スウェーデンで50万人以上の動員を記録し、国内のアカデミー賞≪ゴールデン・ビートル賞≫にて4部門受賞(監督賞、主演女優賞、助演男優賞、衣装賞)、世界的ピアニスト、ビル・エヴァンスとの共演「ワルツ・フォー・デビー」により世界的ジャズシンガーとなったモニカ・ゼタールンドの半生を描いた作品『ストックホルムでワルツを』が、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町他にて公開中です。

現在、ジャズファンや北欧ファンだけに留まらず幅広い世代のお客様に映画館に来ていただいており、特にモニカ役を演じた主演のエッダ・マグナソンさんのスウェーデン語で歌うジャズに高い関心が集まっております。そこで、日本での映画の大ヒットを記念して、12/20、21日にブルーノート東京公演で来日するエッダ・マグナソンさんが急遽新宿武蔵野館にて舞台挨拶を行いましたので、ご報告させて頂きます。また同じく、エッダさんとペアでヨーロッパ公演を行い、実在のモニカ・ゼタールンドと一緒に仕事をしたことのあるピアニストのニルス・ラン・ドーキーさんも登壇いたしました。

<概要>12月19日(金)18:05スタート 
場所:新宿武蔵野館

映画『ストックホルムでワルツを』の大ヒットを記念しての、今回の来日について、主演を務めたエッダ・マグナソンは、「今回、初めて日本に来ることができて、とても嬉しいです。」と笑顔で挨拶した。そして、ブルーノート東京での公演のため、一緒に来日したピアニストのニルス・ラン・ドーキーは、「実は1988年から何回か日本に来ているのですが、今回エッダと来日することが出来てとても嬉しく思います。」と、二人とも今回の来日を喜んでいた。

今回は、実在したスウェーデンの伝説のジャズシンガー、モニカ・ゼタールンドを演じたことについて、エッダは「スウェーデンで、モニカを知らない人ないないくらい有名。そのような人を演じるなんて、よく考えたら自殺行為みたいなものね(笑)でも、モニカの真似をするのではなく、自分らしいモニカを演じようと意識していました。それが皆さんに伝わって、映画のモニカを気に入って頂けたんだと思います。」と振り返った。1997年〜98年頃、当時実際にモニカと共演したことのあるニルスは、「エッダとモニカの似ているところは、映画を観てもらえばわかりますが、何と言っても“声”!スカンジナビア地方独特の声質があって、とても懐かしく思いました。そして、“個性”があるところ。自分らしいモニカを演じたと言っていたけど、その通り。エッダらしい個性を持っているからこそ、よりモニカのような雰囲気を出せたのでしょう。」とエッダとモニカの共通点を語った。

 エッダは、本作で女優デビューを果たしたことについて、「普段から、アーティストとして舞台で歌っているので、そういう意味では自然に演じられたと思う。でも、私が普段歌っている歌は、ジャズとは全く雰囲気の違う曲です。なので、モニカを演じるにあたって、彼女の声や歌詞の解釈などをかなり研究しました。」と語った。モニカに対しては、「大好き。彼女の歌はビタースウィートであり、強さと弱さがミックスされていてとても素敵です。」と言い、好きな歌を聞かれると「ウィーキン・マイ・ベイビー・バック・ホーム」(邦題:歩いて帰ろう)と答え、その場で生歌も披露!会場からは拍手が沸き起こった。

 最後に映画の見どころについて、ニルスは「とにかく音楽をたっぷり楽しんで。実在したミュージシャンたちが登場するし、ジャズの空気が感じられる。」、エッダは「当時のストックホルムには、多くのアメリカのジャズミュージシャンたちが来ていました。その中でモニカは本当に重要な役割を果たしていた。たくさんの素晴らしい音楽を遺してくれたモニカを感じて欲しいです。」と語り、舞台挨拶を締めくくった。

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執筆者

Yasuhiro Togawa