『サイコ』のノーマン・ベイツ、『悪魔のいけにえ』のレザー・フェイスと狂気の一家、『羊たちの沈黙』のバッファロー・ビル…これらの作品の連続殺人鬼は、アメリカ・ウィスコンシン州で57年に逮捕された一人の実在の男をモデルに創られてきた。男の名はエド・ゲイン、自分の亡き母に似た女性二人を殺害し、その自宅には、墓場から持ちかえった死体を材料に作られた家具や人革製の服などが、所狭しと並べられていたという。
 上記の作品以外でも比較的現実の事件に近い『ディレンジド』など、様々なフィクションの題材とされてきたエド・ゲインものだが、事件の実像に迫る決定版ともいうべき作品『エド・ゲイン』が、今週末よりロードショー公開される。
 本作でエド・ゲインを演じているのは、『ヘルター・スケルター』で狂信的な殺人教祖チャールズ・マンソンを怪演していたスティーブン・レイルズバック。同じくシリアル・キラー役といえども、狂騒的なマンソンとは打って変わって、一見消極的な普通の中年男が母親の亡霊を産み出し、狂気へと向かっていく様を静に演じている。レイルズバックはこの演技により、昨年のシッチェス国際映画祭で最優秀男優賞を受賞したほか、作品自体も見事最優秀作品賞を受賞している。
 これまでのフィクショナルな作品とは一線を画す、実話故の本物の恐怖をたたえた『エド・ゲイン』は、9月22日よりシネマスクエアとうきゅうにてロードショー公開。

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□作品紹介
 http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=2039