『女吸血鬼』
1959年/86min/新東宝/新東宝スコープ/モノクロ ※ニュープリント上映

<INTRODUCTION>
新東宝の裸路線の中で作られた作品。中川監督は、従来の吸血鬼もののイメージ
を裏切る妖艶なグラマー女優、三原葉子を吸血鬼に仕立て、その娘役、清純な池内
淳子との対比を際立たせて、作品にユーモアと色気を導入しながら怖さを演出。遊
びの精神に溢れた一本。

<STORY>
新聞記者大木民夫の婚約者、松村伊都子の母で、二十年前に失踪した美和子が、
昔の美しさのまま帰ってきた。そんな折、作者不明の美和子をモデルにした特選候
補の絵が盗まれ、松村家に届けられる。
二十年前、九州で夫の仕事についていた美和子は、画家の竹中にさらわれたのだ
った。天草四郎の遺児勝姫にあこがれていた竹中は、その血をひく美和子を岩山の
地下城に閉じ込め、若さを保たせていた。その手を逃れてきた美和子は、竹中に再
び連れ去られてしまう。
それを追い、多きと伊都子は九州に向かった。地下城を見つけ、忍び込んだもの
の、伊都子は竹中の手に捕らえられてしまう。乱闘の末、伊都子を奪い返す大木。
追いつめられた竹中は、美和子のろう人形に取りすがるように死んでいった。爆発
する地下城から、大木と伊都子は無事逃げ出した。

<STAFF>
脚本:中沢信、仲津勝義
撮影:平野好美
美術:黒沢治安

<CAST>
三原葉子
天知茂
池内淳子
和田桂之助