松本大洋さんの傑作漫画を原作とする映画「鉄コン筋クリート」がついに完成!本日24日、第19回東京国際映画祭特別招待作品として上映され、同日に完成披露記者会見を開催しました。主演の二宮和也、マイケル・アリアス監督とともに、キャスティングとして発表になった宮藤官九郎、田中泯、脚本のアンソニー・ワイントラープ、田中栄子、鎌形英一両プロデューサーが登壇。なお、映画の完成と同時にソニー・ピクチャーズ エンタテインメントによる世界配給も決定!ベルリンやカンヌ等の海外映画祭への出品、アメリカだけでなくアジア圏、南米などへの展開などを目指しています。クリエイター&多彩で豪華なキャスト陣の、原作への熱い思いが日本にとどまらず海外へ凱旋!六本木ヒルズの記者会見場は、”10年に1度の話題作”と呼び声高い本作の誕生とともに、大きな船出の一歩を見ようと駆けつけたマスコミで立ち見が出るほどに盛況、活気に満ち溢れていました。

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マイケル・アリアス監督

松本大洋さんの素晴らしい原作に出会って10年以上になります。出会って以来、毎日どうやって映画化しようか、どう作ろうか考え続けてきました。原作と出会ったころ、ちょうど日本では様々な事件がおき、古い街並みが次々と壊されていて、『永久に存在するものなんて、ないんじゃないか』という不安を感じながら、私は毎日を生きていました。その葛藤の中で、『鉄コン筋クリート』は「永久に変わらないものとは”愛”なんだ」という答えを教えてくれた作品です。クロ、シロ、木村、鈴木……すべてが私の分身であり、人間の一側面であると思います。まさかこれほど贅沢なかたちで映画化できるとは考えていませんでした。一日でも早く、みなさんに映画館に足を運んでいただき、率直な感想を聞かせていただきたいです。

二宮和也

自分が本当に大好きだった作品が映画化されると知り、まさか自分が演じることになるとは思ってもおらず、主演のお話があったときにはびっくりしました。同時に、自分で良いのかなという気持ちも半々ずつあったと思います。自分が演じたクロというキャラクターは、遠いところからモノを見るクセがあるんです。自分もクロと同じ距離から、においをかぎわけたり、色をのぞきこむようにして、クロと同じ目線でモノを見るように心がけていました。マイケル監督の指示のもと、自分は声を吹き込むことに没頭できました。『鉄コン筋クリート』は、人との愛、街との愛、作品との愛、キャラクターとの愛が詰まった作品です。アニメの原点をたどると、スタッフが寝ないで描いた一枚の絵になります。そういう部分を感じてもらえると、さらに深い愛が伝わってくると思います。

宮藤官九郎

沢田というエリートで、冷めている刑事を演じています。アニメの声をやるのは初めてだったので、ものすごく緊張しました。ですから、最初のほうは声が小さいんですけど、後半につれだんだん大きい声になっていきます。そのへんを楽しんでいただければと思います(笑)。僕は原作が雑誌で連載されているころから読んでいたんですが、当時から夢みたいな話だなと思っていました。いま読み直すと、さらにすごくいいんですね。忘れてしまっていた気持ちを思い出せるような気がして。僕はアニメーションをたくさん種類を見たことがないんですけど、これはすごいんですよね。……言葉じゃいえないくらいです。

田中泯

僕もアニメの仕事をやるのは初めてです。とても面白そうだなと思って、引き受けたんですけど、とても苦労しました。でも、本当に何度も試させていただいて、気持ちいい現場でした。僕が演じるのはネズミという役で、人との出会い次第では、僕自身がネズミのような人間になっていたかもしれないな、と思わせる人物です。僕は「納得できる言葉を吐いている役」をやりたいと思っているのですが、ネズミも、セリフを読ませていただき、引き受けることにしました。生意気なようですが、とてもわかるキャラクターです。良い奴だなあと思って演じていました。この話は「もっと遠くにある愛」の話じゃないかと思います。

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声の出演:クロ:二宮和也 シロ:蒼井優 木村:伊勢谷友介 沢田:宮藤官九郎 チョコラ:大森南朋 バニラ:岡田義徳 小僧:森三中 ネズミ(鈴木):田中泯 蛇:本木雅弘
主題歌:ASIAN KUNG-FU GENERATION『或る街の群青』(Ki/oon Records)
原作:松本大洋(小学館刊)/監督:マイケル・アリアス(「アニマトリックス」プロデューサー)/音楽:Plaid
製作:「鉄コン筋クリート」製作委員会(アニプレックス、アスミック・エース エンタテインメント、小学館、Beyond C、電通,TOKYO MX)/
アニメーション制作:スタジオ4℃
配給:アスミック・エース

2006年12月23日(祝) 渋谷東急ほか全国松竹・東急系にて 
感動のロードショー!

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