『ロシュフォールの恋人たち』製作50周年企画:シネマ・アンシャンテ、 ジャック・ドゥミ+ミシェル・ルグラン デジタル・リマスター版特集上映
ヌーヴェルヴァーグきってのロマンチスト監督ジャック・ドゥミと、映画音楽界の生きる伝説ミシェル・ルグラン。
ふたりは1960年代から70年代にかけて最強のタッグを組み、数々の傑作を世に送り出してきました。
2017年秋、ミュージカル映画の金字塔『ロシュフォールの恋人たち』の製作50周年とルグランの生誕85周年を記念して、同作ならびにふたりの出世作『シェルブールの雨傘』、異色のファンタジー『ロバと王女』、そして池田理代子の名作漫画を実写化した『ベルサイユのばら』がデジタル・リマスター版でスクリーンに蘇ります。
カトリーヌ・ドヌーヴほか豪華キャストの名演技、きらびやかな美術や衣裳、叙情あふれる音楽が観る人すべての心を至福で包み、ドゥミとルグランの市井の人々に対するやさしい眼差しが忘れがたい余韻を残します。
『ラ・ラ・ランド』をはじめ、今もなお世界のカルチャシーンに多大な影響を与え続けているドゥミとルグランの不朽の作品群がデジタル・リマスターで一挙上映です。
[『シネマ・アンシャンテ』上映作品]
・『ロシュフォールの恋人たち』(1967)
監督・脚本:ジャック・ドゥミ 音楽:ミシェル・ルグラン
出演:カトリーヌ・ドヌーヴ、フランソワーズ・ドルレアック
年に一度のお祭りを控えた港町ロシュフォール。双子の姉妹ソランジュとデルフィーヌは旅芸人のエチエンヌらと親しくなり、花の都パリに誘われる。姉妹の夢は、それぞれ音楽家とバレリーナになり、素晴らしい恋人と出会うこと。
二人は夢を叶えるため旅立ちを決意するが、ソランジュは町ですれ違ったアンディを忘れられなくなる。
ドヌーヴと実姉ドルレアックの唯一の共演作で、揃いの衣裳に身を包んだ二人のキュートな美貌が眩しいミュージカル。
ドルレアックは本作公開の数ヶ月後に自動車事故で25歳で急逝した。
『雨に唄えば』のケリー、『ウェスト・サイド物語』のチャキリスなどアメリカのミュージカルスターが軽妙洒脱な音楽に合わせて踊る場面も見もの。
・『シェルブールの雨傘』(1964)
監督・脚本:ジャック・ドゥミ 音楽:ミシェル・ルグラン
出演:カトリーヌ・ドヌーヴ、ニーノ・カステルヌオーヴォ
フランスの港町シェルブールに暮らす17歳のジュヌヴィエーヌと自動車整備工の20歳のギイは恋人同士。
傘店を営むジュヌヴィエーヌの母には交際を快く思われていないが、二人は密かに愛を育み、ギイが戦地アルジェリアに送られることが決まると再会を誓い合う。
だが無情にも運命はすれ違い、二人はそれぞれの道を歩き出す……。
すべてのセリフを歌で表現した画期的なミュージカルであり、ドゥミとルグランの名を世界に知らしめた一作。
悲恋を歌ったテーマ曲「シェルブールの雨傘」は大ヒットして各国語で歌い継がれ、ドヌーヴのファッションや、色とりどりの傘が印象的な映像もさまざまなジャンルの作品に引用されている。
第17回カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作。
・デジタル・リマスター版初公開『ロバと王女』 (1970)
監督・脚本:ジャック・ドゥミ 音楽:ミシェル・ルグラン
出演:カトリーヌ・ドヌーヴ、ジャン・マレー、ジャック・ペラン
再婚するなら自分より美しい女性を選ぶようにと言い残して王妃は死んだ。
世継ぎを望む王は、自身の娘である王女に求婚する。
困った王女は結婚の条件としてさまざまな無理難題を出すが、王はすべて受け入れ、財宝を生むロバすらも殺してしまう。
ついに王女はロバの皮をまとって王国を脱出し、森の小屋で下女として暮らし始める。そこへ王子が現れて……。
シャルル・ベローの童話「ロバの皮」に魅了されたドゥミが、おとぎ話の倒錯した世界観を遊び心たっぷりに再現。
当時27歳のドヌーヴの清冽さはもちろん、ジャン・コクトー『美女と野獣』などで知られるマレーのカリスマ性にも要注目。
キッチュな映像と洗練された楽曲の組み合わせも絶妙で、フランスではドゥミ最大のヒットを記録した。
・デジタル・リマスター版初公開『ベルサイユのばら』 (1979)
監督・脚本:ジャック・ドゥミ 共同脚本:パトリシア・ノップ 音楽:ミシェル・ルグラン
出演:カトリオーナ・マッコール、バリー・ストークス、クリスティーナ・ボーム
18世紀パリ。貴族令嬢でありながら将軍の父の意向で軍人として育てられたオスカルは、王妃マリー・アントワネットの近衛隊に配属され、王妃の愛人に初めての恋をする。
一方、オスカルと兄弟同然に育った乳母の孫アンドレは、オスカルへの身分違いの恋心に苦しみながら、オスカルに民衆の貧しい生活を伝え、革命運動に参加するように求める。
宝塚歌劇、アニメにもなった池田理代子の代表作を、オールフランスロケで実写化した作品。
日本の少女漫画の世界を、本物のベルサイユ宮殿の中でヨーロッパ俳優が演じるという無謀なチャレンジを豪華絢爛な美術と壮麗な音楽で見事に成立させている。
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[関連グッズ&イベント]
[CD]
ミシェル・ルグラン生誕85周年記念 (監修:濱田高志)
◎「シェルブールの雨傘 オリジナル・サウンドトラック」※9月20日発売 ユニバーサルミュージック
オリジナル・アートワークで復刻(1963年作品)
◎「ロシュフォールの恋人たち(オーケストラ・ヴァージョン)※9月20日発売 ユニバーサルミュージック
傑作サントラを、新たにインストゥルメンタルとしてレコーディングした企画盤。
◎ミシェル・ルグラン・アルバム・セレクション4タイトル※9月27日発売 ソニーミュージック
「ブライアンズ・ソング」、「トウェンティ・ソングス・オブ・ザ・センチュリー」、「ミシェル・ルグランの世界」、
「タイムズ・オブ・ユア・ライフ」(1978年作品)
◎「Around The World with Michel Legrand」※9月27日発売 ソニーミュージック
若きミシェル・ルグランが巧みなアレンジで聴き手を魅了した珠玉の名盤をここに集約
◎原作漫画「火の鳥/黎明編」発表50周年特別企画/ミシェル・ルグラン生誕85周年特別企画
「火の鳥 オリジナル・サウンドトラック <スペシャル・エディション>」※9月27日発売 ソニーミュージック
[書籍] ※9月21日発売 立東舎
◎「ジャック・ドゥミ+ミシェル・ルグラン シネマ・アンシャンテ」山田宏一・濱田高志 共著
貴重なインタヴュー、写真で振り返る〈ドゥミ×ルグラン〉の世界
◎「ミシェル・ルグラン クロニクル」濱田高志 著
ミシェル・ルグラン公認! 全作品を網羅した評伝+ディスクガイドの決定版
[展示]
◎「山田宏一 写真展」(仮)
ギャラリー・メスタージャ(神保町)
会期:2017年10月6日(金)〜20日(金)で調整中 入場無料
◎「シネマ・アンシャンテ ミシェル・ルグランの世界」
パールブックショップ&ギャラリー(幡ヶ谷)
会期:2017年10月13日(金)〜22日(日) 入場無料
[特集上映]
◎「ドゥミとヴァルダ、幸福についての5つの物語」
上映期間:2017年7月22日(土)~8月18日(金) シアター・イメージフォーラムにて開催
上映作品:『ローラ』『天使の入江』『ジャック・ドゥミの少年期』『5時から7時までのクレオ』『幸福(しあわせ)』
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【作品概要】
フランス語タイトル:Le cinéma enchanté de Jacques Demy et Michel Legrand
上映作品:『ロシュフォールの恋人たち』、『シェルブールの雨傘』、『ロバと王女』、『ベルサイユのばら』
配給:コピアポア・フィルム、東宝
協力:ハピネット、トライストーン・エンタテイメント、濱田高志
オフィシャルサイト:cinema-enchante.com
公開表記:10月14日(土)〜20日(金)YEBISU GARDEN CINEMAにて1週間限定ロードショー!
■『ロシュフォールの恋人たち』
(C)Ciné-Tamaris
■『シェルブールの雨傘』
(C)Cine -Tamaris photo by Agnes Varda (C)Agnes Varda
■『ロバと王女』
(C)Ciné-Tamaris
■『ベルサイユのばら』
(C)1979 池田理代子/フィルムリンク・インターナショナル