カンヌ国際映画祭批評家週間オープニング作品
イタリアの主要映画祭など多数受賞、海外で絶賛の幻想的なラブストーリー!

1993年シチリアで実際に起きた誘拐事件から紡いだ、少年少女の美しくも切ない幻想的なラブストーリー『シシリアン・ゴースト・ストーリー』が新宿シネマカリテほかにて全国順次ロードショーいたしております。

美しい自然の残るシチリアの小さな村に住む13歳のルナは同級生のジュゼッペに思いを寄せていた。2人の仲が深まろうとする矢先に、ジュゼッペは突然姿を消してしまう。なぜか周囲の大人たちが口をつぐむなか、ルナは懸命に彼の行方と失踪事件の真相を追うのだったがー。美しいシチリアの自然の風景とともに描かれる、人間の残虐さ、純粋な心の強さ。1993年にシチリアで起きた凄惨な事件が紡ぐ、美しくも切ない寓話的な恋物語が完成した。

本作は、2017年カンヌ国際映画祭批評家週間のオープニング作品に選出され、イタリアの主要映画賞を多数受賞し、海外で高い評価を受けている。日本でも2018年イタリア映画祭の上映作品として選出され好評を博した。監督・脚本は、デビュー作『狼は暗闇の天使』が2013年カンヌ国際映画祭批評家週間でグランプリに輝いたファビオ・グラッサドニアとアントニオ・ピアッツァのコンビが務め、本作がコンビ2作目となる。撮影を『グレートビューティー/追憶のローマ』のルカ・ビガッツィが担当し、光と闇を豊かな映像で映し出し幻想的な世界へと観客を誘う。

映画の着想を得た「ジュゼッペ事件」とは―?
シチリアで1993年に実際に起きた、マフィアの内情を暴露する密告者サンティーノを父に持つ12歳の少年ジュゼッペ・ディ・マッテオが誘拐・殺害された「ジュゼッペ事件」が映画の着想となっている。
1993年11月23日、ジュゼッペがよく出入りしていた馬小屋に警官の制服を着た男たちがやってきて「きみの父親はいま警察に協力しているから、そこまで連れて行って父親に会わせてあげよう」とジュゼッペを騙し車で連れ去った。誘拐を指示したのは、父サンティーノの友人にして上司で、ジュゼッペのことを赤ん坊の頃からよく知るマフィアの頭領ジョヴァンニ・ブルスカだった。息子を救うためなら検察にマフィアの内情を漏らすのをやめるにちがいないと考えての犯行であった。しかし、サンティーノは息子の誘拐後も口をつぐむことなく告発を続け、ジュゼッペの監禁は779日間にも及んだ。ジュゼッペは鎖と目隠しをつけられたままシチリア各地の監禁場所を転々とし、最終的にジュゼッペの家から20キロの位置にある人里離れた倉庫で、1996年1月11日の夜に絞殺され、死体は酸で溶かされた。骨と皮しかない程に痩せこけた彼は、亡くなる時には30キログラムほどの体重しかなかったという。その後、誘拐を指示したジョヴァンニ・ブルスカは1996年5月20日に爆破テロの実行犯として逮捕され、終身刑の判決を受けた。
この「ジュゼッペ事件」は、シチリア出身である監督二人の脳裏にまるで憑き物のようにこびりついたという。「こんなに苦しい出来事が起きてしまう世界に対して怒りを覚えずにはいられない」と語り、ジュゼッペという救いなき物語に閉じ込められたひとりの亡霊を描いた本作が撮られるきっかけになった。そんな悲しい事件を幻想的なラブストーリーと融合させ、ファンタジーへと昇華させた本作。ぜひ劇場でご覧ください。

STORY 美しい自然の残るシチリアの小さな村に住む13歳のルナは同級生のジュゼッペに思いを寄せていた。2人の仲が深まろうとする矢先に、ジュゼッペは突然姿を消してしまう。なぜか周囲の大人たちが口をつぐむなか、ルナは懸命に彼の行方と失踪事件の真相を追うのだったがー。

監督・脚本:ファビオ・グラッサドニア、アントニオ・ピアッツァ 撮影:ルカ・ビガッツィ 
出演:ユリア・イェドリコヴスカ、ガエターノ・フェルナンデス、ヴィンチェンツォ・アマート、サビーネ・ティモテオ
2017年/イタリア=フランス=スイス/イタリア語/123分/カラー/シネスコ/5.1CH /原題:SICILIAN GHOST STORY / 字幕:岡本太郎 
後援:イタリア大使館/在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本 /特別協力:イタリア文化会館 /協力:ユニフランス /配給:ミモザフィルムズ 
©2017 INDIGO FILM CRISTALDI PICS MACT PRODUCTIONS JPG FILMS VENTURA FILM /公式サイト:sicilian-movie.com