー後、審査用必要書類4点を映画祭事務局まで提出すること。
【締切】2009年10月26日(月)必着

■ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2010 公式サイト
http://yubarifanta.com
■オフシアターコンペティション 応募特設ページ
http://yubarifanta.com/index_pc.php?ct=2010/comp01.php&langue=21010

執筆者

綿野かおり綿野かおり綿野かおり