公開中の『夜風の匂い』など愛する女たちを描いたフィリップ・ガレル監督の1974年発表の作品には、音も、声も、ストーリーもなかった。
愛することは、見つめること。
男は、心臓の代わりにカメラをその胸の中に持っていた。そこには、愛する女たちを見つめる、一人の男の視線だけがあった。彼女たちは、視線の中で、笑い、泣き、怒り、抱擁し、見つめかえす・・・・・・。愛することは、見つめること。このさくひんは、二度と触れることの出来ない逝ってしまった愛する人たちへの断念の痕だ。男は、16歳で映画監督としてデビューした恐るべき子供フィリップ・ガレル。女は、ヴェルヴェットアンダーグラウンドの歌姫ニコ。そして、ゴダールの『勝手にしやがれ』のヒロインとして観客を魅了し、本年から5年後のパリの路上で変死体として発見されたジーン・セバーグ。
フィリップ・ガレル監督の『孤高』は、2002年5月よりシネ・アミューズにてレイトショー公開決定!

□作品紹介
http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=2784