エミー賞受賞監督が紡ぐ、“いまを生きる”希望の物語—

自殺大国“ニッポン”の真実とは–—
いじめ、リストラ、ひきこもり、貧困、介護…。「生きづらい」と言われて久しい、私たちの国日本。
若者(15〜34歳)の死因は病死や事故を抜き、自殺が1位となり、SNSには「死にたい」「消えたい」などの言葉が氾濫している。GDP(国内総生産)世界第3位(2017年)の恵まれた経済大国にもかかわらず、なぜ死に急ごうとする人が後を絶たないのか?
デビュー作「After Tiller」(2013年・Martha Shane共同監督)でエミー賞を受賞した女性監督ラナ・ウィルソンは、雑誌「The New Yorker」に掲載された自殺防止活動に取り組む僧侶・根本一徹の存在に魅了され、日本を訪れ3年半にわたって撮影を敢行。
根本の日常を通して、アメリカ人である監督が日本社会の<現実>を浮き彫りにしていく。
コメントを寄せている坂本龍一は、クリスチャン・フェネスとコラボレーションした楽曲を挿入曲としても提供している。
他人との生身のつながりが急速に失われていく今、人生の意味を問いかけ、新たに生きる力を与えてくれる、すべての日本人必見のドキュメンタリー映画が誕生した。

「もう誰も死なせたくない」 自殺防止活動に取り組む僧侶の日常とは・・・
岐阜県。大禅寺の住職、根本一徹のもとには、全国の自殺志願者からのSOSが昼夜問わずに届く。
日常生活で徹底的に追いつめられ、誰も頼れない彼らのもとに根本は駆けつけるが、特別なことはしない。
じっと話を聞き、一緒に食事をしたりして、さりげなく寄り添うだけだ。
それでも彼らは根本の存在に安堵し、いのちの深呼吸をするように、少しずつ生気を取り戻す…。
根本も身近な人間を自殺で亡くしていた。
心臓に病魔を抱えながら、大量のメールや電話に心身は限界にきていた、いったい何が、彼を突き動かしているのか—。

著名人からのコメント到着

新鋭の女性監督、ラナ・ウィルソンは本作を通して「心に耳をひらく」ことの大切さを描きたかったのではないか。
静かで強いドキュメンタリー映画だ。
坂本龍一(音楽家)

この困難な時代に、『いのちの深呼吸』は希望の灯火のような映画だ。
茂木健一郎(脳科学者)

ギブアップする場面があって驚かされた。その苦しげな表情。「死ぬ以外の選択肢」を、
自ら体現してみせつつ真摯に向き合う以外に方法はないだろう。でも、それすら万能ではない。
そんなことなど百も承知で、彼は戦い続ける。誰にも真似はできない。
春日武彦(神経科医)

死への魅力に取り憑かれている人たちを救おうとする僧侶・根本さん。
彼自身が、まだ悟りの途上にあって、生きることの意味を探っている。
その苦悩も含めて「命」の在り様について深く考えさせられました。
田中圭一(マンガ家)

死にたいと言う人を前に、何も言えない僧侶、
しかし、連絡があれば駆けつける僧侶、困惑する僧侶、悩める僧侶、
そんな僧侶を初めて見た。
末井昭(エッセイスト)

自殺という重いテーマについて、監督は登場人物を美化せず赤裸々に描き出す。
見る者に残されるのは、ひとは自分を救うために他者を救うのかという問いかけである。
信田さよ子(原宿カウンセリングセンター所長)

※敬称略・順不同

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9月8日(土)より ポレポレ東中野にて公開!