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第6回東京フィルメックス特集上映
「映画大国スイス 1920’s-1940’s開催のご案内」
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あのヒッチコックが絶賛した!—「これぞサスペンスだ!」
越境する映画たち・・・スイスで花開いた才能の数々
スイス国籍を持たない監督たちによる黄金のスイス映画

 このたび、第6回東京フィルメックス(11月19日-27日 有楽町朝日ホール他で開催)のプログラムのうち、特集上映として「映画大国スイス 1920’s-1940’s」と題して貴重な作品群を6本、上映いたします。
 スイス映画の曙の黄金時代は、また同時に、スイスの持つ多言語的アイデンティティと永世中立国という政治的特性を背景に、ロシアやヨーロッパの映画人たちが当地で才能を発揮した時期でもありました。ジャック・フェデー、セルゲイ・M・エイゼンシュテイン、ダグラス・サークといった世界的に名だたる巨匠たちの知られざる足跡を辿る、映画史のミッシング・リンクともいうべき傑作群です。

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<「映画大国スイス 1920’s-1940’s」開催概要>*第6回東京フィルメックス特集上映
期間:2005年11/19(土)〜11/27(日)
会場:有楽町朝日ホール、シネカノン有楽町
主催:特定非営利活動法人 東京フィルメックス実行委員会
共催:朝日新聞社/J-WAVE/テレビ朝日
協力:スイス大使館、スイス・フィルムズ、スイス・プロ・ヘルヴェティア文化財団、
東京国立近代美術館フィルムセンター

入場料金:前売券1,200円、当日券1,500円 *各回入替制 *全作品日本語語字幕付き
お問合せ:東京フィルメックス事務局  Tel:03-3560-6394(平日のみ11:00〜19:00)
ホームページ:http://www.filmex.net/

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<タイムテーブル>
■有楽町朝日ホール
11/21(月) 19:00 「雪崩」 *伴奏付き上映
11/22(火) 10:30 「魂を失へる男」
      13:00 「婦人の困苦と幸福」
      16:00 「最後のチャンス」
      19:20 「霧笛」
11/23(水) 10:30 「霧笛」
11/25(金) 10:30 「アコード・ファイナル」
11/26(土) 19:00 「アコード・ファイナル」
11/27(日) 10:30 「婦人の困苦と幸福」
      12:20 「魂を失へる男」

■シネカノン有楽町
11/25(金) 21:15 「最後のチャンス」

* これらの上映作品の他にも「第6回東京フィルメックス」では数々の作品を上映いた
します(全34本)。
* 詳細はwww.filmex.net <http://www.filmex.net> でご確認ください。

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【上映プログラム】
■雪崩
 Children’s Faces France, Switzerland / 1925 / 69min.(24fps) / Silent
 Director: Jacques FEYDER
監督:ジャック・フェデー   出演:ジャン・フォーレ、ラシェル・デヴィリス
母の死に傷ついたジャンは、父の再婚後も継母と妹に反発。ある冬の日、ジャンは妹
の人形を馬車から路上に投げるが……。『外人部隊』(33)『ミモザ館』(34)の名匠ジャッ
ク・フェデーが少年の心理を描いた秀作。染色版での上映。
<伴奏付き上映>スイスのサウンド・デザイナー、ニキ・ネーケが来日し、伴奏を付け
て上映を行います。

■婦人の困苦と幸福      
 Misery and Fortune of Women Switzerland / 1929 / 59min.
 Director: Eduard TISSE Supervisor: Sergei M. EISENSTEIN
監督:エドゥアルド・ティッセ  監修:セルゲイ・M・エイゼンシュテイン  出演:
ヨハネス・シュタイナー
劇映画とドキュメンタリーの2部構成で、無認可による堕胎の危険性を訴える作品。堕
胎せざるを得なくなる3人の女性の悲劇と、設備の整った病院のドキュメンタリーを対
比的に描く。セルゲイ・M・エイゼンシュテインが監修で参加。

■霧笛(きりふえ)
 Rapt France, Switzerland / 1933 / 87min.
 Director: Dimitri KIRSANOFF
監督:ディミトリ・キルサノフ  出演:ディタ・パルロ、ジェーモン・ヴィタル
ドイツ系とフランス系の住民が山を隔てて住むアルプス地方で、ドイツ系住民に牧羊
犬を殺されたフランス系の若者が、腹いせにドイツ系の若い娘を誘拐する……。人間に
内在する憎悪や欲望をアヴァンギャルドな映像で描いた傑作。

■魂を失へる男
 The Eternal Mask Switzerland / 1935 / 75min.
 Director: Werner HOCHBAUM
監督:ヴェルナー・ホーホバウム  出演:ピーター・ピーターセン、マチアス・ヴィー
マン
スイス、バーゼルの病院にて、自らが発明した血清により患者を死亡させたと非難さ
れた医師は失踪するが……。狂気に陥った主人公の心象風景を描写した映像が素晴らし
い。戦前のスイス映画を代表する1本と言われる作品。(英字幕無し、日字幕のみ)

■アコード・ファイナル
 Accord Final France, Switzerland / 1938 /82min.
 Director: Douglas SIRK, Ignacy ROSENKRANZ (as I.R. Bay)
監督:ダグラス・サーク、イグナツィ・ローゼンクランツ(I.R.ベイ 名義)  出演:
ケーテ・フォン・ナギ、ジュール・ベリ
アメリカ人のジョージは、音楽学校に10番目に入ってきた女性と2ヶ月以内に結婚する、
という賭けをするが……。ナチス・ドイツから逃れたダグラス・サークが渡米する前の
間に、ノン・クレジットで監督した、シチュエーション・コメディの快作。(ビデオ上
映)

■最後のチャンス
 The Last Chance Switzerland / 1945 / 113min.
 Director: Leopold LINDTBERG
監督:レオポルド・リンドベルク  出演:エヴァルト・G・モリソン、ジョン・ホイ
1943年イタリア北部で、独軍の捕虜護送列車から脱走した英米の軍人はスイスへと向
かい、出会った避難民たちとともにアルプス越えに挑む……。ネオリアリズモ・タッチ
でヒューマニズムを描く。第1回カンヌ映画祭でグランプリを受賞。

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→「最後のチャンス」に寄せられた絶賛の声
・アルフレッド・ヒッチコック(映画監督)
 —これぞサスペンスだ!
・ポール・ギャリコ(作家)「ハリスおばさんパリへ行く」
 —映画史上最高の映画だ

・シンクレア・ルイス(アメリカ人初のノーベル文学賞受賞者)
 —「最後のチャンス」は人間的であるがゆえに素晴らしいのか、それともこの刺激
的なストーリ-のゆえに素晴らしいのか。
・グリア・ガースン(女優)「心の旅路」「キュリー夫人」など
 —わたしが今まで見た中で最高の映画だわ
・ジェームズ・ヒルトン(作家)「チップス先生さようなら」「心の旅路」原作
 —心ゆさぶられ、見た後も頭から離れない映画だ。ヨーロッパの悲劇を最初に描い
た、まるで生き証言のような作品だ。
・ジーン・ハーショルド(映画科学芸術アカデミー所長)
 —人間の勇気についての驚くべき記録だ。この見事な簡潔さと品位の高さは、われ
われの時代の最も素晴らしい作品にふさわしい。
・ニュースウィーク・マガジン
 —最高の映画だ。