『ジ・アリンズ / 愛すべき最高の家族』日本での公開にあたり、サミ・サイフ監督のインタビューと、GGアリンの兄 マール・アリンのコメントが到着!
2月23日(土)よりシアター・イメージフォーラムにてロードショー、シネマート心斎橋、名古屋シネマ―テークほかにて全国順次公開の映画『ジ・アリンズ / 愛すべき最高の家族』ですが、本作の日本公開にあたり、監督のサミ・サイフのインタビュー、またGGアリンの兄、マール・アリンのコメントが到着しました。
母と兄に、心から拍手を! 静かにあふれる感動がここに。
ライヴで大流血、汚物を撒き散らして客に襲いかかり、通報されて警察から全裸で逃走するなど狂気の大スペクタクルを展開して「ロック史上もっとも見事な変質者」と評される、全身でハードコアを体現したパンクロッカーGGアリン。そんな彼が93年にこの世を去って以降、世界中のファンが追悼で墓を訪れ汚物を撒いて帰っていく。本作はGGのバンド、THE MURDER JUNKIESのメンバーであった兄のマール・アリンがGGの遺志を受け継ぎ音楽活動や汚物アートに勤しむ様子と、どんなに狂っていても温かい眼差しで子供たちを支える母親アリータの、一家がたくましく強く生きる模様を描いた、まさかの感動のドキュメンタリー。
GGアリンという無類のキャラクターゆえに、過激な方向にスポットが当たりがちだが、<家族の物語>という主題をブレることなく、誠実かつ優しいトーンで描き、珠玉の記録映画が完成した。
海外の映画祭でも予想外の感動に絶賛評が相次いでいる。
《サミ・サイフ監督インタビュー》
サミ・サイフ監督の夢はAC/DCのドキュメンタリー!
Q:あなたの映画『ジ・アリンズ/愛すべき最高の家族』はとても感動的な映画でした。題材がGGアリンな
ので観る前はそのようにかまえていたのですが、鑑賞前と鑑賞後のギャップが凄いです。本作を作るきっか
けなどを教えて頂けますか?
A:私はデンマークの小さな田舎町出身です。子供の頃は音楽はヒップホップを聴いていて、またアメリカ
からのブレイクダンスものや、ユースカルチャーについてのテレビ番組などをVHSでよく見ていました。こ
れらのVHSの中の1本にGGアリンが登場し、こんなものは見たことがなく当時衝撃を受けました。そして大人になってからGGアリンにこんなに強く、賢く、美しい母親がいたという事実を知ったときは驚愕しました。まさに超現実的な感じです。その瞬間からすぐに映画を作りたい、作らなければならないと考えました。
この世のものとは思えない、狂ったパンクロッカーと、とても穏やかで信仰深い母親、このコンビネーションにすぐ心を奪われ、無視することはできなくなりました。母親のアリータに直接会った瞬間、私は夢中になりました。ですので、あなたの言う、鑑賞前と鑑賞後のギャップという感覚は私も同様に経験したのです。
そしていい映画というのは我々を驚かせてくれるものだと信じています。
Q:撮影前と後で、GGの家族やGGについて、あなた自身にとっての新しい発見はありましたか?
A:彼らがあんなに優しく素晴らしい人たちだったことに驚きました。またアリータが説明するような、GGがあんなにかわいい息子だったなんて誰が想像できるでしょうか?まあ、最も厳しくヤバい人は、同時に最もソフトな人でもある、ということでしょうか。
Q:アリータとマールは作品を観たのでしょうか?
A:編集が終わり、マールとはホテルの部屋でいっしょに観ました。映画のはじめはマールは静かでしたが、進むにつれて笑うようになり、エンディングでは鼻をすすって目をこすっていました。愛する弟が甦ったかのように思って感極まったのでしょう。このように試写は成功し、マールはアリータに電話して作品は素晴らしいと伝えてくれました。アリータは元々GGの破天荒な行いの一部が映画に挿入されることを知っていたので作品は観たくないと言っていましたが、マールの報告にはとても喜んでいました。でも彼女は今でも作品は観ていない。
Q:どんな映画が好きですか?また好きな音楽は何ですか?
A:私が好きなドキュメンタリー映画はクリス・スミス監督の『素晴らしき映画野郎たち』(1999)、ステファン・ヤール監督のモッズ三部作『Dom Kallar oss mods(人は私と合わないと言う)』(1968)、『EttAnständigt liv(上品な生活)』(1979)、『Det Sociala arvet(社会契約)』(1993)、ヤン・トロエル監督の『理想の国』(1988)などです。また音楽は基本的にはヘヴィ・メタルが好きです。MANOWARとか。
他にはボブ・ディランやキャメルも好きです。
Q:将来的にやってみたい夢のプロジェクトは何でしょうか?
A:何とかしていつかAC/DCのドキュメンタリー映画を作ってみたいです。バンドがもうツアーしなくなっ
た今、誰かがAC/DCの映画を作るべきだと思います。
Q:最後にメッセージをお願いします。
A:日本の皆さま、私はこの作品が日本で公開されることをとても光栄に思います。皆さんが楽しんでくれ
ることを願っております。
《マール・アリン コメント》
「監督のサミ・サイフと私はこのドキュメンタリー映画が可能なかぎり最高のものとなるよう共に頑張りました。結果についてはとても満足しているし、誇りに思います。監督は私たち、母親と自分の、弟GGアリンに対する想いをちゃんととらえてくれました。今まで観てくれた人々からは素晴らしい感想以外聞いたことはありません。ぜひご覧下さい。」
マール・アリン
監督:サミ・サイフ『メイキング・オブ・ドッグヴィル~告白~』(03) 『Tommy』(10)
出演:アリータ・ベアード、マール・アリン、GGアリン(アーカイヴ映像)、THE MURDER JUNKIES © Toolbox Film 2017
2017年|デンマーク映画|78分|カラー|英語|DCP|R15|原題:THE ALLINS
キングレコード提供|ビーズインターナショナル配給