オスカー受賞監督が歴史に残る戦いを
日米双方の視点から描くという前例のない2部作

2006年3月、カリフォルニア、バーバンク発——『父親たちの星条旗』をクランクアップしたばかりのアカデミー賞受賞監督クリント・イーストウッド(『ミリオンダラー・ベイビー』『許されざる者』)が、対になるもう一本『硫黄島からの手紙』の撮影を3月13日にカリフォルニア、ロサンゼルスで開始。両作品ともオスカー受賞のスティーブン・スピルバーグ(『シンドラーのリスト』『プライベート・ライアン』)が製作し、ワーナー・ブラザース映画が世界配給を手がける。

今年後半に順次公開するため続けて撮影される『父親たちの星条旗』と『硫黄島からの手紙』は、第二次世界大戦の大きな転機となった悲劇的な硫黄島の戦いを描いている。この2本の映画は、歴史的な硫黄島の戦い、そしてその背景にある太平洋戦争を、武力だけではなく文化のぶつかり合いとして見せていく。イーストウッド、スピルバーグ、そしてアカデミー賞にノミネートされたロバート・ロレンツ(『ミリオンダラー・ベイビー』)が『父親たちの星条旗』『硫黄島からの手紙』両作品の製作を務める。

「この2部作は、硫黄島のストーリーを双方の側から語ろうとするものだ」とイーストウッドは言う。「戦争映画というよりは、国、友情、そして家族の絆を掘り下げるヒューマン・ドラマなんだ」

アカデミー賞ノミネート俳優である渡辺謙(『ラスト サムライ』『SAYURI』『バットマン・ビギンズ』)が演じるのは栗林忠道中将。アメリカで教育を受けた栗林は、米軍による硫黄島総攻撃に対し日本軍を率いて果敢に挑んでいく。このすさまじい戦いの先にあるのはもはや名誉の死しかないと思われるなかで、栗林の意外な戦略により日本兵たちは思いもよらぬ力を発揮して、すぐに決着がつくはずの戦いを40日近くに及ぶ歴史的な死闘に変える。
そのほかの主なキャストは、二宮和也、伊原剛志、加瀬亮、そして中村獅童。
『硫黄島からの手紙』は日系アメリカ人のアイリス・ヤマシタと、製作総指揮も務めるオスカー受賞のポール・ハギス(『クラッシュ』)の原案からヤマシタが脚本を手がけた。

キャスト陣には才能豊かな顔ぶれがそろった。西郷役は、若者に絶大な人気を誇るグループ“嵐”のメンバーで、映画『青の炎』ドラマ『優しい時間』、また舞台『理由なき反抗』など各方面より、その演技力で注目を浴びた二宮和也。本作では、愛する妻に必ず生きて帰ると約束しながらも、栗林と運命をともにすることになる心優しき兵士を演じる。

映画『半落ち』『みんなのいえ』、舞台「浪人街」などの演技で知られる伊原剛志が演じるのは、戦前には1932年のロサンゼルス・オリンピックで馬術競技で優勝した西竹一。

『パッチギ!』『アンテナ』『スクラップ・ヘブン』などの映画で若々しいエネルギーに満ちたユニークな演技を見せ、映画界から注目を集めている加瀬亮は、理想主義に燃える元憲兵隊員、清水洋一を演じる。

そして、映画『ピンポン』『いま、会いにゆきます』で高い評価を受け、さらに今、『SPIRIT』で世界に飛び出した歌舞伎界の寵児、中村獅童が、最初は栗林の奇策を拒む厳格な兵士、伊藤大尉を演じる。

アメリカ側の視点から描かれた『父親たちの星条旗』は、歴史上もっとも象徴的なイメージのひとつ、“摺鉢山にアメリカ国旗を揚げる5人の海兵隊員と1人の海軍兵士の写真”のエピソードを基にしている。その写真は硫黄島戦の勝利のシンボルとして、長引く戦争に疲れたアメリカ国民の士気を高めるために利用され、旗を掲げる6人の兵士はたちまち英雄に祭り上げられた。そのなかには、自分が祖国で名を成すことになるとは知らずに写真撮影直後に死んでいった者もいるが、生還した者もシンボルとしてもてはやされることには何の関心も抱かず、ましてや、自分を英雄などとは思わなかった。彼らはただ、名誉とは無縁に戦い、死んでいった戦友たちとともに前線に留まりたかっただけだった。

『父親たちの星条旗』の原作は、ジェイムズ・ブラッドリー、ロン・パワーズ著のベストセラー「硫黄島の星条旗」。ブラッドリーの父、ジョン・“ドック”・ブラッドリーは旗を掲げた兵士のひとりだったが、ブラッドリーがその詳細を知ったのは1994年に父が亡くなったあとだった。

『父親たちの星条旗』には、ライアン・フィリップ(『クラッシュ』)、ジェシー・ブラッドフォード(『Happy Endings』)、アダム・ビーチ(『ウインドトーカーズ』)、ジェイミー・ベル(『リトル・ダンサー』)、バリー・ペッパー(『ブライベート・ライアン』)、ポール・ウォーカー(『イントゥ・ザ・ブルー』)、ジョン・ベンジャミン・ヒッキー(『フライトプラン』)、ジョン・スラッテリー(『モナリザ・スマイル』)などが出演。アカデミー賞
受賞のポール・ハギスの脚色で、ロバート・ロレンツが製作した。ドリームワークス・ピクチャーズとワーナー・ブラザース映画の共同製作である『父親たちの星条旗』は、アメリカではドリーム・ワークス・ピクチャーズに、アメリカ以外の各国ではワーナー・ブラザース映画によって配給される。日本での公開は『父親たちの星条旗』が2006年秋、『硫黄島からの手紙』が2006年12月を予定。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

   クリント・イーストウッド監督による“硫黄島”プロジェクト
オスカー受賞監督が歴史に残る戦いを日米双方の視点から描く前例のない2部作

■ □『父親たちの星条旗』□ ■
2006年秋、丸の内プラゼールほか全国松竹・東急系にてロードショー
■ □『硫黄島からの手紙』□ ■
2006年12月、丸の内ピカデリー1ほか全国松竹・東急系にてロードショー

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━