原作 実相寺昭雄・主演 さとう珠緒
希望ヶ丘にて夫婦間戦争勃発する

 映画・TV・CM・オペラ演出・文筆など様々な分野で活躍し惜しまれつつ逝った鬼才故・実相寺昭雄が1970年代に発表し問題になった短編小説を、さとう珠緒を主演に迎え、映画化。

 一見幸せそうな夫婦達が抱える問題。それは誰もが感じている夫婦間のタブー。お互いに愛し合い求めあっていてもすれ違っていく夫婦。二人には明かすことの出来ない秘密があった。

『帝都物語』『ウルトラマン』の監督としても知られる実相寺だが、ATGでの『無常』『曼陀羅』等の文藝エロス作品も得意とし、いくつかの官能小説も出版している。その才能は今読み返しても、社会を風刺し、滑稽で巧妙なストーリーで読む者を魅了する。本作以外にも、『東京デカメロン』、『いろかぶれ枕草紙』など、タイトル的な面白さも加味した作品群が存在し、コアな人気を誇っている。79年に日活ロマンポルノで一度映画化された本作だが、現代的な切り口とニュアンスをもって描き出し、より衝撃的な倒錯した性の世界を提示する。

2009年6月13日 渋谷ユーロ・スペース レイトショー ほか、全国順次ロードショー

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執筆者

Yasuhiro Togawa