『ハーモニーベイの夜明け』
私は囚われの身だ。しかし、君は本当に自由なのか?
アカデミー賞2大スターが贈る魂のメッセージ。
『ハーモニーベイの夜明け/INSTINCT』
1999年/アメリカ映画/スパイグラス・エンタテインメント プレゼンツ
バーバラ・ボイルandマイケル・テイラー・プロダクション/124min/カラー
スコープサイズ/ドルビーSRD SDDS/日本語版字幕:柴田京子
提供:東宝東和
20004月15日より日比谷シャンテ・シネほか全国東宝洋画系にてロードショー!
<INTRODUCTION>
彼の名はイーサン・パウエル<人類学者>。精神異常とされる殺人容疑者。
なぜ、妻を捨て、娘を捨て、世間を捨て、密林の奥に消えたのか?
なぜ、失踪を遂げたのか?
なぜ、地位も名誉もある人物が殺人を犯したのか?
なぜ、高度の教育を受け、見識も高い人類学者が、精神異常となったのか?
はたして、本当に精神に異常をきたしているのか?
圧倒されるほどの、その存在感。その威厳はどこからくるのか?
どうして、口を閉ざしてしまったのか?
その沈黙には何が隠されているのか?
『クール・ランニング』『フェノミナン』『あなたが寝てる間に…』など、コメデ
ィからラブ・ロマンスまで新しい作品に取り組み続けている、現在のハリウッドに
おいて最も旬の監督の一人といえるジョン・タートルトーブ。その俊英が2大アカ
デミー賞スター、アンソニー・ホプキンスとキューバ・グッディング,Jrを迎え
て贈るのは、精神異常として重罪専門のハーモニーベイ刑務所に収監された殺人容
疑者(A・ホプキンス)の閉ざされた心の中に精神鑑定人(K・グッディング,J
r)が見出す真実と友情の物語である。『ハーモニーベイの夜明け』が生まれるヒ
ントとなったのは、ダニエル・クインの手による一人の人間とゴリラの会話でつづ
られる『イシュマエル』という哲学的な小説。映画かが不可能といえるこの小説を
『メッセージ・イン・ア・ボトル』『フェノミナン』の脚本家であり作家のジェラ
ルド・ディペーゴが、小説の精神を残しながら、まったく別のキャラクターと設定
を構築し脚本化した。そこには、単なるエンタテインメントに留まることなく「人
間は間違った方向に進んでしまったのではないか」という21世紀を目前にした我々
への20世紀最後のメッセージが込められている。その想いを画面に刻み込むのは
『リバー・ランズ・スルー・イット』でアカデミー賞に輝いた撮影監督フィリップ・
ルスロ。編集は『エアフォース・ワン』でアカデミー賞に輝いたリチャード・フラ
ンシス=ブルース。製作総指揮は『エアフォース・ワン』『シークレット・サービ
ス』『Uボート』の監督ヴォルフガング・ペターゼンと一流スタッフが結集した。
また共演陣もパウエルの娘リンに『恋は嵐のように』のモーラ・ティアニー、コー
ルダーの恩師に『普通の人々』のドナルド・サザーランド、看守長には『ビバリー・
ヒルズ・コップ』のジョン・アシュトン、刑務所長にTVヒット・シリーズ『ER』
のジョン・アイルワードといった演技派が集結し2大アカデミー賞スターの脇を固
めている。
<STORY>
“罪人”の心は、夜明けのように澄んでいた。
このハーモニーベイの外にいる誰よりも…。
ルワンダの密林の奥深くで、国立公園のレンジャー部隊の2人を惨殺したとされ、
アメリカへ強制送還されたマイアミ大学の元教授、イーサン・パウエル(アンソニ
ー・ホプキンス)。彼は高名な人類学者であり霊長類学者で1944年に研究のため東
アフリカを訪れたまま行方不明になっていた。心を閉ざし、沈黙を押し通す彼をま
わりは精神異常とみなし、全米最悪の重罪犯刑務所<ハーモニーベイ>に投獄し、
さらにその中の精神異常者用の施設に隔離した。密林で失踪した空白の2年間にこ
の学者に何が起こったのか?高度の教育を受け、見識も高い人類学者の起こした、
この特異な事件に興味を持ったのが、マイアミ大学の若き精神科医テオ・コールダ
ー(キューバ・グッディング,Jr)であった。才能に恵まれ冷静沈着。仕事に関
してもかなりの野心家である彼は、学会そして世間が注目するこの事件においてパ
ウエルの<精神鑑定人>となることは出世の糸口であり成功への近道と確信し、恩
師のベン・ヒラード(ドナルド・サザーランド)に精神鑑定人としてこの事件を担
当することを自ら願い出た。コールダーの将来は30日という鑑定期間に全てがか
かっていた。コールダーは、ハーモニーベイ刑務所の取調室で、支配欲の塊のよう
な看守長のダックス(ジョン・アシュトン)や無気力な刑務所の精神科医マレー
(ジョージ・ズンザ)らに囲まれてパウエルの鑑定を開始する。鎮静剤を打たれ、
拘束されたパウエルは、自分の殻に閉じこもり、何も話そうとしないばかりか、狂
暴な振る舞いによってコールダーの命まで脅かそうとする。コールダーは自分の太
刀打ちできる相手ではないと感じ、よりパウエルを理解するために彼の娘リン(モ
ーラ・ティアニー)に助けを求める。しかし、リンはコールダーの出世の手段とし
て父を見世物にされるを拒み協力を渋る。父が失踪したことで父に捨てられたと心
に傷を負っていたのだった。しかし、度重なるコールダーの説得によって仕事しか
なかった父ではあったが、それでも元の父に戻って欲しいという思いに変わってい
く。リンの協力を経て、次第にパウエルと意思の疎通ができるようになるコールダ
ー。「お前たちは奪う者だ…」「お前は自由なのか…」パウエルはコールダーに問
いかけた。コールダーはパウエルという人間を理解しようとする作業を続けていく
うちに、パウエルの魅力とその話の虜となっていく。また、パウエルもコールダー
の中に野心家で常に上を目指していたかつての自分の姿を見出し自分の思いをこの
男ならば、継いでくれるかもしれないと東アフリカで出会ったマウンテン・ゴリラ
達と共に暮らした日々とそこで起きた事件を語り始める。対立していた二人の心が
いつしか通い始め、精神鑑定人と殺人容疑者という立場がやがて、教え子と師の関
係へと転換され、信頼と友情が生まれていく。人間として自分の生き方への疑問、
社会とは?自由とは?コールダーは自分自身を見つめなおし、心が開放されていく
のを感じていた。そして、心が開放されていくのはコールダーだけではなかった。
次第に自分自身に目覚めていくコールダーを見て、パウエル自身の心も変化を見せ
始めていた。頑なに拒んでいたリンとの面会を果たし、親子は心の壁を乗り越え失
われていた関係を取り戻しつつあった。また囚人が受けている人間らしさのかけら
もない扱いに慣れきってしまい、あきらめていた精神科医のマレーも囚人の人生を
変えられるかもしれないと気づき始めていた。そして、看守長ダックスの虐待に支
配され怯えるだけだった囚人たちも変わり始めていた。しかし…。
<STAFF>
監督:ジョン・タートルトープ
ストーリー及び脚本:ジェラルド・ディペーゴ
原案・小説『イシュマル』:ダニエル・クイン
製作:マイカエル・テイラー、バーバラ・ボイル
製作総指揮:ウォルフガング・ペーターゼン、ゲイル・カッツ
撮影監督:フィリップ・ルスロ,A.F.C.
美術:ギャレス・ストーバー
編集:リチャード・フランシス=ブルース,A.C.E.
製作補:リチャード・ラナー、ブライアン・ダブルディ
クリスティーナ・スタインバーグ
スペシャル・キャラクター・エフェクト:スタン・ウィンストン
音楽:ダニー・エルフマン
衣裳:ジル・オハンネン
<CAST>
イーサン・パウエル:アンソニー・ホプキンス
テオ・コールダー:キューバ・グッティング,Jr.
ベン・ヒラード:ドナルド・サザーランド
Dr.ジョン・マレー:ジョージ・ズンザ
看守ダックス:ジョン・アシュトン
キーファ刑務所長:ジョン・アイルワード
囚人ピート:トーマス・Q・モリス
囚人ニコ:ドグ・スピヌザ
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