ドイツ映画祭2005「映像の新しい地平 特別編」
Deutsches Filmfestival in Tokyo 2005 Horizonte Spezial
今年は「日本におけるドイツ年」です。その公式企画として有楽町朝日ホールを会場とし、「ドイツ映画祭」を開催することになりました。アカデミー賞外国語映画賞を受賞した『名もなきアフリカの地で』や『グッバイ、レーニン!』のヒットに代表されるように、近年ドイツ映画は力を増し、世界の注目を浴びていますが、今回の映画祭は、2000年以降のドイツ映画に焦点を当てて計25本の秀作を9日間で連続上映します。既に日本で公開されたヒット作から、今年のベルリン国際映画祭で話題になった作品、そして本映画祭後公開が予定されている話題作まで、さまざまなジャンルの力作が揃います。そのうち、特別上映のみの公開を含む日本未公開作品は、計20本です。東京ドイツ文化センターでは2002年から新作を中心にしたドイツ映画祭「映像の新しい地平 Horizonte」を単独で開催してきましたが、本映画祭は会場を有楽町に移し、その特別編となります。

◎主催:朝日新聞社、東京ドイツ文化センター、ドイツ映画輸出協会
◎会期・会場:2005年6月4日(土)〜12日(日)有楽町朝日ホール
◎入場料金:一般前売り1300円、当日1500円(5作品券なども発売予定)
◎一般お問い合わせ:03-3265-1979
◎公式ホームページ:http://www.asahi.com/event/de05 (4月開設予定)
◎上映予定作品(★は日本未公開、☆は劇場未公開、上映は各作品1〜2回のみ)
Aプログラム ヒット映画リバイバル!
1.『名もなきアフリカの地で』Nirgendwo in Afrika (カロリーヌ・リンク監督、2001年=ギャガ・コミュニケーションズ)
64年生まれのリンク監督がアカデミー賞外国語映画賞を受賞した、新しいドイツ映画の記念碑的作品。
2.『トンネル』Der Tunnel (ローランド・ズゾ・リヒター監督、2001年=アルシネテラン)
ベルリンの壁で引き離された人々がトンネルを掘って再会した実話を映画化した、サスペンス・スペクタクル。
3.『マーサの幸せレシピ』Bella Martha (サンドラ・ネットルベック監督、2001年=東芝エンタテインメント)
新人女性監督が描く、ハンブルクのフランス料理店のシェフ、マーサをめぐる楽しくほろ苦い物語。
4.『グッバイ、レーニン!』 Good Bye, Lenin! (ヴォルフガング・ベッカー監督、2003年=ギャガ・コミュニケーションズ)
心臓発作で倒れ、ベルリンの壁の崩壊を知らない母親をめぐる家庭を描き、全世界に衝撃を与えた傑作。
5.『飛ぶ教室』Das fliegende Klassenzimmer (トミー・ヴィガント監督、2003年=メディア・スーツ)
エーリヒ・ケストナーによる学園ものベストセラーの映画化で、日本を含む世界中で大ヒット。

Bプログラム もうすぐ公開!
6. ★『青い棘』Was nutzt die Liebe in Gedanken (アヒム・フォン・ボリエス監督、2003年=アルバトロス・フィルム)
  1929年「シュテーグリッツ校の悲劇」を基に、D・ブリュール主演で描く耽美的作品。今秋ル・シネマ公開。
7. ★『愛より速く』Gegen die Wand (ファティ・アキン監督、2004年=エレファント・ピクチャー)
トルコ系女性の偽装結婚から生まれた純粋な愛の姿を描く。昨年のベルリンで金熊賞。今秋公開予定。
8. ★『ヒトラー〜最期の12日間〜』Der Untergang (オリヴァー・ヒルシュビーゲル監督、2004年=ギャガ・コミュニケーションズ)
  ヒトラーの最期をブルーノ・ガンツが人間的に演じて話題を呼んだ問題作。今夏、シネマライズで公開。
9. ★『ゾフィー・ショル−最期の日々(仮題)』Sophie Scholl-die letzten Tage (マルク・ローテムント監督、2005年=キネティック)
   ナチに抗した「白バラ」のゾフィーの最期を描き、今年ベルリンで銀熊賞(監督・主演女優)。2006年公開。

Cプログラム 「映像の新しい地平」東京ドイツ文化センター・プログラムから
10.☆『クレイジー』Crazy (ハンス=クリスティアン・シュミット監督、2000年)
手足に麻痺のある少年が新しい学校に溶け込んでゆく姿を繊細な映像で鮮烈に描いた、新しい青春映画の快作。
11.☆『タトゥー』Tattoo (ロベルト・シュウェントゥケ監督、2001年)
次々と発見される死体は、体の刺青を剥ぎ取られていた・・・。ベルリンを舞台にしたサスペンス異色作。
12.☆『ヒランクル』Hierankl(ハンス・シュタインビッヒラー監督、2003年)
父親の60歳の誕生日にバイエルンの実家に集まる家族の虚構と崩壊を描き、国内映画賞を総なめした秀作。
13.☆『芝居に夢中』Die Spielwutigen (アンドレス・ファイエル監督、2003)
演劇大学の学生群像を入学試験から卒業まで丹念に追いかけたドキュメンタリー。昨年のベルリンで絶賛。
14.☆『シュルツェ、ブルースへの旅立ち』Schultze gets the Blues (ミヒャエル・ショル監督、2003年)
鉱山を退職したシュルツがアコーディオンのブルースに目覚め、アメリカまで行く姿を描く大人のメルヘン。
15.★『ファーラント』Farland (ミヒャエル・クリアー監督、2004年)
地方都市の病院を舞台に、2つの家族の不思議な出会いを、淡々と描いた秀作。ダニエル・ブリュール共演。
16.★『幻影』Gespenster (クリスチャン・ペツォルト監督、2004年)
3歳の時に蒸発した娘を捜す母と、自分を探す少女の出会いと彷徨を描いた、今年のベルリンのコンペ出品作。

Dプログラム 最新未公開ドイツ映画
17.★『何でもツッカー!』Alles auf Zucker (ダニー・レヴィ監督、2004年)
  今日のドイツのユダヤ人社会をユーモアたっぷりに描いた痛快なコメディーで、今年のベルリンで上映。
18.★『ワン・デイ・イン・ヨーロッパ』One day in Europe (ハネス・シュテーア監督、2004年)
  モスクワ、イスタンブールなど4カ所で起きる外国人の非喜劇。今年のベルリンのコンペで喝采を浴びた。
19.★『アグネスと彼の兄弟』Agnes und seine Bruder (オスカー・レーラー監督、2004年)
ゲイのアグネスと、その2人の兄が繰り広げる悲しくも純粋な愛の物語。昨年のヴェネチアのコンペ作品。
20.★『弟が犬になっちゃった!』Mein Bruder ist ein Hund (ペーター・ティム監督、2004年)
10歳のマリエッタは犬が欲しかったが、ある日弟が犬になってしまう。ドイツで大ヒットの子供向け映画。
21.★『9日目』Der neunte Tag(フォルカー・シューレンドルフ監督、2004年)
ナチ時代の強制収容所から一時的に釈放される牧師の9日間を、巨匠シューレンドルフが描いた力作。
22.★『夏の突風』Sommersturm (マルク・クロイツペイントナー監督、2004年)
ボート部のトビとアヒムの友情は、恋人の出現やゲイたちとの出会いで変わってゆく。爽やかなゲイ青春映画。
23.★『心の鼓動』Kammerflimmern (ヘンドリック・ヘルツェルマン監督、2004年)
幼い頃交通事故で両親を亡くし、救急士になったクラッシュが運命の女性と出会う。今年のベルリンに出品。
24.★『盗人の王様』Konig der Diebe (イヴァン・フィラ監督、2005年)
10歳のカルーゾがウクライナの寒村からベルリンのサーカス団に入り、たくましく生き抜く姿を描く感動作。
25.★『ヴィレンブロック』Willenbrock (アンドレアス・ドレーゼン監督、2005年)
中古自動車屋、ヴィレンブロックの不思議な日々を描いた才人ドレーゼンの新作で、今年のベルリンで上映。