黒沢清監督の最新作、『トウキョウソナタ』が24日夜(日本時間25日未明)カンヌ国際映画祭「ある視点部門」審査員賞を受賞した。今年のカンヌ国際映画祭では、唯一の邦画作品。同部門には20作品が出品され、『トウキョウソナタ』は大賞の次にあたる、審査員賞を受賞する運びとなった。17日夜の正式上映の評判を受けて、フランスをはじめ、世界数カ国での配給も決定している。

<黒沢監督コメント>
「驚きました。僕たちが家庭の中で抱えている小さな問題は、どうやら世界の問題でもあったようです。この受賞の喜びを仲間たちと分かち合いたいと思います」

<香川照之コメント>
「非常に嬉しいです。朗報を待っていました。病床の黒沢監督の奥様に、この受賞が少しでも励みになり、勇気付けとなることを心から望んでいます。カンヌ、ありがとう!」

<小泉今日子コメント>
「思わぬご褒美に身が引き締まる思いです。 でも、やっぱり嬉しい! 黒沢監督バンザイ!」

〔黒沢清フィルモグラフィー〕
○1997年 「CURE」 東京国際映画祭プレミア上映、横浜映画祭最優秀監督賞受賞
○1997年 「ニンゲン合格」 ベルリン国際映画祭上映
○1997年 「カリスマ」 カンヌ国際映画祭監督週間出品
○1999年 「大いなる幻影」ベニス映画祭出品
○2001年 「回路」 カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門出品 
批評家連盟賞受賞
○2003年 「アカルイミライ」 カンヌ国際映画祭 コンペティション部門出品
○2003年 「ドッペルゲンガー」 プサン国際映画祭のオープニング作品
○2006年 「叫」 ベネチア国際映画祭 特別招待作品
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『トウキョウソナタ』ストーリー
リストラされたことを家族に話せない父。ドーナツをつくっても食べてもらえない母。
アメリカ軍へ入隊する兄。こっそりピアノを習う弟。
何もおかしいものなんてなかったはずなのに、いつの間にか深まる家族の溝。
それでも、みんながみんなを思いやるとき、ばらばらの不協和音がひとつの旋律に変わる…。
黒沢清監督が、現代日本の家族を映し出した意欲作。
「家族のつながり」を見つめなおすことのできる心温まる感動ストーリー。

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