芥川賞作家・羽田圭介の原作をWOWOWプライムで初めて連続ドラマ化した、 2019 年 1 月 5 日(土)スタートの「連続ドラマW 盗まれた顔 ~ミアタリ捜査班~」(よる10:00・第1話無料放送)。12月11日(火)には東京のユナイテッド・シネマ豊洲で第1話の完成披露試写会が行われ、主演の玉木宏、共演の内田理央、町田啓太、渋川清彦、伊藤歩、武正晴監督、原作者・羽田圭介が参加した。

記憶と勘を武器に、指名手配犯を捜し出す“見当たり捜査員”の白戸崇正(玉木)が、4年前に謎の死を遂げた先輩刑事・須波通(渋川清彦)の姿を見つけたことから、驚愕の真実にたどり着く。

見当たり捜査員・白戸崇正役で主演する玉木は「仕事もプライベートも境界線がなくて、人の顔ばかり見ている大変な仕事」と初めて演じる見当たり捜査員の苦労を実感しつつ「撮影もたくさんのエキストラの方々に参加していいただき、人の顔の海に溺れながら撮影した記憶がある」と回想。白戸の部下の見当たり捜査員・安藤香苗役の内田は「刑事役と聞いてかっちりしているキャラクターかと思いきや、ヒールをはいてミニスカという格好。しかもその格好でアクションをする」と異色の女デカ役に驚き。柔道初挑戦も「小さい頃からアニメなどで戦う女の子に憧れたけれど、実際にやると本当に大変!なったものじゃないなと」と苦笑いで熱演を報告した。

白戸の部下の見当たり捜査員・谷遼平役の町田は「見当たり捜査は体力勝負ということもあり、とにかく食べるシーンが多い!朝から焼き肉、中華、豚足、パンケーキもあった。豚足には初めてかぶりつきました。しっかりした豚足で、こんな感じなんだと驚いた」とグルメな舞台裏を明かし「撮影で焼き肉を食べた日は、その後にプライベートで玉木さんと焼き肉を食べに行きました」と座長・玉木ともウマが合ったようだった。

謎の死を遂げたはずの須波通役の渋川は「顔を隠していたので、あまりよくわからないと思いますよ。顔を盗まれていますから…」と作品にちなんで饒舌。白戸の恋人・千春役の伊藤は「劇中で猫がいるシーンがありますが、玉木さんの猫のあやし方が不器用でびっくり。距離をとりつつ『お~い、お~い』みたいな」と玉木の意外な一面を明かすと、当の玉木は「実は猫アレルギー。でもなぜか猫に触れる役が多い。普段は怖くて近寄れない。可愛いんだけどその一線を越えることができない」と苦悶の表情だった。

そんな和やかエピソードの一方で、撮影時は酷暑だったという。武監督は「撮影の思い出といえば、酷暑をどう乗り越えるか。まさに熱中症の夏の思い出」と笑わせつつも「平成も終わり、オリンピックが始まるいいタイミングなので、東京の風景を撮ろうと意識した。東京の実名の場所で展開する原作のストーリーが気に入っていた」と本作の裏テーマに言及した。原作者の羽田は「小説以上の生々しさがある」と映像化に太鼓判で「2007年に就活でららぽーとに来たけれど、落ちた。そこから原作を書いて、映像化されて、11年前のあの日にエントリーシートで落とされた企業で試写会をやるなんて」と喜びを噛みしめていた。

また「記憶」という作品のキーワードにちなんで「2018年の一番の思い出」を聞かれた玉木は「今年の始めにアイスランドに一人旅をしたこと。氷上でスノーモービルをしたり、大自然の中で遊びました。景色も含めて日本と規模が違う。凄くいい景色でした」と紹介。内田は親知らずを抜いたことを上げて「そうしたら驚くくらいに腫れてしまって。ちょうど母親と北海道旅行だったので、ウニくらいしか啜ることができずに帰ってきた。それが今年一番の記憶」とションボリ。

一方の町田は「玉木さんに申し訳ないことをした」と恐縮の表情で「玉木さんと飲みに行ったときに数年ぶりにトイレでグロッキー状態に。直前まで『全然大丈夫!』と言っていたのに、秒速でトイレで寝るという…。気づいたらドアをノックされて、玉木さんのいい声で『町田君、大丈夫?』と、笑いの入った声で言われた」と不覚の事態を告白。町田が「楽しくてついテンションが上がってしまって…」と酔いつぶれの弁解をすると、玉木は「元気だったのに、急にダメな人になった。…写真に収めてあるよ」(笑)と証拠をちらつかせ、町田を「え?怖い!」と怯えさせていた。

渋川は「今年は公開作が多くて、舞台挨拶を沢山した。感慨深い」と感謝で、伊藤は「今年は台風が多く、被災地にボランティアに行ったときの記憶が印象的」とシミジミ。武監督は「今年は撮影で半分以上自分の家にいなかった。自分の作った作品を上映したりするときに撮影時の記憶が蘇りますね」と多忙に嬉しい悲鳴。羽田は「小説の宣伝のために始めた朗読YouTubeの再生数が全然なかったこと。60万円くらいかけて機材をそろえたのに…」と恨み節で1年を総括した。

最後に主演の玉木は「羽田先生が生み出したものを、武監督が熱い熱量で作り上げた作品。5時間近い映画だと思って観てほしい。特に連続ドラマWはそれくらい集中して観てもらえるクオリティを持った枠。放送時もテレビでじっくりと観てほしい」と思いを込めた。