クエンティン・タランティーノの 9 作目の長編監督作となる最新作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』が5月14日に開幕する第72回カンヌ映画祭コンペティション部門に正式に出品されることが決定した。
4月18日に映画祭から発表されたラインナップには本作のタイトルがなく、ファンをヤキモキさせていたがようやく正式に追加で発表となった。タランティーノは1994年に『パルプ・フィクション』でパルム・ドールを受賞し2004年には同映画祭の審査員長を務めているが、コンペ部門出品は『イングロリアス・バスターズ』(2009)以来10年ぶりで三度目となる。25年ぶりに再びパルム・ドール受賞なるか大いに注目されるところだ。本作はタランティーノからハリウッドへのラブレターと言われているが、製作当初からカンヌ映画祭コンペティションを念頭に入れていたとのことで、今回のコンペへの出品はタランティーノからカンヌへのトリビュートといえる。

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』の舞台は1969年のロサンゼルス。ハリウッド黄金時代の最後の瞬間を、タランティーノ製作、脚本、監督で描いた本作は、タランティーノが、実際に自分が育った当時のハリウッド、そしていまや失われてしまったハリウッドを、郷愁とリスペクトを込め、5年の歳月を費やして脚本執筆したという。

本作の豪華キャストも大きな話題で、『ジャンゴ 繋がれざる者』 (2012)でタランティーノ監督作初出演となったレオナルド・ディカプリオと、『イングロリアス・バスターズ』(2009)で同監督作初主演を果たしたブラッド・ピットの 2大スターが初顔合わせを果たした。ディカプリオが演じるのは、ハリウッドで俳優として再び栄光を取り戻そうとしているちょっと落ち目のTV俳優リック・ダルトン、長年彼のスタントマンを務めているクリフ・ブースをブラッド・ピットが演じる。本作で二人がどんな新しい顔を魅せてくれるか期待がよせられている。また、当時新人女優として人気上り調子だったシャロン・テート役のマーゴット・ロビーが、今回のタランティーノ映画のミューズに選ばれた。

その他の共演陣も過去のタランティーノ作品以上に選りすぐりの顔ぶれがそろった。50 年以上のキャリアを誇るアカデミー賞俳優アル・パチーノ、『ヘイトフル・エイト』のブルース・ダーンらハリウッドの重鎮を筆頭に、『アイ・アム・サム』(2001)で天才子役の名をほしいままにした ダコタ・ファニング、『X-MEN』シリーズのジェームズ・マースデン、『レザボア・ドッグス』(1992)、『ヘイトフル・エイト』のティム・ロス、マイケル・マドセン、『デス・プルーフ in グラインドハウス』(2007)、『ヘイトフル・エイト』のカート・ラッセルなどタランティーノ作品ではおなじみの面々も顔を揃えている。ほかには『イントゥ・ザ・ワイルド』のエミール・ハーシュ、『ダイ・ハード 4.0』(2007)のティモシー・オリファント、『オーシャンズ8』(2018)のダミアン・ルイスなどの新旧実力派が脇を固めている。今年、急逝した「ビバリーヒルズ高校白書」のルーク・ペリーも本作に出演しており、映画作品としては遺作となっている。
カンヌ映画祭でのレオナルド・ディカプリオ、ブラッド・ピット、マーゴット・ロビーら豪華スターとタランティーノが歩くレッドカーペットは間違いなくカンヌ映画祭のビックイベントとなるだろう。

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8月30日(金) 全国ロードショー