cinema塾はセンセーショナルな作品を世に送り出してきた原一男監督による<映画の私塾>であり、1995年以来、様々な場所とかたちで、合宿・講座・ワークショップが断続的に行われてきました。2014年春から装いも新たに「new CINEMA塾」として、月に一度講義を行っております。
『ゆきゆきて、神軍』で知られるドキュメンタリー界の重鎮・原一男と、河瀬直美(『二つの森』『殯の森』)、砂田麻美(『エンディングノート』)、松江哲明(『フラッシュバックメモリーズ3D』『あんにょん由美香』)など、ドキュメンタリー界を牽引する若き監督たちとの対談が注目を集める本企画。

第8回の今回は、『THE ダイエット!』『毎日がアルツハイマー』の監督・関口祐加と“肉体派セルフ”をテーマに、今のドキュメンタリーをアツく語ります。自らの身体を観察対象、実験台として作り上げる映像作品。まさに“肉体派”なドキュメンタリーを手掛けてきた関口監督の思考を覗き見る事が出来る内容です。

new『CINEMA塾』第8回

■日時  11/28(土)  11:20より
■場所  アテネ・フランセ
      (千代田区神田駿河台2-11)
■ゲスト 関口祐加、斎藤学(精神科医)
■上映作品  『THE ダイエット!』
         『毎日がアルツハイマー』
※詳細は公式HPへ
http://newcinemajuku.net/

原 一男
『THEダイエット!』は、そのエンターテイメント精神が横溢した作品である。そのことに驚く。それでいて深遠なテーマが盛り込まれている。
『毎日がアルツハイマー』は、実母の病に材をとっているが、それとてもエンターテイメント精神が徹底していて、結果、大ヒットしている。
したがって、今回は、そのエンターテイメント性とセルフ性という二つの要素をどう連結させて作品を作っているのか、という“作家の創作の秘密”に迫りたい、と考えている。
ゲストとして精神科医の斎藤学さんを招いてある。このかたも映画には造詣が深いので、私とタッグを組んで関口エンターテイメントの世界の解明に挑む次第である。
さらに、エンターテイメント精神を徹底して学んだ関口監督からみて、ニッポンの作り手がいかに、エンターテイメント精神が欠如しているのかの苦言を呈していただきたい、と考えている。

関口祐加
「THEダイエット!」はまさしく、自分の肉体を惜しみなくさらけ出し、「毎アル」は、認知症の母親をさらけ出す。何のために?
私のドキュメンタリー映画には、ユーモアは欠かせません。コメディ・ドキュメンタリーのセルフとは?
原塾長と斎藤學先生との対談でより深く、楽しく話し合える事を今から楽しみにしています。

関連作品

http://data.cinematopics.com/?p=53333

執筆者

Yasuhiro Togawa