自主映画ながら国内外で10冠に輝く短編映画「老ナルキソス」が話題の東海林毅監督(44)の特集上映が、池袋シネマ・ロサ(東京都豊島区)にて開催される。
「老ナルキソス」を筆頭に、【男性性】をテーマにした最新作「ホモソーシャルダンス」、売れないカメラマンとグラビアアイドルの幽霊が寄る辺なく街を彷徨う「ピンぼけシティライツ」、セリフなし・ほぼ全編ゲームのチャット画面で構成されるという“早すぎた傑作” 「23:60」の短編作品4本立て。
それぞれに個性的な作品から見えてくる、社会、他者、自分との関係性。
時代を先取りした鋭いテーマ選びが注目される東海林監督の初めての特集上映となる。

私たちは知らずにそれぞれの辺境にいて、互いを遠く呼び合っている、
偏ったちっぽけな存在なのだろう。そんな気づきを与えてくれる作品群です。
文月悠光(詩人)

東海林毅監督プロフィール

武蔵野美術大学映像学科在学中から映像作家活動を開始し1995年、第4回 東京国際レズビアン&ゲイ映画祭コンペ部門にて審査員特別賞を受賞。「劇場版 喧嘩番長」シリーズや「お姉チャンバラ Vortex」などの商業作品を監督する一方、VFXアーティストとしても幅広く活動しNHK BSPの科学史ドキュメンタリー番組「フランケンシュタインの誘惑」では3年以上にわたり演出やVFXを務めた。近年、表現の幅を広げるために自主映画にも力を入れ、作品を精力的に発表中。

東海林毅監督コメント

小学生のころ顕微鏡観察に熱中していた時期がありました。田んぼやドブの水を掬っては、レンズ越しに蠢く小さく奇妙な生き物たちに心を奪われる日々。そんなある日、クラスの友人が「うなぎが美味しかった」と言ったので、僕はウキウキしながら、うなぎが泥の中でどういった微生物を食べているのか、絵に描いて丁寧に彼に説明してあげました。僕が描いたキュートなワムシやツリガネムシの絵を見た彼は、気味悪がって怒ってしまい、以来あまり遊んでくれなくなりました。あなたはどうでしょう?僕の描いた絵を見て怒るでしょうか?楽しんでもらえたら嬉しいのですが。

<特集上映タイトル>
「偏愛ビジュアリスト」東海林 毅ショートフィルム選
<上映作品>
「老ナルキソス」(2017)
「ホモソーシャルダンス」(2019)
「ピンぼけシティライツ」(2016)
「23:60」          (2007)

<日時>
2019年3月30日(土)〜4月5日(金)レイトショー  
 ※連日日替わりゲストと監督のトークショーを予定
<場所>
池袋シネマ・ロサ(東京都豊島区西池袋1-37-12 ロサ会館内)
<WEBサイト>
https://shoji.themedia.jp