4月21日、過去に東京都知事選や大阪市長選に立候補していたマック赤坂氏が東京都港区議選に初当選した。2013年公開の藤岡利充監督作品、映画「立候補」は、このマック氏の選挙戦を取り扱ったドキュメンタリーである。泡沫(ほうまつ)候補と呼ばれた立候補者が遂に当選するという時代の状況を鑑みて、5月11日から2週間限定で、ポレポレ東中野での再上映が決定した。

本作は、監督自身の映画監督にかける夢とリンクした「夢追い人」という企画からスタートしたもので、諦めない人のモデルとして、マック赤坂ら、「泡沫候補」と呼ばれる人々に密着した作品である。「立候補」というと社会的なテーマを連想するが、「夢を追う人」という普遍的なテーマであること、マック赤坂氏のイメージとは結びつかない感動が話題を呼び、エンターテインメント性の高さから、徐々に高評価が集まり、7ヶ月にわたる異例のロングラン記録。第68回毎日映画コンクールドキュメンタリー映画賞、ドイツNIPPON CONNECTION観客賞なども受賞した。この度、マック氏が当選した際も「2ちゃんねる」(現・5ちゃんねる)創設者の西村博之氏のtwitterでは『マジか、、すげぇ。 泡沫候補ドキュメンタリー映画「立候補」のメインで出てるマック赤坂さんが当選する日が来るとは、、、 又吉イエスさんは早すぎたのか、』と呟かれるなど、公開から6年を経てなお、その衝撃は続いている。「夢を追う人」であった立候補者は、SNS全盛期となった現代の選挙戦で、当選という「現実を追う人」へと変わった。

●映画『立候補』あらすじ
2011年11月。橋下徹が仕掛けた40年ぶりの大阪府知事市長W選挙。大阪は橋下維新か?反橋下か?まっ二つに割れ、沸いていた。そこに現れた、場違いな4人の泡沫候補たち。スマイル党総裁「マック赤坂」、二度目の府知事選「高橋先生」、7歳の娘をもつ61歳「中村パパ」、初選挙の「岸田さん」。なぜ、彼らは300万円の供託金を支払ってまでして、敗北必至の選挙に立候補するのか?伝説の政見放送「外山恒一」、泡沫の最高峰「羽柴秀吉」も外野参戦。この映画は、歴史に残ることのない、存在を消し去られた敗者の記録である。

●監督メッセージ
マックさんは自由気ままに様々な表情を見せます。コインの裏表のように、好きになる顔も、嫌いになる顔も持っています。どこまでも自分の感情を信じ、素直に行動する姿に、私は魅かれ記録しました。スマイルという鎧をとった瞬間のマック赤坂の魅力を感じて下さい。

◎タイトルについて
この映画の正式タイトルは”映画「立候補」”となります。これは公職選挙法において禁止されている事前選挙運動だと指摘されないようにするためです。今後、劇中で立候補された方々が、選挙に立候補される場合に妨げにならない為の配慮です。

出演:マック赤坂・羽柴秀吉・外山恒一・高橋正明・中村勝・岸田修・櫻井武ほか
監督 藤岡利充/製作・撮影 木野内哲也  (C)2013 word&sentence/2013/日本/DV/100m/ステレオ