2月22日公開「あなたはまだ帰ってこない」セザール賞8部門ノミネート&絶賛コメント到着
第44回セザール賞の主要8部門ノミネート!!
作家、文学者等からの絶賛コメントも到着!
マルグリット・デュラスの小説「苦悩」を映画化した『あなたはまだ帰ってこない』が、1月23日(水)に発表された第44回セザール賞(フランス)に、作品賞、監督賞、主演女優賞、脚色賞等の主要8部門にノミネートされました。また、作家や文学者、映画監督等の言葉に携わるプロフェッショナルからも絶賛のコメントが寄せられています。
フランス映画芸術技術アカデミーが主催するセザール賞は、フランスの米アカデミー賞と称され、フランス映画界では最も権威のある重要な賞。今回、「あなたはまだ帰ってこない」は、作品賞をはじめ、監督賞(エマニュエル・フィンケル)、主演女優賞(メラニー・ティエリー)、脚色賞、撮影賞、衣装賞、美術賞、音楽賞の主要8部門にノミネートされました。2010年にセザール賞有望若手女優賞を受賞したメラニーは、フランス文学界を代表するマルグリット・デュラスを演じた本作で、初の主演女優賞を受賞するか注目が集まっています。
本作の原作となる小説「苦悩」は、ナチス占領下のパリで、マルグリット・デュラスがレジスタンス活動のため捕虜となった夫の帰還を待ち続ける心情を日記につづった作品です。これまでに「二十四時間の情事」(1959)、「かくも長き不在」(1960)、そして「愛人/ラマン」(1992)等、デュラスの小説は数多く映画化されてきたが、映像化不可能と言われ続けた「苦悩」が映画化されたのは今回が初めてとなります。ジャン=リュック・ゴダールやクシシュトフ・キシェロフスキ等の助監督を務めたエマニュエル・フィンケル監督は、光と影、言葉と沈黙、街の雑踏と音楽を織りなし、本作を完成させました。
日本公開を先駆け本作をいち早く鑑賞した堀江敏幸や金原ひとみ、小野正嗣等の言葉に携わるプロフェッショナル達から、絶賛のコメントが寄せられました。
<コメント一覧>
◆堀江敏幸(作家)
デュラスの小説では、人ではなく言葉が口を閉ざす。この映画にあふれているのも、口を閉ざした言葉たちだ。
◆金原ひとみ(作家)
完全なる乖離、完全なる観察者、見つめるその視線だけが彼女の生。
こんなにも無垢で壮絶な生き方があるだろうか。
◆小野正嗣(作家)
愛する者の帰還を信じ、待つこと——
しかし、それは決して受動的な行為ではない。
希望、疑念、怒り、そして言葉にされえない苦悩と優しさで、画面が静かに震えている。
◆村上香住子(エッセイスト)
生きて、愛して、苦悩する。不安の中で愛するひとを待ち、
愛の芽生えに流される女心。揺れる大人の愛の珠玉作。
◆鹿島茂(フランス文学者・作家)
「待つことの不安」というデュラスの本質の見事な映像化!
◆行定勲(映画監督)
愛する人の長き不在に苦悩するマルグリット・デュラスを通し、最前線ではない戦場に生きる人間の苦しさと切実さが生々しく描かれている。狂おしく張り詰めたデュラスの感情は、女性の本質を露わにし美しくも愚かである。
第44回セザール賞は、2月22日(現地時間)にて発表となります。
監督・脚本: エマニュエル・フィンケル
出演: メラニー・ティエリー『ザ・ダンサー』『海の上のピアニスト』、ブノワ・マジメル『ピアニスト』、バンジャマン・ビオレ『パーソナル・ショッパー』
グレゴワール・ルプランス=ランゲ『キリマンジャロの雪』、エマニュエル・ブルデュー
原作:マルグリット・デュラス「苦悩」 原題:La Douleur 2017年/フランス・ベルギー・スイス/フランス語/126分/ビスタ 配給:ハーク
公式ホームページ: hark3.com/anatawamada/