出会うはずのなかった二人が運命によってランダム(偶然)に結びついた時、
哀しみと、謎めいた真実に彩られたミステリーの幕が上がる…。

『ランダムハーツ』
1999年アメリカ映画/2時間12分/コロンビア映画作品
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント配給/SDDS・SRD・ドルビーSR
字幕翻訳:戸田奈美子

・2000年お正月より東宝洋画系にて公開中

<INTRODUCTION>
アクション・ヒーローからロマンティック・リードまで、幅広い役柄に近年ますま
す円熟味を増した演技を見せているハリソン・フォード。その待望の主演最新作は
最愛の妻の不慮の死によって浮かび上がった謎めいた真実を追う男を描く、サスペ
ンス・ラブストーリーです。

ワシントンD.C.警察の内務調査室巡査部長ダッチは飛行機事故で愛する妻を突然失
い、深い悲しみの底に落される。だが事故の後、それまで彼がまったく知らなかっ
た妻の別の一面を示す事実が次々に明らかになる。彼女は機内で隣の座席同士だっ
た男性、チャンドラーの妻を名乗って搭乗していたのだ。さらにふたりの遺品から
同じ部屋の鍵が発見される。チャンドラーとは何者なのか? 妻との関係は? 湧き
あがる疑念に突き動かされ調査を始めるダッチ。やがて彼はチャンドラーの未亡人
ケイに接触。再選を目指して選挙運動中の下院議員であるケイは、初め、真相究明
に消極的な姿勢をみせるが…。それまで何の接点もなかったふたりの男女、愛し信
じていた妻と夫を失った者同士の出会い運命がランダム(偶然)に結びつけたかに見
えるこの出会いは、ふたつの魂をどこへ導こうというのか?

アカデミー作品賞、監督賞など7部門受賞に輝いた『愛と哀しみの果て』や、ヒッ
ト作『ザ・ファーム/法律事務所』など数々の名作を手がけてきたシドニー・ポ
ラック監督。その監督作・プロデュース作はのべ46度のオスカー・ノミネーション
を数えるという、まさにアメリカ映画のもっとも良質のエンターテインメントの一
翼を担ってきた彼が、ハリソン・フォード主演で長らく映画化のチャンスを狙って
いた念願のプロジェクトが本作です。ロマンティックなラブストーリーやサスペン
スフルなストーリー・テリングに職人的な上手さをみせてきたポラックですが、ベ
ストセラー作家ウォーレン・アドラーの原作によって、その真価をあますところな
く発揮する最高の機会を得たと言えます。
フォードにとってはポラックのプロデュース作『推定無罪』、監督作『サブリナ』
に次いで、これが彼との三度目のコラボレーションとなります。『サブリナ』のロ
マンティックな役柄ではゴールデン・グローブ賞ノミネーションをフォードにもた
らしたポラックが、今度はドラマティックなラブ&サスベンスでどう彼を料理して
みせるかも見どころになります。
フォードの相手役を務めるのは『イングリッシュ・ペイシェント』でアカデミー主
演女優賞にノミネートされた演技派クリスティン・スコット・卜一マス。真実を追
い求めるダッチとは反対に下院議員としてのキャリアを優先させようとするケイ・
チャンドラー役で、陰影に富んだ演技を見せてくれます。『イングリッシュ・ペイ
シェント』でアカデミー賞を受賞した衣装デザイナー、アン・ロスが再びスコット
卜ーマスのためにデザインした衣装も話題のひとつです。共演は『エイリアン3』
『輝きの大地』の黒人スター、チャールズ・S・ダットン、『パーフェクト・カッ
プル』『エアフォース・ワン』の名バイ・プレイヤー、ポール・ギルフォイル、
『メジャー・リーグ』シリーズの人気者デニス・ヘイズバート、『ジュマンジ』
『ザ・エージェント』の実カ派ボニー・ハント、『アメリカの災難』『メリーに
首ったけ』のリチャード・ジェンキンズ。また監督のポラック自身も、ケイ・チャ
ンドラーのメディア・コンサルタントのカール・ブローマン役で出演しています。

ラスター社長で『すみれは、ブルー』『ホワイト・ファング』などを手がけてきた
メアリーケイ・パウエルとともに製作も兼ねたポラックのもと、スタッフには経験
豊富な擾れた人材が集まりました。撮影は『リバー・ランズ・スルー・イット』で
アカデミー賞を受賞したフィリップ・ルースロ。自然光を巧みに活かした映像作り
に定評があるルースロだが、ロケ撮影の多い本作でも美しい情景を捉えてみせる。
美術は『バットマンフォーエヴァー』や『バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆
襲』を手がけたバーバラ・リング。編集は『トッツィー』『愛と哀しみの果て』『
恋のゆくえ/ファビュラス・ベイカー・ボーイズ』で三度アカデミー賞にノミネー
トされ、ポラック監督の信頼も厚いウィリアム・ステインカンプ。衣装デザインは
ポラック監督の兄弟で『リバー・ランズ・スルー・イット』『デビル』のバーニー
ボラック。音楽は『ミラグロ/奇跡の地』でアカデミー作曲賞を受賞し、ポラック
作品も『ザ・ファーム/法律事務所』など数本を担当しているデイヴ・グルーシン。
脚本は『シンデレラ・リバティ/かぎりなき愛』でゴールデン・グローブ賞脚本賞
にノミネートされたダリル・ポニックサンと、『愛と哀しみの果て』でアカデミー
賞、イギリス・アカデミー賞、ゴールデン・グローブ賞の脚本賞を受賞したカート・
ルーデソク。
そして、アカデミー作品賞を受賞した『普通の人々』『トッツィー』『サブリナ』
などのポラック作品を手がけてきたロナルド・L・シュワリーと、原作者のウォー
レン・アドラーが製作総指揮を務めます。

<STORY>
ワシントンD.C.警察の内務調査室に勤務する巡査部長ダッチ・ヴァン・デン・ブ
ロック(ハリソン・フォード)は、愛妻でファッション・コーディネーターのペイト
ンが出張旅行中に乗っていた旅客機がチェサピーク湾に墜落したというニュースに
ショックを受ける。生存者はゼロ。深い悲しみに暮れるダッチだが、それは謎めい
た真実への入り口にすぎなかった。
事故後、奇妙な事実が次々に明らかになっていく。ペイトンの勤務先を訪ねたダッ
チは、彼女の出張が嘘であったことを知る。さらに、乗客名簿から、ペイトンが“
ミセス・チャンドラー”を名乗っていたこと、さらに事故機内では“カレン・チャ
ンドラー”なる男性と隣合わせの席だったことが明らかに。そしてふたりの遺品か
らは同じ部屋のキーが発見された。ダッチは信じていた妻の思わぬ裏切りにショッ
クを受け、疑惑と怒りにさいなまされ始める。
チャンドラーとは何者か? ベイトンと彼の関係は? ダッチは真実を知る手がか
りを得ようと、チャンドラーの未亡人_再選を目指して選挙運動中のニュー・ハン
プシャー州選出の下院議員、ケイ・チャンドラー(クリスティン・スコット・トー
マス)を訪ねることにする。だが、彼女は真相の究明には消極的な態度をとる。ス
キャンダルを怖れているのか、或いはダッチのまだ知らない事実が隠されているの
か?
いくつかのヒントがダッチを、欲望にまみれたワシントンD.C.からマイアミのビー
チでのケイとのロマンスヘと導いていく。それは偶然が仲立ちした新たな愛の始ま
りか、それとも運命が仕組んだ罠の一部か……?

<STAFF>
監督: シドニー・ポラック
音楽: デイヴ・グルーシン
衣裳デザイン: バー二一・ボラック
編集: ウイリアム・ステインカンプ,A.C.E.
美術: バーバラ・リング
撮影: フィリップ・ルースロ,A.F.C.
製作総指揮: ロナルド・L・シュワリー/ウォーレン・アドラー
原作: 「ランダム・ハーツ」ウォーレン・アドラー(ハヤカワ文庫刊)
脚本: カート・ルーデック
製作: シドニー・ポラック/メアリーケイ・パウエル

<CAST>
ダッチ・ヴァン・デン・ブロック: ハリソン・フォード
ケイ・チャンドラー: クリスティン・スコット・卜一マス
アルシー: チャールズ・S・ダットン
ウェンディ・ジャッド: ボニー・ハント
ジョージ・ビューフォート刑事: デニス・ヘイズバート
カール・ブローマン: シドニー・ボラック
トゥルーマン・トレイナー: リチャード・ジェンキンズ
ディック・モントーヤ: ボール・ギルフォイル
ベイトン・ヴァン・デン・ブロック: スザンナ・トンプソン
カレン・チャンドラー: ピーター・コヨーテ
リチャード・ジャッド: ディラン・ベイカー
フィリーズ・ボナパート: リネ・シグベン
モリー・ロール: スーザン・フロイド
マービン: ビル・コッブス
ジェシカ・チャンドラー: ケイト・マラ
シャラ・マムフォード: アリーナ・卜一マス