「ちいさなひとのえいががっこう」は子どものための映画学校を作るべく立ち上げられた、ボランティアによるサークルです。これまで「おはなしくらべ」などの子ども映画会を過去に22回、また「映画館遠足」を4回企画して実施してきました。
http://yaplog.jp/eigagakkou/

今回は、2009年4月16日に生誕120周年を迎えた喜劇王チャールズ・チャップリンの作品を集めて上映します。特に初期のサイレント時代の作品のうち、ドタバタ喜劇に人情味を加えて傑作の呼び声も高い長編劇映画「キッド」の他、短編作品を4本、上映します。

子どもはもちろん、親にとっても楽しめるプログラムとなっています。
入場は無料。16mm映写機による上映で実際にフィルムが映写される様子も見ることが出来ます。

◆開催概要
主催:ちいさなひとのえいががっこう
協力:都立多摩図書館、特定非営利活動法人東京フィルメックス実行委員会
助成:独立行政法人国立青少年教育振興機構(子どもゆめ基金)
日時: 2009年5月4日(月・祝) 13:30-16:30
会場:セシオン杉並2F・視聴覚室 (杉並区梅里1-22-32)
    →地下鉄丸ノ内線「東高円寺」駅徒歩5分、「新高円寺」徒歩7分
    →関東バス(中野 – 五日市営業所・吉祥寺)「杉並車庫前」 徒歩5分
    →都営・京王バス(阿佐ヶ谷 – 渋谷)「セシオン杉並前」 徒歩2分
     地図→https://www.yoyaku.city.suginami.tokyo.jp/HTML/0030.htm
料金:無料
ブログ:http://yaplog.jp/eigagakkou/
お問い合わせ:ちいさなひとのえいががっこう(担当:岡崎)
   携帯:090-7132-8393 e-mail: eigagakkou@hotmail.co.jp
  *大人だけの参加(見学、取材など)をご希望の際はあらかじめご連絡ください。

◆上映スケジュール
【13:00 開場】
【13:30 開始】
 13:30 映画を観る前のお話
 13:35 第1部上映開始
「チャップリンのノックアウト」16mm、22分
「チャップリンの失恋」16mm、20分
(休憩、映画についてのお話)15分
 14:35 第2部上映開始
「チャップリンのカルメン」16mm、27分
「チャップリンの冒険」16mm、20分
(休憩、映写機見学)15分
15:40 第3部上映開始
「チャップリンのキッド」16mm、50分
 【16:30 終了予定】

◆上映作品の解説

「チャップリンのノックアウト」
(22分/1914年/白黒/アメリカ/16mmフィルム)
一人のかわいい女の子に町中の若者はだれもが夢中。彼女のハートを得ようといつもいざこざが絶えません。ついにボクシングで決着をつけることになりましたが、いつのまにか大乱闘になってしまいます。チャップリンはレフリー役で右往左往。終盤のわずか3分ほどの出番しかありませんが、ロープを使ったり、選手の邪魔になったりと、主役よりも目立つほどの大活躍を見せます。監督:チャールズ・エイヴリー、ロスコー・アーバックル 原題:The Knockout.

「チャップリンの失恋」
(20分/1915年/白黒/アメリカ/16mmフィルム)
みんながよく知っている、山高帽にだぶだぶのズボン、大きなドタ靴に竹のステッキ、ちょびひげを生やした「心優しい放浪者」のキャラクターは、この作品で初めて完成したと言われています。
チャーリーは農場の娘に恋をして、その農場で働き始めました。万事順調に見えたものの、娘に婚約者がいることを知ったチャーリーは、みずから身をひくことを決意します。 原題:The Tramp.

「チャップリンのカルメン」
(27分/1916年/白黒/アメリカ/16mmフィルム)
1915年にはオペラの名作「カルメン」が、パラマウント(セシル・B・デミル監督)やFOX(ラウール・ウォルシュ監督)などの映画会社により大作映画として製作され、話題を呼んでいました。その人気にあやかってパロディ映画として製作されたのが、この映画です。チャップリンのドン・ホセ、エドナー・パーヴィアンスのカルメンで、珍芸また珍芸の熱演ぶりを楽しく描いています。活動弁士付き:桂米丸 原題:Carmen.

「チャップリンの冒険」
(20分/1917年/白黒/アメリカ/16mmフィルム)
チャップリン扮する脱獄囚が、刑務所の看守から逃げています。崖を勢いよく駆け上がり、海中へと逃亡を続け、偶然にも溺れている女性の命を救ったところ、彼女の豪邸に招待されます。だが彼女に思いを寄せる男は、新聞にデカデカと脱獄囚・チャップリンの顔写真が載っているのを発見! 警察に通報し、何としても捕まえさせようとしますが…。 原題:The Adventure.

「チャップリンのキッド」
(50分/1921年/白黒/アメリカ/16mmフィルム)
ある日、放浪者は捨て子を道ばたで拾います。通りがかった警官が見ているため、他の人に押し付けることも、見過ごすこともできません。止むなく引き取った彼は、育てることを決意します。5年後、詐欺まがいのガラス屋として生活していた二人は、本当の親子以上の愛情で結ばれています。そこに、人気歌手として成功した母親が二人の前に現れました。さて、3人の行く末はどうなるのでしょう。
これまでのドタバタ喜劇に、親子の愛情をめぐる悲劇がうまく取り入れられ、感動の名作となっています。子役のジャッキー・クーガンの素晴らしい演技にも注目です。

★★ チャールズ・チャップリン プロフィール ★★
 幼年時代に孤児院での生活を経験した後、ミュージカル劇団に入団し巡業に参加。本格的な俳優業を始め、やがて一座の看板役者となる。その後、巡業先でキーストン社の目に留まり、ハリウッドへ渡る。1914年(25歳)には、「成功争ひ」で最初の映画出演を果たし、この年だけで30本以上の作品に出演した。ほとんどが短編のコメディで、後のトレードマークとなるだぶだぶズボンにドタ靴、山高帽、チョビ髭、そしてステッキという姿で登場して人気者となる。その後、エッサネイ社、ミューチュアル社と移籍を重ね、大スターへの階段を一気に駆け上っていく。19年には、D・W・グリフィスらとともにユナイテッド・アーティスツ社を設立する。21年には初の長編作品「キッド」を製作。31年、トーキーの波が押し寄せる中で製作されたサイレント作品「街の灯」は、盲目の少女との恋を悲しくも暖かに描き世界中で大ヒットとなる。続く「モダン・タイムス」ではエスカレートする資本主義社会を、「チャップリンの独裁者」(初のトーキー映画)ではヒトラーを痛烈に皮肉り、映画史に残る傑作を生み出す。その後も「チャップリンの殺人狂時代」や「ライムライト」など、傑作を発表するが、様々な事情によりアメリカでの活動をあきらめ、スイスへと移住する。後にアメリカでも復権の動きが出て、1972年にはアカデミー音楽賞と特別賞が贈呈された。1977年のクリスマスの日、スイスの地で永眠。享年88歳。

◆「ちいさなひとのえいががっこう」とは…?
 「映画を勉強しよう!」をコンセプトに、子どもも親も一緒になって映画を楽しめる場を作りたい、とボランティアの有志が集まって活動を始めたサークルです。これまでに「こどもえいがかい」を22回開催してきました。第24回は6月27日に杉並区立中央図書館で予定しております。
開始してから4年目の活動ですが、これからもいろいろな映画上映会で映画を楽しんだり、近くの映画館へ遠足に行ったり、映画の作り方の秘密を知るためのワークショップを企画しようと考えています。
ただいま「ちいさなひとのえいががっこう」では、一緒に活動をしてくれるボランティア・スタッフ(年齢・職業関係なし!)と、一緒に映画を楽しんで観てくれる生徒を募集しています。
ブログはhttp://yaplog.jp/eigagakkou/

執筆者

Yasuhiro Togawa