GEZAN初のドキュメンタリー映画『Tribe Called Discord:Documentary of GEZAN』が完成し、6月21日(金)より劇場公開される事が決定いたしましたが、この度、今、注目のライター磯部涼氏の映画評が到着いたしました。

「今日、横にいるひととか、後ろにいるひととかのことを知らないかもしれないけど、同じ空間で音楽の下にいるっていうのは、いろんな政治家がやろうとしても出来なかったことで、音楽が持ってる力だと思ってて……これがオレらの政治なんで。どういう方法でもいいんで反応して下さい。あなたの声を聞かせて下さい。GEZAN」 文字として書き出すとあまりにもナイーヴに感じられるかもしれないが、映画の終盤、GEZANが主催するインディペンデント・フェスティヴァル<全感覚祭>のステージでマヒトゥ・ザ・ピーポーが口にする以上の言葉が、観客に実感を伴って刺さってくるのは、その時点までに、私たちが彼らとアメリカ・ツアーを共にし、アンダーグラウンド・パンク・シーンの可能性と限界を見ているからだ。 「オレは正義の反対はもう1個の正義だと思っているから、主義を持たないようにしていたけど、それがある意味、ボンボンの発想っていうかさ、余裕がある中での思想だったかってことを突き付けられた」という葛藤に巻き込まれているからだ。そして、それでも先の言葉に続いて、他でもない音楽が鳴らされるからだ。 「自分は何が出来るんだろうってシンプルに混乱してる」。あるいは、マヒトゥ・ザ・ピーポーは映画の中で言っている。音楽が包摂とまた違った可能性を持っているとしたら、「シンプルに混乱してる」ーーそういった状態を切実に表現出来るということだろう。その意味で、これは非常に音楽的な映画である。
(磯部涼)

磯部涼プロフィール

ライター。近著は『ルポ 川崎』。その他の単行本に『音楽が終わって、人生が始まる』、編著『踊ってはいけない国、日本』、大和田俊之、吉田雅史との共著『ラップは何を映しているのか』などがある。

磯部涼氏の映画評も掲載されているマヒトゥ・ザ・ピーポーデザインの映画チラシは近日上映劇場にて配布開始!
さらに!ステッカー付き特別鑑賞券1,400円の発売が決定!

ステッカー付き特別鑑賞券1,400円(税込) 販売情報 ・現在発表済みの上映劇場窓口 <ディスクユニオン> ・新宿 BF 日本のロック・インディーズ館 ・お茶の水駅前店 ・下北沢店 ・吉祥寺店 ・渋谷中古センター ・池袋店 ・大阪店 ディスクユニオンオンラインはこちら https://diskunion.net/jp/ct/detail/6005000553

出会ってしまった意味を知りたい アメリカツアーで直面した圧倒的な現実。僕らは葛藤という名の部族。

アンダーグラウンドシーンを牽引する若手バンドの代表格“GEZAN”初のドキュメンタリー映画 2009年の結成以来、精力的な活動を続け、野外フェス<全感覚祭>やレーベル<十三月>を主催し、現在の日本のアンダーグラウンドシーンを牽引するロックバンド“GEZAN”。少し音楽に対して敏感な人であれば、彼らの楽曲が次第に幅広い層に受け入れられ始めていることはもちろん、特にボーカルのマヒトゥ・ザ・ピーポーの歌詞の世界観と発言が、ある種のカリスマ性を持ち始めている事は現在進行形の事実として受け止めているだろう。また、それだけでなく彼らの活動は、まだ表舞台に出て来ていない新しい才能や、埋もれている才能を出会わせるネットワークとして日本だけでなく、世界へと広がっており、その存在は様々なものを巻き込んで大きな渦を作り始めている。そんな、バンドとして最も勢いを持って推進している“今”をギリギリの距離まで近づき記録したバンドとして初のドキュメンタリー映画であり、感情の疾走を記録したロードムービーが完成した。

差別と葛藤。

ツアー先で彼らが見たものは、マヒトゥ・ザ・ピーポーの感情を揺さぶり続け、 そうして生まれたメッセージは音と重なり、GEZANを突き動かしていった。 自分たちなりのクラウドファンディング<BODY VUILDING project>で資金を集め、アメリカツアーとスティーブ・アルビニによるアルバムのレコーディングを敢行したGEZAN。彼らの盟友である映像作家“でるお”こと神谷亮佑はそこに帯同する。アメリカの地ではどこへ行っても彼らは歓迎を受け、表向きにはパンク・アンダーグラウンドシーンの世界的な連帯を感じさせた。しかし、そこには先祖の時代から大きく横たわっている根深い人種差別、拭い去れない憎しみが存在する事を彼らは知ることになる。遠い彼の地で受けた感覚と感情の変化を背負い帰国した彼らだが、その情動は消えるはずも無く、彼らに覆い被さるのだった・・・。そんな中、アメリカでの映像の編集に向き会っていた“でるお”は極限の状態にまで追い詰められ失踪する。そして、彼らが主催するイベント<全感覚祭>の開催はもう目前に迫っていた・・・。

カンパニー松尾の助言で生まれた作品。

Webマガジン「幻冬舎plus」で連載中のマヒトゥ・ザ・ピーポーのエッセイに注目していたカンパニー松尾が、彼らと邂逅。アメリカツアーの映像があることを知り、編集してみることを強く薦めたことが本作品の発端。完成した映像に感銘を受けた松尾は、「この作品はより多くの人に観られるべき!」との想いで、キャノンボールシリーズで共闘したスペースシャワーTV高根プロデューサーに話を持ちかける。奇しくもスペースシャワーTVにて同タイミングで全感覚祭の撮影準備を進めていた経緯もあり、SPACE SHOWER FILMS配給の元、劇場公開が決定した。バンドのドキュメンタリーでありながら、アメリカの現実を見せ付けられた若者が葛藤し、自分たちなりの答えを探すというストーリーは現在に生きる老若男女全てに訴えかけるテーマでもあり、「アーティストのファンだけに向けたドキュメンタリーは作らない。」と常日頃から公言しているカンパニー松尾が入れ込んだ理由でもある。

GEZAN(ゲザン) <マヒトゥ・ザ・ピーポー(Vo/Gu)、イーグル・タカ(Gu)、カルロス尾崎(Ba)、石原ロスカル(Ds)>

2009年大阪にて結成のオルタナティブロックバンド。2012年、拠点を東京に移し全国各地で独自の視点をもとに活動を行う。野外フェスの<全感覚祭>や、国内外の多彩な才能をおくりだすレーベル<十三月>を主催。これまでに四枚のフルアルバムをリリース。またスプリットとしてLOSTAGEや踊ってばかりの国、テニスコーツなどクロスオーバーな動きを展開。2018年の八月にはOMSB率いるGHPDとのスプリットをリリース。十月、スティーブアルビニをプロデュースに迎えて制作された4枚目のフルアルバムをリリース。2019年、現在進行形で精力的に活動中。

<劇場公開に向けたマヒトゥ・ザ・ピーポーのコメント>

人はどうして旅にでるのか? 出会いは時に、心地よかった生活を揺さぶる。 輪郭を手にした悲しみや怒りはイデオロギーという枠組みを超えて直接、肉体を打つ。 それでも今日も扉を開け、裸足で飛び出していく。 さよならの数に追いつかれないように、今日もはじめましてとまた会えたねを積み上げる。 一つ一つ丁寧に生きることしかできないんだ。 そうやって旅を続けていく。 問いかけと答えでカバンにいっぱいにしながら。

―マヒトゥ・ザ・ピーポー

監督・撮影・編集:神谷亮佑(かんだに りょうすけ)
1988年生まれ。京都府出身。主にライブ映像や、MVを手がける。 GEZANのドラム脱退〜復活を追った映像作品『star(†)』などがある。

<劇場公開に向けた神谷亮佑監督のコメント>

GEZANと出会って8年。一筋縄でいかない彼らの色んな挑戦を見てきた。 2018年春。彼らは300万円自力で集めアメリカに行くという、そんな無謀な挑戦に巻き込まれた。 英語のスキルは小学生レベル。そんな僕らがボディランゲージで異文化とぶつかり、音楽を通じてコミュニケーションしていく中で様々な種類の優しさや葛藤、たくさんの喜怒哀楽の表情に出逢っていった。 僕は、あの、かけがえのない時間の中でただRECボタンを押し続けた。 すべてが必然だったのかも知れない。 このロードムービーが新しい世界を生きようとするあなたにとって、そうであることを願います。

―神谷亮佑

『Tribe Called Discord:Documentary of GEZAN』
製作:十三月|プロデューサー:カンパニー松尾
監督・撮影・主演:神谷亮佑|音楽:マヒトゥ・ザ・ピーポー
主演:GEZAN<マヒトゥ・ザ・ピーポー、イーグル・タカ、カルロス尾崎、
石原ロスカル>、神谷亮佑
出演:青葉市子、テニスコーツ、原田郁子、THE NOVEMBERS 、行松陽介、UC EAST、imai、踊ってばかりの国、
HIMO、呂布カルマ、やっほー 他
デザイン:マヒトゥ・ザ・ピーポー|cover photo:池野詩織|題字:STANG
2019 年|日本|カラー|ビスタ|88 分|DCP|映倫審査前
配給・宣伝:SPACE SHOWER FILMS|©2019 十三月 / SPACE SHOWER FILMS
公式 HP:gezan-film.com|公式 twitter:@gezan-film|公式 facebook:@gezan.film

<公開決定劇場>
6/21(金)~ 7/4(木)|東京・シネマート新宿
6/28(金)~7/11(木)|大阪・シネマート心斎橋
7/5(金)~7/18(木)|東京・渋谷 HUMAX シネマ
7/13(土)~|愛知・名古屋シネマテーク
7/19(金)~8/1(木)|UPLINK 吉祥寺
7/27(土)~8/9(金)|京都・出町座
8/8(木)~8/21(水)|広島・横川シネマ
以降全国順次公開