イギリスから来た男/THE LIMEY
映画新世紀、伝説の名優テレンス・スタンプが今、甦る!
『イギリスから来た男/THE LIMEY』
1999年/アメリカ映画/1時間29分/ビスタサイズ/ドルヒーSRD
提供:パイオニアLDC/配給:ザナドゥー
<INTRODUCTION>
ダニエル・デイ・ルイス、ヒュー・グラントといった英国美青年俳優の元祖テレン
ス・スタンプを御存知ですか? 犯罪映画史上の傑作として名高いウィリアム・ワ
イラー監督の『コレクター』で、最もリアルなサイコ・キラーを演じ、一躍カウン
ター・カルチャーのヒーローとして銀幕に衝撃を与えたテレンス。“孤高の美学”
とも称される唯一無二の強烈な個性でユアン・マグレガー、ロバート・カーライル
等、イギリスの若手俳優の演技にも多大なる影響をもたらしたワン・アンド・オン
リーの男、テレンス。ケン・ローチ(『夜空に星のあるように』)、フェテリコ・
フェリー二(『世にも怪奇な物語』)、ピエル・パオロ・パゾリー二(『テオレマ』)
といったヨーロッパ・アート系作家の話題作から超メジャー娯楽作の『プリシラ』
『ウォール街』、『スターウォーズエピソード1/ファントム・メナス』までオー
ルラウンド・プレイヤーとして幅広い出演キャリアを誇る彼の一世一代の名演がス
クリーンのすみずみにまで光り輝く新たなる代表作が遂に登場しました。
・最愛の娘を失った父親が彼女の為にしてあげた事とは?
9年間の刑務所暮らしを終えて出所したウィルソン(テレンス・スタンプ)を待って
いたのは娘の事故死を伝えた1通の手紙。はるか彼方異国の地で悲劇に見舞われた
娘の最期がどんなものだったか確かめる為に父は今、ロサンゼルスの空港に降り
立った。豪邸で若い女を囲う音楽プロデューサー、テレビ映画の女優、黒人の麻薬
捜査官、スパニッシュ系の前科者…娘の交友関係を探っていく内に、次々とあらわ
れるいわくありげな人物達。事故の背景に巨大シンジケートによるヘロインの密売
がからんでいるとふんだウィルソンは、真犯人を追いつめていく。だが彼はまだ知
らなかった。父娘の苦い過去と犯人に意外な結びつきがあったことを。
・カンヌ映画祭パルムドール受賞監督ステイーヴン・ソダーバーグによる美しき
60年代へのオマージュ
ケン・ローチ監督の長篇デビュー作『夜空に星のあるように』をたくみにサンプリ
ングしながら展開するスリリングなミステリーロマンの本作でスウィンキング・ロ
ンドンのイコンとして登場した、テレンス・スタンプと対決するのはアメリカン・
ニューシネマの金字塔『イージーライダー』のピーター・フォンダ。英米2大陸を
代表するストリート・カルチャーのルーツ2人を取り囲む脇役陣もバリー・ニュー
マン(『バニシング・ポイント』)、ジョー・ダレッサンドロ(『ジュ・テーム・モ
ア・ノン・プリュ』)、レスリー=アン・ウォーレン(『チェーズ・ミー』)といっ
たあの時代の息吹きを濃厚に伝える芸達者たち。さらにザ・フー、ステッペン・ウ
ルフらによるロック・スタンダードが、今では“夢見る何処かの風景”になってし
まった懐かしの60年代へとあなたを誘います。
エリック・クラプトン、バム・グリアー、ジョン・カサベテスといった伝説たちが
若手クリエイターによってその魅力をリメイクされていく今、テレンススタンプの
大いなる復活は映画史に新しい1頁を刻むことでしょう。
<STORY>
9年間の刑務所暮らしを終えて出所したウィルソン(テレンス・スタンプ)を待って
いたのは悲しい知らせだった。娘の死を報じる新聞記事の入った封筒。差出人の住
所はロサンゼルス。そして今、空港に降りた彼の目に映るロスの風景は異国そのも
のであった。空港近くのモーテルで荷をほどき、手紙をくれた男エドゥアルド(ル
イス・ガスマン)を訪ねたウィルソン。「あそこの道は曲がりくねっていてしかも
夜ともなれば事故が起きるのは無理もない」。娘ジェニーの死を交通事故と信じる
エドゥアルドであったが、ウィルソンにはどうしても信じられなかった。正義感が
強く慎重だった彼女がそんな無茶をする訳がない。刑務所である朝新聞を読んでい
た時に突然感じた胸の痛み。彼には手紙がくる前からわかっていた。あの瞬間海の
向こうで娘は死んだ。彼女は何かを父親に伝えたかったのだ。
あの頃は南カリフォルニア全てが自分のものだった様な気がすると、テリー(ピー
ター・フォンダ)は水着姿の若い娘に語っていた。正確にいえば66年から68年にか
けてだ。なのに今ではヘロインの密売をするシンジケートに手を貸して手数料をか
せぐ身とは。酒と女と退屈なパーティーで気を紛らわす彼にイヤなニュースを運ん
できた男がいた。昔ながらの相棒エイヴリー(バリー・ニューマン)だ。変なイギリ
ス人があんたの周囲をかぎまわっている。シンジケートとのつながりは絶対にバレ
ないとエイブリーに言われた彼だがなぜかその男の存在は気にいらなかった。
ジェニーが親しくしていたその女イレイン(レスリー=アン・ウォーレン)はTV映画
の女優だった。ジェニーはあなたのことをよく話してくれたけど、まさか実際に生
きていたなんてと語るイレイン。彼女から娘のつきあっていたテリーが大物の音楽
プロデューサーであると聞かされたウィルソンはどんなことをしても彼に会わなけ
ればと思うのだった。
エドゥアルドとイレインの手を借りてウィルソンは、人里離れた海岸の別荘に逃げ
込んだテリーを追った。やがて夜になり、彼と直憤対決を迎えたウィルソン。「ジェ
ニーのことを教えてくれ」銃をふりかざすウィルソンにテリーが彼女の最期の晩に
ついて話しだした。彼の口から語られる驚くべき真実。ウィルソンはかつて娘と自
分との間に起きたある事件を重ねあわせていた。
<STAFF>
監督:ステイーウン・ソダーハーグ
プロデューサー:ジョン・ハーディ、スコット・レイマー
脚本:レン・ドッブス
音楽:クリフ・マルチネス
音楽アドバイザー:アマンダ・シェール・デメ
編集:サラ・ブラック
撮影:エド・ラックマン
プロダクション・デザイナー:ゲリー・フルトコフ
衣装:ルイーズ・フロクリー
キャスティング:テフラ・ゼイン
サントラCD:カルチュア・パプリッシャーズ
<CAST>
ウィルソン:テレンス・スタンプ
イレイン:レスリー=アン・ウォーレン
エド:ルイス・ガスマン
エイウリー:バリー・ニューマン
ジョン叔父:ジョー・ダレッサンドロ
ステイシー:ニッキー・カット
ウァレンタイン:ピーター・フォン