★第380回現代中国映画上映会★
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●上映作品1:《春の惑い》
2001年中国電影集団公司第一制片公司・北京栄信達影視藝術中心
       北京北大文化発展有限公司・安裕置業有限公司 4社共同制作
    35mmカラー・ビスタサイズ  日本語字幕スーパー  116分
    原題:小城之春        原作:李天済『小城之春』
    監督:田壮壮(ティェン・チュアンチュアン)
    脚本:阿城(アーチェン)    撮影:李屏賓(リー・ピンビン)
    音楽:趙立(ヂャオ・リー)
    主演:胡靖[金凡](フー・チンファン)、呉軍(ウー・ヂュン)
       辛柏青(シン・ボーチン)、葉小鏗(イェ・シァオケン)
●上映作品2:《哀戀花火》
    1993年西安映画制作所・香港翁氏huo伴公司共同制作
    35mmカラー・ビスタサイズ  日本語字幕スーパー  117分
    原題:炮打双灯    原作:馮驥才『炮打双灯』
    監督:何平(フー・ピン)        脚本:大鷹(ダーイン)
    撮影:楊輪(ヤン・ルン)   作曲:趙季平(ヂャオ・ヂーピン)
    録音:顧長寧(グー・チャンニン)
    主演:寧静(ニン・ヂン)、巫剛(ウー・ガン)
       趙暁鋭(ヂャオ・シァオルイ)、高陽(ガオ・ヤン)
●上映作品3:《林商店》
    1959年北京映画制作所制作 35mmカラー・スタンダード 92分
    原作:茅盾『林家鋪子』  原題:林家鋪子    日本語字幕つき
    監督:水華(シュイ・ホァ)      脚本:夏衍(シァ・イェン)
    撮影:銭江(チェン・ヂァン)
    主演:謝添(シェ・ティェン)、馬薇(マー・ウェイ)
       韓涛(ハン・タオ)、梁新(リァン・シン)
       蔡元元(ツァイ・ユェンユェン)、郭秉(グォ・ビン)
       安然(アン・ラン)、于中義(ユィ・ヂョンイー)
       于藍(ユィ・ラン)趙子岳(ヂャオ・ヅーユェ)
       封順(フォン・シュン)、陳述(チェン・シュー)
●上映日時:4月 24日(土) 午前9:40開場
        10:00 《哀戀花火》(18:30まで入れ換えなし)
        12:10 《春の惑い》
        14:20 《哀戀花火》
        16:30 《春の惑い》(終映後、入れ換え)
        19:00 《林商店》(18:45開場)
●上映会場:文京シビックホール(小ホール)
(文京区役所がある文京シビックセンター2F)
営団地下鉄丸ノ内線・南北線 後楽園駅 直結
都営地下鉄三田線・大江戸線 春日駅 直結
地図: http://www.parkcity.ne.jp/~gentyuei/civic.htm
●会 場 費:
   《哀戀花火》《春の惑い》1400円(会員)、1700円(非会員)
   《林商店》       1200円(会員)、1500円(非会員)
(入会金:500円—同時入会可、有効期間1年)
年間フリーパス(7000円)もあります。
100円割引券がHPにありますのでご利用下さい。

★★★《春の惑い》★★★
 1949年の春。戦争が終わり、束の間の平和が訪れた中国・江南の田舎町。
戴礼言(ダイ・リーイェン)は妻の玉紋(ユィウェン)、妹の秀(シゥ)、それに使用人の4人で生活していた。礼言は肺病を患い療養中。そこへ上海から現れたのは医者の章志忱(ヂャン・ヂーチェン)、礼言の旧友だった。しかし、玉紋はかつて志忱の恋人でもあった。礼言はそれを知らない。
 礼言のことを愛しながらも志忱が忘れられない玉紋。玉紋とかつての恋人・志忱の間に重苦しい空気が流れ、やがてそれは一線を越すかに思えたが…。

 本作は、1948年に制作された映画詩人・費穆(フェイ・ムー)の名作《小城之春》(邦題:田舎町の春)を完全リメイクしたものである。1993年の《藍風箏》(邦題:青い凧)事件で監督資格を停止されていた田壮壮が資格回復後、初めて制作した力作で、ヴェネチア映画祭コントロコレンテ部門でグランプリを受賞した。わずか5人の登場人物が織りなす淡々としたストーリーと映像美を究めた本作は田壮壮の追い求める『映画』を如実に表していると言えるだろう。
 田壮壮は本作で成功を収めたあと、中国生まれの囲碁の天才・呉清源を題材にした新作を制作中である。

★★★《哀戀花火》★★★
 時は清朝末期、場所は中国西北部にある花火を特産地とする街。この地にある爆竹の老舗・蔡(ツァイ)家の若主人は男装の女性・春枝(チュンヂー)だった。
彼女は跡取りとなるべく幼少期から男として育てられ、若干19歳で蔡家を継いだ。
 ある冬、その街に絵師・牛宝(ニゥバオ)が立ち寄った。大胆に絵筆をふるう彼に春枝は惹かれた。牛宝も男装の奥に秘められた春枝の魅力に気づいた。掟では、蔡家の婿になるためには爆竹の技術を会得しなければならなかった。それを知って彼は街を去った。
春になった。蔡家に爆竹が投げ込まれた。牛宝の仕業だった。その夜、春枝と牛宝は結ばれた。
 街の長老たちが集まり、春枝の婿選びのため爆竹合戦を計画していた。そこで春枝を自分のものにするため牛宝がとった捨て身の行動とは…。

 話題の大作《ヘブン・アンド・アース》(原題:天地英雄)が日本で公開中の何平監督が《双旗鎮刀客》に次いで制作した力作であり、ハワイ映画祭でグランプリを獲得した。彼は監督の他、《ハッピー・ヒューネラル》など多数の作品のプロデューサーとしても活躍している。
 人気女優・寧静の凛々しい男装姿は注目に値する。

★★★《林商店》★★★
 1931年、日本の侵略の嵐が吹き荒れる中国。混乱の中、街の小さな雑貨店を営む林老板は、日本商品を高く売りつけることによって人々から収奪すると共に、一方では商品の仕入れ先から足元を見られ搾取されていた。そんな中で日本商品へのボイコットが始まった。日本の品物を多数並べている林老板は国民党の役人に賄賂を贈り商品の販売を黙認してもらうが、競争相手と勝負するために行ったセールの利益は役人に巻き上げられてしまう。折しも発生した上海事変の影響で借金の取りたてが厳しくなった。幸いなことに、上海からの難民を相手に始めた商品の廉売が好調で一息ついた林老板だったが、安売りした後で逃げ出す気だという商売敵のデマに焦った借金取りは、即時全額返済を強く迫るのだった。
 絶え間ないトラブルの連続に耐えかねた林老板は、ついに家族を連れて逃亡した。後には債権者と残った品物を奪う人々の姿があった…。

 この作品は、茅盾(1896〜1981)の小説『林家鋪子』を映画化した作品である。
 奪う者と奪われる者。矛盾する二面性に悩む林老板を通して、日本の中国侵略が引き起こした当時の中間商人の苦しみと悲劇を描いた佳作である。本作に主演し、昨年末に亡くなった林老板役の謝添は、《犬と女とシン老人》《洪湖赤衛隊》《上海ルージュ》などでもおなじみの男優で、《茶館》《洪湖赤衛隊》などの作品も監督している。

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★★★今後の上映予定★★★

4月24日(土) 10:00〜 《哀戀花火》(監督:何平、主演:寧静)
12:10〜 《春の惑い》(監督:田壮壮)
14:20〜 《哀戀花火》(監督:何平、主演:寧静)
16:30〜 《春の惑い》(監督:田壮壮)
19:00〜 《林商店》(原作:茅盾、主演:謝添)
5月 1日(土) 18:55〜 《しあわせの場所》(主演:馮鞏)
6月19日(土) 10:10〜 《紅色娘子軍》(監督:謝晋)
12:50〜 《北京ヴァイオリン》(監督:陳凱歌)
15:00〜 《国姓爺合戦〜英雄・鄭成功》
17:00〜 《北京ヴァイオリン》(監督:陳凱歌)
19:10〜 《国姓爺合戦〜英雄・鄭成功》
7月17日(土) 18:55〜 上映作品未定(1作品上映)
 8月 7日(土) 10:00〜 上映作品未定(2〜3作品上映)
9月 4日(土) 18:55〜 上映作品未定(1作品上映)
9月18日(土) 18:55〜 上映作品未定(1作品上映)
10月30日(土) 18:55〜 上映作品未定(1作品上映)

上映会場はすべて文京シビックホール(小ホール)になります。
文京シビックホール(文京シビックセンター)の地図は次のアドレスをご覧下さ
い。 http://www.parkcity.ne.jp/~gentyuei/civic.htm