マーレン・アデ監督最新作『ありがとう、トニ・エルドマン』が6月24日(土)よりシネスイッチ銀座、新宿武蔵野館ほか全国順次公開となります。

各国の有力誌がこぞって2016年の映画ベスト1に選んだのは、『ムーンライト』や『ラ・ラ・ランド』でもなく、『ありがとう、トニ・エルドマン』だった。
カンヌで大きな話題となると、アカデミー賞ノミネートをはじめ各国で40を超える賞を受賞。既に公開されたドイツ、フランスでは異例の大ヒットを記録。
また、本作を観て惚れ込んだジャック・ニコルソンの猛プッシュにより、自身を主演に据えたハリウッド・リメイクが決定するなど、公開を前に話題が沸騰!

互いに思い合っているにも関わらず、今ひとつ噛み合わない父と娘の普遍的な関係を、温かさとクールな視点をあわせ持った絶妙のユーモアで描いた本作。
冗談好きの父・ヴィンフリートと、故郷を離れ外国で仕事をする娘・イネス。仕事一筋で笑顔を忘れかけている娘を心配し、父は、出っ歯の入れ歯とカツラを装着し<トニ・エルドマン>という別人になって、神出鬼没に娘のもとに現れる…。

長編3作品目にして本作で世界的に高い評価を得たマーレン・アデ監督は、今年のカンヌ国際映画祭の審査員にも抜擢!
今後が最も期待される女性監督です。そんなアデ監督『ありがとう、トニ・エルドマン』では、企業コンサルタントとして故郷を離れてバリバリ働く娘・イネスの姿が印象的に描かれます。上昇志向が高く、常に張りつめた表情で、
取引先に呼ばれればどこへでも、と戦闘服のようにスーツを着て仕事に打ち込む彼女の姿は、現代の日本でも見かける働く女性たちの姿にも重なります。

イネスが父との関係性のなかで自分を見つめ、変化していく姿は、観る者に働き方の問題や価値観をも問いかけます。
働く人たちにこそ見てほしい、本当の幸せについて教えてくれる本作の魅力に迫ります!

◎「義務に追われているうちに人生は終わってしまう」
過労死問題が大きく取り沙汰され、国をあげて長時間労働などを見直す「働き方改革」が行われている日本。
一方、『ありがとう、トニ・エルドマン』が制作されたドイツは、世界の主要な国の中でも最もそうした問題とは無縁の “労働先進国”としても知られる。
日本に比べて労働時間が短く、生産性は高いというワークライフバランスのお手本ともいえる国。

映画では、そんな故郷ドイツを離れ、ルーマニアで経営コンサルタントとして働くグローバリズム企業戦士の娘・イネスにスポットがあたる。
キャリア志向が強いイネスは、男性中心の企業のなかでも、責任感を持って仕事をこなす“バリキャリ女子”。
自分の夢を叶えるため、取引先の観光案内も嫌な顔をせず引き受け、重要なプレゼンも機転を利かせて最適なパターンを準備する――。

しかし、家に帰ってもPCを開き、実家に帰っても携帯電話を肌身離さず持っている彼女の顔は、いつも険しくどこかピリピリしている。
そんな娘を心配し、冗談好きの父・ヴィンフリートは、彼女が働くルーマニアを訪れる、しかも出っ歯にかつらの別人〈トニ・エルドマン〉に変装して。
父の突飛な行動に困惑し、振り回されながらも、次第にふたりの心の距離が縮まっていく。

そして想像を超える大感動のラストで、ついに娘は本来の自分を取り戻す――。
「義務に追われているうちに人生は終わってしまう」父・ヴィンフリートが静かに言うセリフは、観る者の心をグッとつかみ、
“本当の幸せ”とは一体何かを考えさせる。

◎「いまの、生真面目すぎる日本に、一番必要な映画」
本作を一足先に観た、各界の著名人たちからも絶賛のコメントが寄せられる本作!
“労働先進国”ドイツから生まれた『ありがとう、トニ・エルドマン』は“働き方”を考える上で大きなヒントをくれる、
今の日本が最も観なければならない映画といえる。
ラスト、娘のイネスがする、ある選択は「働きながら幸せになる」とはどういうことかを観客に問いかける。

成熟した映画に出会った。
トニの、娘へのどこまでも深い愛は、人の生きる意味を問いかける。
――黒木瞳(女優)

不器用で愚直な毛むくじゃらの愛が、硬く凍った心を溶かす。
この奇妙でチャーミングな映画を観れば、働き方改革が起こる。
―― 中井圭(映画解説者)

いまの、生真面目すぎる日本に、一番必要な映画かもしれない。人生に必要なのは、「ユーモア」だ!
でも、このお父さんのユーモア、ちょっとマニアックすぎるんだけど。
――福里真一(CMプランナー/BOSS「宇宙人ジョーンズ」シリーズ)

キャリア自慢?セレブ気取り?はいはい。
この映画を観たら、爪先立ちの幸せごっこなんかやめて、全部脱ぎたくなっちゃうんだから!
――ブルボンヌ(女装パフォーマー/ライター)

夢を叶えようと走っていると、本来の自分が消え失せたことに気づかない。
現代の固定観念を突き崩す、へんてこで衝撃的な親子愛の物語!
――立川談笑(落語家)

本当のしあわせは〈トニ・エルドマン〉が教えてくれる。一生懸命に働く人にこそ見てほしい、

6月24日(土)よりシネスイッチ銀座、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー!
(C)Komplizen Film

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