蒸気機関車から大地を疾走する超特急まで、鉄道は様々な人々の想いや生活とともにありました。
国境を越え、時代を越え、旧作から新作まで、鉄道と共に生きる人たちや鉄道に思い入れを持った人たちのドラマを描く作品がスクリーンを彩る2日間です。
くろがねの馬と呼ばれた蒸気機関車の勇姿や、のどかに走る列車、駆け抜けていく特急列車。
鉄道が語りかけてくる言葉に耳を傾けてみて下さい。
新しい鉄道との出会いがあるはずです。

<開催概要>
○開催日時:2004年2月7日(土)・8日(日) 2日間
開場13:00〜 開演13:30〜(2日間共通)
○会 場:恵比寿ザ・ガーデンホール(JR恵比寿駅より徒歩7分)
○内 容:新旧映画作品(4タイトル)、ドキュメンタリー、記録映像などの上映、南正時氏、佐藤忠男氏らによるトークショー
○入場料:大人1,000円 小学生以下500円<税込> 7日・8日各1日券
○チケット発売:JR東日本のみどりの窓口・びゅうプラザ・チケットぴあにて、2004年1月5日より前売り開始 
○一般お問い合わせ:「鉄道映像フェスティバル」事務局
TEL 03−3437−0566 平日(月〜金曜日)10:30〜18:30
◇主催:財団法人東日本鉄道文化財団
◇後援:東日本旅客鉄道株式会社

2月7日(土) プログラム概要
13:30〜(1時間51分) 上映:指導物語
戦時中の鉄道連隊を描いた本作品を、ニュープリントで上映。
戦線で軍用列車を運転する機関員特業と呼ばれる兵士のふたり、佐川(藤田進)と草野(中村彰)。
それを千葉県・習志野で指導する老機関士・瀬木(丸山定夫)のふれあいを描く戦前の作品。国鉄の全面協力で、房総一帯にSLを走らせたダイナミックなシーンもみどころのひとつ。また、老機関士の娘役で、原節子が出演している。(1941年/東宝/35mm・モノクロ/日本)
監督:熊谷久虎    出演:丸山定夫/原節子 他

15:30〜(60分) トーク&シネマ
ヨーロッパの鉄道を映像で旅する。(ナビゲーター・南正時)
ゲストコメンテーター:木村奈保子(映画評論家)
写真家であり、今回の選考委員を務めるエッセイストの南正時氏が、自ら監修・制作した約30年前の
貴重なヨーロッパ特急の映像作品や、日本に上陸した時のオリエント急行の模様をみずから撮影した映像を中心に、ヨーロッパの鉄道の魅力を語る。
南正時プロフィール:旅行記者クラブ・旅行作家の会会員。フリーの写真家。1975年初のヨーロッパの鉄道取材を敢行。最新の国際特急TEEなどを取材し、日本人プロカメラマン初の本格的海外鉄道取材として高い評価を受ける。新聞・雑誌などの連載、テレビやラジオの旅番組の出演や監修の傍ら、鉄道関係の本や旅行ガイドブックの執筆を行う。

16:30〜(23分)上映:雪の行路−SL急行”ニセコ”C62重連
酷寒に閉ざされた北の大地・小樽から長万部へ氷雪の峠を越えて進む急行「ニセコ」。雪に埋もれた峠を次々と越えていく日本最大のSL=C62。重連で急行を牽引する引退直前の雄姿を描いた鉄道ジャーナルのオリジナル作品。細かくカットバックをつなぐ手法の画像が印象的。
(1971年/鉄道ジャーナル/35mm・カラー/日本)

目玉企画!日本未公開/特別招待作品
17:00〜(1時間29分)上映:THE STATION AGENT(ザ ステーション エージェント)
2003年サンダンス映画祭観客賞・脚本賞を受賞したヒューマン・ドラマ!
鉄道模型店で働くフィン(フィンバー・マックブライド)は5フィート4インチしかない小人症だった。店主の死去とともに、彼は町を去り、廃墟となった列車停車場に住まいを移す。日々、鉄道を眺めて暮らす彼とその様子に興味を持つ隣人たち。やがて、それまでだれにも心を開かなかった彼の心に変化が訪れる。鉄道を愛する人たちに対する暖かな視線の感じられる作品。 2003年のサンダンス映画祭で観客賞、2003年ナショナル・ボード・レヴュー、最優秀助演女優賞を受賞。
(2003年・未公開/35mm・カラー/アメリカ)
監督・脚本:トム・マッカーシー  出演:ピーター・ディンクレイジ/パトリシア・クラーソン 他

2月8日(日) プログラム概要
13:30〜(2時間7分) 上映:蝶と花
1986年のハワイ国際映画祭で最優秀作品賞を受賞した、タイの名作映画を上映。
イスラム教徒の貧困に喘ぐ少年少女の新しい生活に挑む姿を描いた作品。列車での米の密輸のために、米を座席下に隠して、自分たちは屋根の上で検札を逃れる子供たちのたくましさが印象的である。マレーシア国境近くの南タイが舞台。現在タイ映画界で最も注目されている監督ユッタナー・ムクダーサニットが、ニッパーンの原作を忠実に映像化した。(1985年/オリエンタル・ブリーズ/ビデオ上映・カラー/タイ)
監督:ユッタナー・ムクダーサニット  出演:スリヤー・ヤオワーサン/ワーサナ・ポンイアム 他

15:45〜(1時間23分)上映:すばらしい蒸気機関車
引退直前の多くの蒸気機関車の姿を美しい日本の四季の風景をバックに描く、長篇記録映画。音楽は、当時高林監督の仕事を手伝っていた大林監督が担当。
登場する主なSL:B20、C11、C55、C57、C58、C59、C62、D50、D51。
(1970年/35mm・カラー/日本)
監督:高林陽一  音楽:大林宣彦

17:15〜(45分) トーク&シネマ
映画の中の鉄道(ナビゲーター:佐藤忠男)
ゲスト:高林陽一監督(予定)/ゲストコメンテーター:木村奈保子(映画評論家)
映画評論家であり、今回の選考委員も務める日本映画学校校長・佐藤忠男氏が様々な「鉄道が印象的に登場する名画」について、氏の解説と映像で紹介。また、このプログラムの前に上映する「すばらしい蒸気機関車」の高林監督をゲストに迎える。
紹介作品:「カルメン故郷に帰る」(1951年/木下惠介監督)、「東京暮色」(1957年/小津安二郎監督)、「家族」(1970年/山田洋次監督)他を予定。
佐藤忠男プロフィール:1930年、新潟市に生まれる。1957〜62年、『映画評論』『思想の科学』などの編集に従事。以後、フリーで映画、教育、大衆文化などの評論を行う。現在、日本映画学校校長。

目玉企画!日本未公開/特別招待作品
18:00〜(1時間33分) 上映:THE LAST TRAIN(ザ ラスト トレイン)
2003年スペインのゴヤ賞(スペイン版アカデミー賞)最優秀外国映画賞を受賞した、社会派コメディ。
大手ハリウッド映画スタジオがウルグアイの歴史ある機関車を映画撮影用に買い付けた。ウルグアイ人はこのニュースを誇りに思ったが、一部の「鉄道友の会」ベテラン・メンバーたちはこれを極めて不満に思った。機関車がアメリカに送られるのを断固阻止するため、老人3人と少年1人は機関車を乗っ取り、冒険の旅に出るが様々な出来事に巻き込まれる!
(2002年/未公開/35mm・カラー/アルゼンチン・スペイン・ウルグアイ合作)
監督:ディエゴ・アルスアガ  出演:エクトル・アルテリオ/フェデリコ・ルピ/ぺぺ・ソリアーノ 他