主演:南原清隆 永作博美
原作:重松清(文藝春秋刊)
「※第4回輝く!ブランチBOOK大賞」受賞作
※TBS系列「王様のブランチ」にて選定

昨年、古希を迎えた日本映画界の重鎮、大林宣彦監督の待望の新作『その日のまえに』——。11月上旬の劇場公開に先駆け、第21回東京国際映画祭(10/18〜10/26)”日本映画ある視点”部門への出品が早くも決定致しました!

育ち盛りの2人の息子を持つ健大(南原清隆)の妻とし子(永作博美)は突然、病に倒れ余命を宣告される。”明日”を断ち切られた健大は、とし子とともに「その日」に向けて、子供たちの将来のことなどを考えたり、かつて結婚当時に暮らした街を訪ねたり、残り少ない日々を工夫しながら一所懸命に生きていく—。

2005年に出版され、「王様のブランチ」BOOKコーナーで大絶賛された重松清の同名小説を大林宣彦監督が映画化。脚本は監督と映画では20年ぶりにコムビを組む市川森一。撮影台本として大林宣彦、南柱根が参加。主演は南原清隆と永作博美。ともに大人の映画にふさわしい存在感を発揮しています。

フィルムは冒険する。大林宣彦(映画作家)
人は普段、自分が生きている事を忘れて生きている。が、それは本当に生きていると言えるのだろうか?この映画の中の人たちは、自分が死ぬ日(その日)を知って了った人たちだ。だから彼らは今、むしろ切実に生きている。そういう人たちの見た、一心に生きる風景を描こうとしたのがこの映画だ。故にこの映画はファンタジーであり、死と生との絆を描いた物語である。映画にするにはまことに困難な重松清さんの文学的創造力を、映画的創造力世界に置き換えてみる。その冒険がこの映画の実体だ。死に向うロードムービーとは、つまりは生きる悦びに彩られた断章の連続である。

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執筆者

Yasuhiro Togawa