シナリオ芸術を極め、監督としてヒューマニズムを追い求めた孤高の巨人・新藤兼人

フィルムセンターの新年度を飾る上映企画は、日本の映画シナリオ界を長きにわたって先導し、93歳となった今も現役の映画監督・脚本家として活躍する孤高の巨人・新藤兼人監督の特集です。
この特集では、シナリオ芸術を極め、演出家としてヒューマニズムを追い求めたこの稀有な映画人の70年以上にわたる映画人生を、約65本の作品でたどります。フィルムセンターでは、1980年8月に「監督研究新藤兼人と吉村公三郎」を開催して以来26年ぶりの同監督特集となります。皆さまのご来場を衷心よりお待ち申し上げます。

会場:東京国立近代美術館フィルムセンター 大ホール(2階)/会期:2006年4月4日(火)〜5月28日(日)

★シナリオ作家・新藤兼人の自薦代表作
『愛妻物語』(1951年)       
シナリオ修業時代を自伝的に綴った監督・新藤兼人のデビュー作
『原爆の子』(1952年)       
ヒロシマの子たちのその後を追った近代映画協会の自主製作第1作
『裸の島』(1960年)       
一切のセリフを排して、離島の農民一家の苦闘を綴った代表作
『人間』(1962年)       
59日間海上を漂流し、人肉食いに直面した船員たちの対立を描く
『鬼婆』(1964年)       
中世の戦乱期を落武者狩りで暮らす女たちのエネルギーを描く

★関連イベント
《新藤監督による舞台挨拶》
2006年4月4日(火) 午後7時の上映前(上映作品『安城家の舞踏会』)
開幕にあたり、新藤監督による一般来場者向けの舞台挨拶が行われます。
《新藤監督講演会》
2006年4月22日(土)・5月20日(土) いずれも午後2時より
93歳を迎えた新藤監督が、映画への思いや映画作り・シナリオ作法の秘密を語ります。

会場:
東京国立近代美術館フィルムセンター
〒104-0031 東京都中央区京橋3-7-6