この度、映画『ナイトクルージング』を2019年3月30日(土)より、アップリンク渋谷ほか全国順次公開致します。
本作は、生まれながら目の見えない加藤秀幸さんが、各分野のプロフェッショナルの協力を得て、
SFアクション映画を完成させるまでの過程を追ったドキュメンタリーです。

公開まで2週間をきり、いち早く本作をご覧になった各界の著名人より、絶賛コメント第二弾が到着しました!
音楽家の菊地成孔さんは「最初から最後まで驚愕の連続」と、
また、脳梗塞により左眼の視力を失い「片目のおじき」の異名を持つラッパーのダースレイダーさんは、
自身の経験から「生々しい視座の交代を感じられる素晴らしい作品」と絶賛。
ろう者であり写真家の齋藤陽道さん、漫画家のしりあがり寿さん、ドラァグクイーンのヴィヴィアン佐藤さん、
作家の狗飼恭子さん、映画監督の村上賢司さんからも熱いコメントが届きました。

▼ コメントページ ▼
https://nightcruising.net/ja/comments/

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◆ 映画『ナイトクルージング』コメント第二弾 ◆
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最初から最後まで驚愕の連続。単なる障害者逆差別映画でも、視聴覚の実験映画でもない。
極端なまでのリアルがむせ返るほどのリアリティーショー。
——菊地成孔(音楽家/文筆家/映画批評)

視座の交代。
これからの世界をどう体験していくのかが、僕たちには大事だ。
僕は現在、左目が見えないけれど一時期は両目が見えなかった。
結局は手術で右目視力は回復したのだが、3週間だけ両目の視力がない世界を体験出来た。
その時、いかに僕らの住む「社会」が視力情報に占められているのかが分かった。
近所のコンビニまでなら道を覚えてるだろうと家から出た瞬間に恐怖を感じた。
車の走行音があまりに大きく、そこから一歩も動けなかった。
『ナイトクルージング』でも加藤さんが車道ギリギリを歩くシーンが登場する。
僕はこの感覚を知ってるぞ!と思った。
ところが加藤さんと話すと違っていたのだ。「先天的な場合と後天的な場合で全然違うと思います。」
そうなのだ。世界はさらに幅広く、そしてある意味で「豊か」だ。
『ナイトクルージング』ではそんな世界の広がりを加藤さんが、そして加藤さんを手伝う様々な人たちが教えてくれる。
教えてくれようとしてくれる。ズレがあるかもしれない。勘違いがあるかもしれない。
その分だけ、様々な視座が重なり合い、世界は豊かになっていく。
そんな生々しい視座の交代を感じられる素晴らしい作品です!
——ダースレイダー(ラッパー)

盲目の人たちが生きているのは闇の世界ではない。
光はないかもしれないけど、そこは情報にあふれた豊かな世界なのだ。
僕たちが知っているのとは全く違った世界、今回のような映画つくりを通して、
そんな別の世界が出会い刺激しあったら何を生み出してゆくだろう?
楽しみでしょうがない!
——しりあがり寿(漫画家)

これは希望を与えてくれる映画だ。とはいえ、万人にではない。
なにかしら「自分には絶対にわからないから無理だ」と思っているものを抱えている者にとって、ダイレクトに刺さることだろう。
——齋藤陽道(写真家)

うまれてはじめて目をつむって映画を観た。どきどきして、不安でもどかしくて、すぐに薄目を開けてしまった。
視界を閉じて、想像して、息継ぎみたいに目を開けて、またつむって。暗闇を泳いでいるみたいだ、と思った。
映画というのは、観るほうも作るほうも、こんなに自由でいいのだと知りました。
——狗飼恭子(作家/脚本家)

無理難題に取り組む知性たちによる「チャレンジの連打」は多方面にインスピレーションを与えるだろう。
そして最終的に完成した作品については言及は避けるが、誰もが衝撃を受けるはず。
障がい者が主役なのに涙ゼロ、怒りゼロ、オモロイだけ。これは新たなステージの作品!
——村上賢司(映画監督/テレビディレクター)

佐々木誠監督『ナイトクルージング』がいよいよ完成した。
全盲者にとってナイト(夜中)やデイ(日中)は存在するのであろうか。
厳密には存在するかもしれないが、健常者が全盲の闇を旅することとはどんな意味を持つのか。この映画は問いかける。表向きは。
しかし、佐々木監督は常にそのときの題材を通して、映像の本質を解剖してきた。
今回も映像の正体とは果たして何であるのか。イメージと実在、虚像と映像との関係性をとことん突き詰める。
これは全盲者が映画をどう捉えているかや、全盲者のための映画では決してなく、健常者と言われている我々にメスを入れる健常者のための視覚解剖映画である。
いままで誰にも見えなかった映像論である。
これは紛れもなく「デイクルージング」であった。
——ヴィヴィアン佐藤(ドラァグクイーン/美術家)

■ 映画『ナイトクルージング』作品情報 ■
見えない監督の映画に、あなたは何を“観る”か?
生まれながらの全盲者の映画制作を追うドキュメンタリー
視覚がなく、光すら感じたことのない全盲の加藤秀幸は、ある日映画を作ることを決める。
加藤は、映画制作におけるさまざまな過程を通して、顔や色の実体、2Dで表現することなど、視覚から見た世界を知っていく。
また、加藤と共に制作する見えるスタッフも、加藤を通して視覚のない世界を垣間見る。
見えない加藤と見えるスタッフ、それぞれが互いの頭の中にある“イメージ”を想像しながら、映画がつくられていく。
加藤の監督する短編映画は、近未来の宇宙の小惑星を舞台にした、
生まれながらに全盲の男と見える相棒が“ゴースト”と呼ばれる存在を追うSFアクション映画。
それはまるで、映画制作の現場で浮かび上がる、「見える/見えない世界」の間に漂う何かとも重なる。
ドキュメントとフィクション、二つの世界に漂う“ゴースト”を、捕らえることはできるのか。

映画監督・佐々木誠と、全盲のミュージシャン・加藤秀幸
僕らの青春は、ジャッキー・チェン。
でもなぜ全盲の彼と映画の楽しさを共有できるのだろう
監督は、本作品の前作である『インナーヴィジョン』、『マイノリティとセックスに関する、極私的恋愛映画』など
マジョリティとマイノリティの境界線に焦点を当てた作品を多く手がけてきた佐々木誠。
プロデューサーに、障害を“世界をオルタナティブに捉え直す視点”として、
『音で観るダンスのワークインプログレス』などのプロジェクトを企画してきた田中みゆき。
また、加藤が監督する映画には、『シン・ゴジラ』『バイオハザード』シリーズのプリビズやCGの制作チーム、
『ファイナルファンタジーXV』の開発チーム、国内外で活躍する美術家の金氏徹平、ミュージシャンのイトケンなど、
幅広い分野のクリエイターたちが協力している他、山寺宏一、石丸博也など豪華声優陣、
作家のロバート・ハリスもキャストとして参加。前代未聞の映画制作をめぐる冒険ドキュメンタリー。

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映画『ナイトクルージング』
監督:佐々木誠
プロデューサー:田中みゆき
出演:加藤秀幸
山寺宏一、能登麻美子、神奈延年、金氏徹平、ロバート・ハリス、小木戸利光、三宅陽一郎、しりあがり寿、イトケン、石丸博也 ほか
企画・製作・配給:一般社団法人being there、インビジブル実行委員会
配給協力・宣伝協力:アップリンク
(2018年/日本/144分/16:9/DCP)

エンディングテーマ 『めたもるセブン』けもの
(Sony Music Artists Inc. / TABOO)

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