国際交流基金では、アジア映画講座の第11回として、復興をめざすアフガニスタンに焦点をあて、隣国イランや日本の映画作家たちが制作したアフガニスタン関係の映画10本を上映。映画と講演を通してアフガニスタンの歴史と現在について考えます。

【会期】3月2日(火)〜7日(日)

【会場】国際交流基金フォーラム(赤坂ツインタワー1階)

【上映作品・イベントと上映時間】

『ヤカオランの春〜あるアフガン難民の生涯』(完成披露上映)
2004年/85分/ビデオ/日本/監督:川崎けい子、中津義人
パキスタンのヘワ難民キャンプで生活するアフガン難民夫妻が語る自分史から、建国以来ずっと他の国々に翻弄されつづけたアフガニスタンの現代史が浮かび上がる。平成15年度東京ウィメンズプラザ民間活動助成対象事業。
◎3月2日(火)19:00上映、上映後、川崎けい子監督と中津義人監督によるトークあり

『少年と砂漠のカフェ』DELBARAN
2001年/96分/35mm/イラン=日本/監督:アボルファズル・ジャリリ
戦火のアフガニスタンからイランへと逃れ、国境付近で老夫婦が経営するカフェで働く14才の少年キャイン。老夫婦と親子のようにふれあい、国境警備の警官、修理技師などの大人たちとも対等に渡りあう少年の、たくましくも懸命に生きる姿を描き出す。ナント三大陸映画祭グランプリ。
◎3月3日(水)19:00上映

『少女の髪どめ』BARAN
2001年/96分/35mm/イラン/監督:マジッド・マジディ
3度目のモントリオール映画祭グランプリ受賞作となるマジッド・マジディ監督作品。少年のふりをして働くアフガン人の少女と、彼女に心を寄せるようになるイラン人の少年の姿を描いている。彼女の幸せをひたすら願うラティフの姿を通し、あらゆる境界線を乗り越えようとする愛の力を描く。
◎3月4日(木)19:00上映

『サイクリスト』THE CYCLIST
1989年/83分/35mm/イラン/監督:モフセン・マフマルバフ
80年代のソ連侵攻と、それに続く混乱によって多くのアフガン人が難民として国外に逃れた。国境を接するイランにも多数のアフガン人が逃れてきたが、マフマルバフ監督は難民一家の困窮した生活を描くことで、その厳しい状況を訴えている。
◎3月7日(日)13:00上映

『カンダハール』KANDAHAR
2001年/85分/35mm/イラン=フランス/監督:モフセン・マフマルバフ
主人公を演じるアフガニスタンからカナダに亡命した女性ジャーナリスト、ニルファー・パズィラの身に実際に起こった事柄をもとに、マフマルバフは本作を映画化した。飢餓と貧困、女性に対する抑圧、地雷で足を失った人々の群れなど、アフガニスタンの現実を描く。
◎3月7日(日)15:00『アフガン・アルファベット』と2本立上映
上映後 講演「日本と西アジアの関係について〜アフガニスタンを中心に」モハマド・ナギザデ(明治学院大学国際学部教授)

『アフガン・アルファベット』AFGHAN ALPHABET
2002年/46分/35mm(ビデオ撮影)/イラン/監督:モフセン・マフマルバフ
「9.11」同時多発テロ直後、『カンダハール』のロケ地であるアフガン国境の町ザーヘダーンの難民キャンプの子供たちを取材したドキュメンタリー。囚われの身でありながら、貧困、無知、偏見、男性優位主義、迷信に囚われていることを知らずにいる女性たち。アフガニスタンの未来のため、マフマルバフは教育の重要性を訴え続ける。
◎3月7日(日)15:00『カンダハール』と2本立上映
上映後 講演「日本と西アジアの関係について〜アフガニスタンを中心に」モハマド・ナギザデ(明治学院大学国際学部教授)

『アフガン 戦場の旅〜記者たちは何を見たのか』
2002年/70分/ビデオ/日本/監督:吉岡逸夫
湾岸戦争やルワンダ内戦などを取材し世界各国を回ってきた新聞記者・吉岡逸夫。その彼が「9.11」同時多発テロ後の2001年11月にアフガニスタンへの取材に出た。陥落したばかりのカンダハルで、世界各国からの集まったジャーナリストたちの本音に迫る。
◎3月5日(金)19:00上映
上映後 吉岡逸夫監督によるトーク

『よみがえれカレーズ』
1989年/116分/16mm/日本=アフガニスタン/演出:土本典昭、熊谷博子、アブドゥル・ラティーフ
1979年のソ連のアフガニスタン侵攻から約10年後、88年春、国連のジュネーブ和平協定によりソ連軍の撤退が始まった時期の記録。カメラは、国境地帯や地雷の埋められていた仏教遺跡、首都カーブルのバザール近くでのロケット爆発現場などと同時に、バザールの賑わいや農村の緑、羊の群れなど心和む風景の中で生きる庶民の姿を捉える。
◎3月6日(土)14:00上映

『もうひとつのアフガニスタン〜カーブル日記・1985年』
2003年/42分/ビデオ/日本/企画、演出、語り:土本典昭
『よみがえれカレーズ』のために撮影されながら未使用のままであったフィルムから、80年代のソ連駐留時代のカーブル市民の姿を浮かび上がらせる記録映画。(日本語音声+英語字幕版を上映)
◎3月6日(土)16:30『在りし日のカーブル博物館・1988年』と2本立上映
上映後 土本典昭監督によるトーク

『在りし日のカーブル博物館・1988年』
2003年/32分/ビデオ/日本/企画、演出、語り:土本典昭
かつて東西文明の交易中継地として栄えたアフガニスタンでは、ギリシャ・ローマの紀元前ヘレニズム文化やガンダーラの仏教彫刻など、さまざまな文明の遺産が発掘された。それら貴重な文化財を収集・展示していたカーブル博物館の収蔵品を88年に記録した作品。タリバン政権発足後、これらは破壊され、また爆撃も受け7割を消失した。
◎3月6日(土)16:30『もうひとつのアフガニスタン〜カーブル日記・1985年』と2本立上映
上映後 土本典昭監督によるトーク

【主催】独立行政法人 国際交流基金(アジアセンター&中東交流事業業務室)

【企画協力】ぴあ株式会社

【協力】ビターズ・エンド、日本ヘラルド映画、オフィスサンマルサン、シネ・アソシエ、シグロ、アップリンク、『ヤカオランの春』制作の会

【チケット】
前売り/1回券800円、3回券2100円
会期中/1回券1000円、3回券2400円
(国際交流基金友の会・賛助会会員、65才以上の方は、当日受付にて証明書提示で前売り料金扱い)

前売り券はチケットぴあ店頭にて、2月6日(金)から3月1日(月)まで発売(電話予約は2月27日(金)で終了)。Pコード 472−699

【チケットぴあ電話予約】
・オペレーター電話予約 0570−02−9999(10:00〜23:30)
・お近くのファミリーマート(一部地域、店舗を除く)のファミネットでも購入可。
・セブンイレブン(全国全店)備え付けのセルフオペレーション端末(Mコピー/10:00〜23:30)でも購入可能。
・サンクス(全国全店/10:00〜23:30)では、備え付けの申込用紙に、Pコードなどの必要事項を記入し、レジカウンターで直接購入可能。

【お問い合わせ】
「映画のアフガニスタン」事務局(ぴあ株式会社 PFF事務局内)
TEL.03−3265−1425 月〜金10:00〜18:00(平日のみ)

【会期中のお問い合わせ】
国際交流基金アジアセンター TEL.03−5562−3892(平日)
国際交流基金フォーラム TEL.03−5562−4096(土日)
URL.http://www.jpf.go.jp/j/others_j/whats_j/0402/02-05.html