昨年「東京ドキュメンタリー映画際2018」で大きな反響を呼び、準グランプリ受賞した映画『破天荒ボクサー』の劇場公開が決定した。2019年7月6日(土)より新宿K’s cinemaにて(ほか全国順次公開予定)。

大阪帝拳ジムに所属していた山口賢一は、将来を嘱望されたボクサーであった。デビューから11連勝を果たし、次は日本タイトルマッチかと期待が高まる中、明確な理由の無いまま、ついに試合が組まれる事は無かった。業をにやした山口は、JBC(日本ボクシングコミッション)に引退届けを提出、単身に闘いの場を国外に移す。海外の経験を積む事で、日本ボクシング界の現状に疑問を抱くようになった山口は、“いつか自分の経験を日本に持ち帰りたい”という思いを強くしていく。そんな折、OPBF(東洋太平洋ボクシング連盟)タイトルマッチのオファーが舞い込む。だが、突きつけられた条件は、「JBC復帰」であった。山口は、日本ボクシング界の変革と、自らの世界タイトルマッチ再挑戦のため、かつて袂を別ったジムとJBCへ話し合いに向かうのだが―-。近年、大相撲やラグビー、レスリング等々でも問題視されている「組織」と「個人」の関係性。オリンピックを来年に控えたいま、あらためて指導者と選手、団体の在り方を見つめ直し、改善する機会がきているのではないだろうか。ひとり声を上げ、独自のネットワークを作るために奮闘する山口の姿は、挑戦を恐れない事の大切さ、そして未来への可能性を感じさせるに違いない。監督は、『南京 引き裂かれた記憶』(09)、 『イナかのせんきょ』(15)、『わたしの居場所』(18)の武田倫和。

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