2001年2月14日
日活株式会社

第51回ベルリン国際映画祭
熊井啓監督が特別功労賞受賞!!

 2月7日(水)より開催されている第51回ベルリン国際映画祭に正式招待されている
熊井啓監督作品『日本の黒い夏−冤罪−』(製作・配給:日活株式会社)が
この2月15日(米)19:00(現地時間)、ツォーパラストにおいてパノラマスペシャルと
して上映されるが、このたび熊井啓監督にベルリナーレ・カメラ(特別功労)賞が贈
られることが映画祭事務局より正式に発表された。授賞式は、15日の公式上映前に
行われる。映画祭事務局は、授賞理由についてディレクターのモーリッツ・デ・ハ
デルン氏は「熊井啓監督は、当映画祭との深い関わりを持ち、この『日本の黒い夏
−冤罪−』で正式出品は7作にもなる。このたび私は22年間のディレクター生活から
引退するが、私の在任中私を支えてくれ、映画祭を盛り上げる数々の名作を出品し
て下さったことに対して功労と感謝の念をこめてこの賞を贈ります」としている。
受賞が決った熊井啓監督は、「この映画祭に出品した映画は、1970年以降7本目に
なります。今回、『日本の黒い夏−冤罪−』が評価されて賞に結びついたことが、
特にうれしいです。今まで、ハデルンさんをはじめ、このベルリン国際映画祭に今
まで支えてきていただいたことを感謝しています。そういう意味で今度の受賞は私
にとってとても重いです。この賞は日本の若い監督たちの励みにもなると思います。
頂いた賞に恥じないように今後の映画作りにも精一杯取り組みたいと思います」と
語った。
 ベルリナーレ・カメラ(特別功労)賞は、日本人監督としては、昨年の市川崑監督
に続き2人目。この賞は、1986年に設立。コンペティション部門以外の作品を対象
に功績ある個人に贈られる。これまでシドニー・ポラック監督(86)、フランシス・
フォード・コッポラ監督(91)、ジョディー・フォスター(96)が受賞。
 熊井啓監督作品『日本の黒い夏−冤罪−』は、実際に起きた「松本サリン事件」
を題材に、人間の心奥に潜む予断、そこから引き起こされる偏見、そして冤罪へと
繋がっていく事件構造と当時のマスコミ報道、警察捜査の在り方を鋭く問いながら
ダイナミックに迫っていくエンターテイメント大作だ。主演の地方テレビ局報道部
長に、今や日本映画界のトップ・スターの一人、中井貴一。嫌疑をかけられる一市
民に演技派として地歩を固めている寺尾聰。また細川直実、遠野凪子、石橋蓮司、
北村和夫ら本格派演技陣が集結している。
 先月27日には、、2月17日(土)からの長野県先行公開に先立ち松本市で特別試写
会が行われ、田中康夫県知事も涙を流しながら鑑賞、「過ちを繰り返さないよう、
事件を心に刻み付ける必要がある」と語った。3月24日(土)より、渋谷東急3ほかに
て全国ロードショーが予定されている。