2011年7月22日、ノルウェー連続テロ事件。ウトヤ島での無差別銃乱射事件の発生から終息に至るまでの72分間をワンカットで撮影した『ウトヤ島、7月22日』が、2019年3月8日(金)より全国公開いたします。監督は『ヒトラーに屈しなかった国王』で、アカデミー賞外国語映画賞ノルウェー代表作品に選出されたエリック・ポッペ。本作は2018年度、第68回ベルリン国際映画祭エキュメニカル審査員賞スペシャルメンション、第31回ヨーロッパ映画賞撮影監督賞を受賞しております。本作のメインビジュアルと本予告を解禁する運びとなりました。

【メインビジュアル】
この度、解禁されたメインビジュアルは、ティザーでは半分隠されていた主人公のカヤの顔がすべて見えるデザインとなっている。彼女の寂し気で儚く、かつ強さも感じる表情からは、事件に対する無念さと怒りが伝わってくる。
さらに日本版ビジュアルでは、このテロ事件で命を奪われた、その他の登場人物たちの顔も羅列されている。
「犠牲となったのは、未来を夢見た77人の若者たち。」というキャッチコピーとともに、たった一人に次々と銃殺された事件の恐ろしさと悲しみが伝わるビジュアルになっている。

【本予告】
ウトヤ島で実際に起きた銃乱射事件の発生から収束までのリアルタイム72分間をワンカットで撮影。森の中で寝そべって身を潜めたり、キャンプ場のテントの脇を這いつくばって逃げる場面など、悲惨な事件の様子が伝わるシーンの一部が断片的に映し出されていく。77人もの尊い命が犠牲となったテロ事件。銃弾が飛び交い、次々と仲間たちが殺されていく中、必死に逃げ惑うカヤ。見失った妹のエミリアを探すが、見つからない模様。
絶望に打ちひしがれる中、カヤが口ずさむ歌は、シンディ・ローパーの名曲「True Colors(トゥルー・カラーズ」。
<私には本当の色(本当の自分)が見える> 人にはそれぞれ、色(個性)がある。個人個人を愛すること。自分らしさを尊重すること。この曲の歌詞は、主人公カヤ自身の未来を夢見た気持ちであり、未来を奪われてしまった事件の犠牲者たちへの哀悼の思いが込められている。
「一瞬にして、未来は奪われた。」
予告編のラストは、メインビジュアルにもなっている主人公カヤのカメラ目線の表情。
観客は、彼女の目線で(彼女と同じ気持ちになって)、テロ事件を体感し、考えさせられることになるだろう。
そして、この悲劇を決して忘れてはいけないと、胸を掴まされるに違いない。

<ストーリー>

突然の銃声が一瞬にして打ち砕いた夢と希望。テロに襲われた若者たちは、いかに生き抜こうとしたか―
政治に関心ある数百人の若者が集い、キャンプファイヤーやサッカーに興じながら政治を学び、国の未来について語り合っているウトヤ島。そんなこの世の楽園のような場所を突如として銃声が切り裂き、キャンプ参加者の夢と希望を一瞬にして打ち砕く。何が起こっているのかわからないまま仲間たちと森へ逃げ込んだ少女カヤは、その恐怖のまっただ中でありったけの勇気を奮い起こし、離ればなれになった妹エミリアを捜し始めるのだが……。

<ウトヤ島での無差別銃乱射事件とは>

2011年7月22日。治安が安定した北欧の福祉国家ノルウェーが、悪夢のような惨劇に襲われた。午後3時17分、首都オスロ政府庁舎爆破事件により8人が死亡。さらに午後5時過ぎ、オスロから40キロ離れたウトヤ島で銃乱射事件が発生。ノルウェー労働党青年部のサマーキャンプに参加していた十代の若者たちなど69人が殺害された。犯人はたった一人。当時32歳のノルウェー人、アンネシュ・ベーリング・ブレイビク。
ノルウェーでは各政党ごとに青年部があり、夏になると若者たちを集めてサマーキャンプを開催する習慣がある。犯人のブレイビクはウトヤ島で労働党青年部のキャンプが行われる7月22日に狙いを定め、オスロで爆破を実行したのちに車で移動し、警官に成りすましてボートで島へ上陸。何の罪もない少年少女を、ライフルと小銃で手当たり次第に撃ちまくった。現地からの度重なる救助要請の通報にもかかわらず、警察の初動ミスに通信トラブルが重なったため、ブレイビクの冷酷な凶行は実に72分間にも及んだ。
本作は、ウトヤ島でのテロに焦点を絞り、事件発生から終息に要した時間と同じ尺、つまりリアルタイムの72分間ワンカットで無差別銃乱射事件を映像化する手法に挑戦した。センチメンタルなドラマや音楽などの装飾を一切排除し、登場人物の心の葛藤と身体的な反応を生々しいほどダイレクトに伝えてくる。映画と観客の間の垣根をすべて取り払い、想像を絶する緊迫感と臨場感でこのテロ事件を体感させる衝撃作である。
   

★本予告 

監督:エリック・ポッペ 『ヒトラーに屈しなかった国王』 撮影:マーティン・オターベック
出演:アンドレア・バーンツェン、エリ・リアノン・ミュラー・オズボーン
2018年/ノルウェー/ノルウェー語・英語/カラー/ビスタ/97分/字幕翻訳:北村広子/字幕監修:大久保義信/原題:Utøya 22. juli
配給:東京テアトル 提供:カルチュア・パブリッシャーズ、東京テアトル  utoya-0722.com

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